20 くたばれブロードキャスター

2004.2


 横浜にみなとみらい線が開通して間もない頃、つまりつい数週間前のことだが、TBSテレビの土曜日夜のワイドショー「ブロードキャスター」が、横浜の現状を特集した。

 そもそもこの「ブロードキャスター」という番組、メインの福留アナをはじめとするキャスターの面々が何ともいえない嫌な感じのする番組で、できれば見たくないのだが、その後にある堺正章の「チューボーですよ」がどうにも好きで見逃したくないために、テレビ朝日の「土曜ワイド劇場」を見終わると、半自動的にTBSにチャンネルを切り替えてしまう。そうすると、山瀬まみだの、名前はどうしても覚えられないが髪の毛が異様に多い半分外人のようなおばさんとか、お公家さんのように妙にのっぺりした顔のおじさんとか、どうやらイギリス人らしいが結構日本語の達者なおじさんとかの顔が嫌でも目に入ってくることになる。

 その「ブロードキャスター」が横浜の特集をしたのだが、内容はといえば、みなとみらい線が開通して横浜は浮かれているが、実際は高島町のあたりは全然ビルが建たずいまだ空き地だし(ここで、わざわざご丁寧に空き地の映像に木枯らしの音を重ねた)、中華街に行ってみれば、8時半ぐらいにオーダーストップがかかるし、ランドマークタワーの夜景がきれいだっていったって、六本木ヒルズの夜景に比べたら、海の部分が暗い分たいしたことないんだ、といった水を差すことばかり。挙げ句、そういえば最近横浜へは行ってないなあなんて皆で合唱のように言い合い、昔は港があって氷川丸があって風情があったんですがねえなどと、まるで港も氷川丸ももうないかのような発言まで出る始末。

 最後にイギリス人みたいな外人のおじさんが言い放った。「橋が出来れば人が来るってもんじゃないんです。川崎だって、瀬戸大橋だってそうでしょう。みなとみらい線ができたって、人が来るなんて可能性はゼロですよ。」

 「ゼロはないだろう、ばかやろう!」と叫んだ。もう少しで買ったばかりの大型のテレビに焼酎のビンを投げつけるところだった。

 「ふざけるな、謝罪しろ。」と電話をかけようと番号を調べたがどうにも分からない。で、怒りに震える指でメールをTBSに送った。次週、イギリス人の謝罪があるかと期待して見たが、もちろんそんなものはあるはずもなかった。相変わらず趣味の悪いキャスターたちが、勝手なことをほざいていた。


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