48 女優失格

2008.7


 嫌いな女優を3人挙げろと言われれば、躊躇なく、山村紅葉・泉ピン子・渡辺えりを挙げる。もっともこの3人は「女優」の範疇に入るのかどうか、はなはだ疑問で、泉ピン子は「ウィークエンダー」に出ていたレポーターだったのだし、渡辺えりは、どちらかというと劇団の演出家がメインだったように思う。この3人に共通しているのは「下手なのに威張っている(らしい)。」ということだ。

 泉ピン子は、どうしてこうも滑舌が悪いのに女優としてやっていけるのかと不思議でしかたがない。あの素人以下のたどたどしいセリフまわしを聞いていると、ちゃんと練習しろい! と張り倒したくなる。当人は、あれで自分はいっぱしの女優だと思っているのだろうか。そうだとしたら恐ろしいことだ。

 渡辺えりは、滑舌は悪くはないのだが、どうしてこうもセリフが一本調子なのかとあきれてしまう。初めのうちはなかなか味があると思っていたのだが、最近はもう5分と聞いていられない。眠くなってしまうのである。おまけにどんどん太っていくようで、走る姿など見られたものではない。

 それでもこの二人は、山村紅葉に比べればまだ可愛いもので、もう紅葉ときたら、テレビ画面をはみ出すほどのデカイ顔を見るたびに「消えろ!」と怒鳴ってしまう。彼女は、母親の山村美紗原作のドラマと美紗の親友(?)である西村京太郎原作のドラマには絶対に出る。彼女が出ることが、二人の原作ドラマを放送する条件になっているからである。

 怒鳴るくらいなら初めから見なきゃよいのにと思われるかもしれないが、2時間ドラマでは、山村美紗と西村京太郎原作のものがやたら多いのだ。山村美紗のものはだいたい面白くないのだが、それでも主演がよかったりするとやむを得ずに見ることになる。そうするとあのデカイ顔に遭遇するはめになるのだ。

 とにかく、演技が下手で、どんな役をやっても「地」でやっているだけ。もう何十年と女優をやっているはずなのに、不思議なほど演技が上達しない。セリフもひどいが、セリフのないときの演技がもう学芸会なみだ。どんなにいい俳優たちが、いい演技をしていても、彼女が出るといっぺんに台無しになってしまう。まるで、ドラマをぶちこわすために出ているようなものだ。

 娘を絶対に出せなどという遺言を残した山村美紗も、親バカといえばそれまでだが、その親バカを許さなければドラマを作れないテレビ局も情けないことこのうえもない。


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