87 どうなるのだろうか

2011.3


 期末試験の最終日だったが、試験監督もないので年次休暇をとった。午前中に採点も終えてしまったので、こたつに入って、サスペンスの再放送を家内と見ていた。前に見たもので、犯人は誰だっけかなあなどと思っていると、背中が揺れた。おや、地震だと思っているうち、だんだん横揺れが激しくなった。これは大きいと思い、起き上がって玄関のドアを開けに走った。それでも揺れはますます激しくなる。家内はもうリビングの食卓の下にもぐっているので、ぼくも一緒にもぐったが、それでも体を大きな力で揺すられるような揺れはおさまらない。もうこわくてこわくて、思わず家内の腕にしがみついてしまった。何を隠そう、ぼくは大、大、大の地震嫌いなのだ。

 テレビは、緊急放送に切り替わり、ひたすら津波の情報を流しはじめた。震源は三陸沖で、マグニチュードは8.2だったか8.3だったか、横浜あたりの震度は6弱だったか、5強だっただろうか。

 ようやく揺れがおさまったかと思ったら、また激しく揺れはじめた。しかし最初のよりは小さな気がした。

 その後、余震が続いたが、とにかくテレビには次々と信じられないような津波の光景がライブで流れる。こんなことが現実にあるのだろうか。

 二階から同居している次男夫婦の嫁が降りてきた。ああ、家にいたんだ、と安堵したが、次男は仕事で成増まで行っているという。携帯のメールも出したが、返事が来ないという。まあ男だから何とかするさ、と言いながらも、やはり心配だった。

 テレビでは神奈川県でも何百万軒も停電しているという。しかし我が家のあたりは停電していない。近くで一人暮らしをしている母はどうしているだろうと、何度電話をしてもつながらない。で、5時ごろ車で行ってみた。母の家までは車で10分とかからないところにあるのだが、母の家の近くまで来たら、あたり一帯が停電している。驚いて、母の家に行くと、夕闇で暗くなった家の中に母がいたので、車に乗せて家に連れ帰った。まだ道路は混んではいなかった。

 まあこれでひと安心かということで、家内の母と僕の母と次男の嫁と家内の5人で鍋を囲んだ。7時ごろに、次男からも無事とのメールも入ったので、じゃあもうヤケだ、ビールでも飲もうということで、小宴会になってしまった。

 マグニチュード8.8という前代未聞の大地震の一齣である。

 原発のこともあるし、これからどうなるのだろうか。冷静に行動したいものだ。


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