Cinemaなおしゃれ・4

ひと工夫してチャーミング

レスリー・キャロン

Leslie-Caron

 1955年ジーン・ネグレスコ監督は『足ながおじさん』をミュージカル映画にしました。足ながおじさんはフレッド・アステア、孤児のジュリーはレスリー・キャメロン。

 お色気のかけらもないレスリー・キャロンには、ドレスよりも半ズボンが似合います。上向きのお鼻、出っ歯で景気のいい口元、クリクリした目。とびはねるのが絵になるから、活発なジュリー役にうってつけ。腕を振りまわして喜ぶ仕草はお猿さんみたいで愛敬いっぱい。

 素顔の彼女はパリ生まれのバレリーナです。訓練された肉体の持ち主なのに、鍛えた体にありがちな圧迫感がない。これがレスリー・キャロンの最大の魅力。

 この映画でレスリー・キャロンがいちばん輝いているのは、セーラーカラーの縞柄セーターと、黒いスパッツを着て踊るシーン。よく見ると、彼女の筋肉がいかに活発に発達しているのかがわかります。

 でも、スパッツの幅にわずかに余裕をもたせているので、ダンサー特有のごつごつした足の感じがありません。また、腰に巻かれた鮮やかなブルーのスカーフが、見るひとの目線を腰の筋肉からそらします。

 気になる点をカバーしてひと工夫すると、あらあらすっかりチャーミング。これがお手本です。

 

 


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