Cinemaなおしゃれ・7

黒が醸すミステリアス・ムード

ユマ・サーマン

Uma-Thurman

 携帯電話のCMで「喋り足らんティーノ」と言ってるクエンティン・タランティーノが監督した『パルプ・フィクション』(94年)は、カンヌ国際映画祭グランプリ。

 チンピラ(ジョン・トラボルタ)がボスの恋女房のお守りを命じられました。ご機嫌をそこなえばボスに殺されかねないコワーイお役目。お守り相手の奥さんは、気まぐれを絵に描いたような元女優の美人(ユマ・サーマン)です。

 ユマは、鉛筆みたいなスリムガール。眉は直線で、高い鼻にくっきりした口。市松人形みたいな黒いストレートボブ。

 朝。水着姿のユマは、ぴっちりしたスイムキャップと黒いサングラス。ガウン代わりに羽織ったキモノに、監督の日本贔屓がのぞきます。ミステリアスな雰囲気は、すっかり「ギャングの情婦」。

 夜になると、これが一変。ジョン・トラボルタとツイストを踊る時は、白いシャツと黒いスーツ、赤い唇。アクセサリーは揺れる髪だけ。乱れた胸元に黒いビスチェがちらり。ベルボトムの短いパンタロンの裾から素足がにゅっ。

 妖婦のようで少女のようなユマ。衣装担当のベッツィ・ヘイマンは、つかみどころのないユマの魅力に、大胆な色をつけました。

 

 


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