4 旧態依然

2007.9


 ホームページも10年やってきてつらつら考え、世の中の動きも眺めてみると、まさに隔世の感がある。

 そもそもホームページといういい方が既に古くなっていて、ウェブサイトとかサイトなどと呼ばれているし、そのサイトを覗いてみると、ほとんどがオシャレなデザインを施してあって、動画あり、音楽ありの華やかさだ。個人のサイトも圧倒的にブログが優勢になっていて、古くからホームページを作っていた人も、ブログに移行したりしている。

 そういう流れの中にあって、人一倍新しモノ好きのぼくのサイトが、いかにも古典的なスタイルを保持しているのは、「保持している」といえば聞こえはいいが、結局「旧態依然」であるということで、そのことが何となく不満になってきていた。

 それで、写真などのページに関しては、以前からいろいろな「見せ方」ができるツールを使って試してきたのだが、凝れば凝るほど互換性に問題が生じてきてしまう。ぼくはマックで作っているが、ほとんどの人がウィンドウズの環境なので、なかなかこちらの意図通りには再生されないということがよく起きる。

 夏休みも終盤になって、いよいよすることがなくなってきて、暇つぶしに、写真のページなどをいじってみた。しかし、どうも思い通りにはならない。

 ブログに移行してみようかとも思ったが、やはりいろいろなコメントが入ってきて、それにいちいち答えるというのがどうも時間的に無理があるし、面倒でもある。それより何より悪口を書かれたときの痛手が思いやられる。(自分は平気で悪口いっているくせに)。茂木健一郎などは、そういう悪口やら中傷やらによって鍛えられるのだから、それはむしろ歓迎すべきだなどといっているが(*)、老い先短い身としては今更自分を鍛えてもはじまらない。

 そんなことを考えながらも試行を重ねてはみたが、結局は「旧態依然」でいいやというところに落ち着いた。とにかくエッセイは「できるだけ」毎週アップし続ける。いちおう1000を目標として定める。これを軸に、あとは適当にいろいろ試してみる。これでいいや。

 誰かが「マンネリこそが大事なのだ。」というようなことをいっていたと記憶する。そこまで開き直る気もないが、どっぷりぬるま湯みたいなホームページ、いやウェブサイトがあってもいいし、「あいつ、進歩しねえなあ。」なんて思う人がいても、「本体」は進歩どころか退歩しているんだから、かえって光栄と思えばいいわけだ。


(*)梅田望夫・茂木健一郎『フューチャリスト宣言』ちくま新書


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