95 アジサイの悩み

2009.6


 今年は我が家の庭にアジサイが見事に咲いた。植え付けたのは4〜5年前だと思うが、一昨年割合きれいに咲いたので、よし来年もちゃんと咲くようにと意気込んで、剪定の仕方をネットで調べて、そこにあったとおり剪定をしたところ、何と去年はまったく花が咲かなかった。どうも剪定の仕方が悪かったらしい。それで、去年は剪定をせずにそのままにしておいたら、今年は実に見事に咲いたのである。

 しかし、このまま今年も剪定をしないと、株はどんどん丈が高くなってしまい、庭のバランスを崩してしまう。小さな庭なので、それなりに考えないと、ただの藪になってしまう。しかもこの庭は日当たりが悪く、冬などはほとんど1〜2時間しか日が当たらないので、植える植物も何でもいいというわけにはいかない。日陰でもよく育つ植物が主体となり、したがってどうしても地味な庭になる。それだけに雨の中にパステルカラーを際だたせるアジサイは、是非とも毎年咲いて欲しい花なのである。

 さて今年は、どう剪定すればいいのか。今回もネットでいろいろと調べてみたが、やはりアジサイの剪定というのは難しいものらしく、「今年は全然咲きませんでした。どう剪定すればいいのですか。」などという質問が多く書き込まれている。それに対する答えもいろいろだが、共通しているのは、なるべく早く剪定をすること、できれば7月中に、というようなことだ。花の咲いたところから2節か3節下を切る、というようなことも必ず書かれている。しかしこの何節下という言い方が、なかなか理解できない。一昨年もちゃんと数えて切ったはずなのだが、数え方を間違えたのだろうか。

 中には極端な意見もあって、できるだけ早く剪定すること、つまり咲いた直後が一番よい、と言う人もいる。咲いたらすぐ切る、切った花は切り花として楽しめというのだ。しかし、それではいったい何のために今年咲いたのか、アジサイ自身としても理解に苦しむだろう。せっかく咲かせたのに、来年また咲かせるためにすぐに切ってしまうというのは、いかにも本末転倒の感を免れない。今年も咲いたという達成感を味わうために咲かせるわけではない。花をじっくりと観賞したいから咲かせるのだ。それに切り花で楽しめと言ったって、アジサイは水揚げが悪くて切り花には向かないらしい。

 ネットにはいい加減な情報があふれているので、今年はちゃんとした本を買ってきた。さて、来年は咲くだろうか。


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