96 目覚めの不幸

2009.6


 とにかく眠い。

 夕食後、サスペンスなどを見ていても、半分は寝てしまう。それで夜は寝られないかというと、すぐに寝てしまう。寝付きが極端なくらいよい。寝る前に少しは本でも読みたいと思っても、ものの数行読んだだけでもうまぶたが下がってきてしまう。昔は朝まで起きることもなかったが、さすがに年のせいか、夜中にトイレには一度は起きるようになった。それでも再びベッドに入るとすぐに寝てしまう。寝起きはよい。起きてから15分もたたなくても、食欲は普通にある。しかし、昼間も眠い。さすがに授業をやりながら寝てしまうということはないが、休み時間には寝てしまうこともある。

 先日あまりに眠いので、国語科研究室のソファー(これは我が家の使わなくなったものを持ち込んだのだ。こんなものまで用意してくれる親切な学校があるわけはない。)に横になったら1時間ほど眠てしまった。目覚める間際に夢を見た。自宅のリビングで、夕食後に寝ている夢である。ああ、寝てしまったなあ、さあそろそろ起きて風呂にでも入って寝るかと、なんとなくシアワセな気分でそろそろと目を開けると、なんと国語科研究室だった。なんだ、まだ学校かあ、とものすごく不幸な気分になった。しかも時計を見たら、あと10分で授業である。がっかりである。

 日曜日などにごろりと横になって寝てしまって、ああもう夜だろうな、日曜日も終わりかと思いながら目覚めたら、まだ昼間だったなんて時は、ちょっと得した気分になるが、家だと思って、しかもこれから風呂だと思っていた目覚めたのに、職場だったというのでは、不幸度も相当高い。

 もっと不幸なこともあった。だいたい眠いのは今に始まったことではなく、思えば中学生の後半ぐらいからだったと思う。高校生の頃などは、一日の授業を全部起きていたという日は多分ない。たいてい何時間かは寝ていた。大学受験の時も、この眠気との闘いに精力の大半をさかれ、ほぼ負けたといっていい。

 で、その不幸なことというのは、期末試験だったか、それとも普段の試験だったかは忘れたが、とにかく英語の試験中に寝てしまったということだ。もっとも数分のことだったのだが、その寝ている間に、自宅で英語の試験勉強をしている夢を見た。目覚めるときに、あれ、ここはどこだ、家だよな、え、違うか… あ、まずい、試験中だ、と、そう思ったことをはっきり覚えている。ものすごく不幸だった。


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