89 やっぱり本にしたい

2014.7.13


   ブログを開設したのが、2012年の11月だから、まだ2年も経っていない。最初は、どう使ったらよいのか分からぬままに、写真や絵といった画像中心のブログとして出発したのだった。だからブログ名も「Yoz Art Space」なんて付けた。訳せば「洋三の美術空間」といった意味のつもりだった。Artは「芸術」とも訳せるが、どちらかというと「美術」の意味合いが強いように思う。(今では「洋三の芸術宇宙」と訳したいと勝手に思っている。)

 そのうちに、ブログの使い勝手のよさが分かってきて、それまで続けてきたホームページの方を凍結し、ブログに移行した。その結果、「100のエッセイ」もブログに移すことになった。それで2年近くたったわけだが、エッセイも数を増してくると、ブログの仕様では困ったことが起きてきた。過去に書いたエッセイをなかなか見つけられないのだ。もちろん、ブログ内検索をすれば、わりと簡単に見つけることは出来るのだが、エッセイも写真も「コラ書」も、みんな一緒くたに時系列にならぶブログは、一覧性に欠けるという欠点があることが分かってきたわけである。

 それで、エッセイの目次だけのページを作成してみた。そうすると、以前のホームページのような感覚で、読みたいエッセイにすぐにとべる。でも、こんなことをしているブログは、めったにお目にかからない。やはり、ブログは、日記的なことを時系列に掲載するというのが、もともとの使い方なのだ。ぼくのブログは変則的なのだろう。

 ホームページに、「100のエッセイ」を連載していたとき、第1期と第2期は、自費出版した。ネット上に存在していても、ネットに縁のない人には何の意味もないので、やはり「本」という形にしたいと思ったのだ。これは案外好評だった。それに気をよくして、横浜市立の図書館のいくつかに寄贈した。図書館でその本を読み、メールをくださった方がひとりだけいて、その方とは今でもメールのやりとりをしている。

 「コラ書」というものを初めて作成したのは、2013年の5月23日。ずいぶん長いことやってきたような気がするが、まだ1年ちょっとでしかないのだ。「コラ書」と命名したのもそのころ。それ以来、ヘンテコな「コラ書」という名前も何となく落ち着いてきて、市民権を得たような気分になってきた。ネットで検索すると「コラボー書」とか「コラ・書」とかいう名称で作品を作っている人もいるが、ぼくの「コラ書」とはかなり違う。似ているものに「デジタル書道」というのがあるが、これは、画像のデジタル処理が興味の中心となっているようで、ぼくの「コラ書」とは違う雰囲気である。

 「コラ書」の作成方法を、いちおう書いておくと、(1)文字は、筆による手書きで、それをスキャナーなどで取り込む。(2)写真は自分で撮影したものを使う。写真素材でないもの(例えばデカルコマニー)でも、必ず自作のものを使う。(3)書と写真を、アドビ・フォトショップなどの画像加工ソフト(ぼくはアドビ・フォトショップを使っている。)で、合成する。(合成方法にいろいろとあって、文字に色がついたり、白抜きになったりする。)ということになる。

 しかしただ合成すればいいというものではない。ぼくが「コラ書」で目ざしているのは、生意気なようだが「詩的な表現」である。書と写真とが、「付かず離れず」の関係で、詩的に共鳴しあうこと、これがぼくの理想。桜の花の写真に、「さくら」とか「桜」という文字を配しても、あんまり面白くない。文字が写真の「説明」になってしまっては、「詩」から遠ざかってしまう。「詩」にとって、「説明」は、大敵なのである。もっとも苦し紛れに、萩の花の写真に「萩」という字を合わせたこともある。それでも、写真の方はなるべくぼかして撮ったものを使った。

 まあ、そんなつもりで作成してきた「コラ書」も、いつの間にかかなりの数になり、ブログの中にちりばめられているわけだが、やはり一覧性に欠ける。「フォトチャンネル」にまとめてはみたが、やはり「本」にしたいと思うようになった。

 それで、とうとう「コラ書・コレクション No.1」の作成に踏み切った。アップルのフォトブックである。文庫本の倍ぐらいの大きさで、30ページ。見本を作ってみたら、これが意外ときれいだ。1冊注文すると、送料も含めて2337円だが、20冊まとめて作ると、1冊あたり1824円となる。それでも結構なお値段だが、これを欲しい人にお分けしようかと思っている。こちらからの送料やら、封筒代やらも含めて、2000円ではどうだろうか。少々足が出そうだが、ま、いいか。ということで、お手元においてみたいという方は、どうぞ、お申し込みください。詳しい申込み方法などは、今週中に、このブログでお知らせします。

 


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