Cinemaなおしゃれ・2

セクシーな衣装の中にきらめく純粋さ

マリリン・モンロー

Marilyn-Monroe

 1929年バレンタイン・デイのシカゴで、禁酒法の利権をめぐってギャング同士の7人殺しがありました。人呼んで「聖バレンタインの大虐殺」。『お熱いのがお好き』(59)は、この事件が背景です。

 7人殺しを目撃した2人のバンドマン(J・レモンとT・カーティス)がギャングに命をねらわれ、何と女に変装。金髪娘だけのジャズバンドにもぐり込みます。そこのウクレレ弾き兼歌手がマリリン・モンロー。

 足元にシューッと吹き出た汽車の蒸気にびっくりし、小走りになるマリリン。そのモンローウォークにうっとり見惚れたモガ姿のJ・レモン、小指をぴんと立てて「きっとモーター入りね」

 衣装デザインはオリー・ケリー。グラマーなマリリンを生かすドレスの数々は、ファンの期待をうらぎりません。

 広くあけた襟と裾に、毛皮が揺れるコート。ガウンとステージ衣装はヌードのようなシースルー。「やばいところ」はビーズと刺繍で隠しました。ノーブラのおっぱいは特注のワイヤーが支えています。おしりも半分みえそうだけど、パンティーをつけている気配が、どうも、ない。そんな格好をしても、マリリンはどこまでも、純粋で柔らかく優しそうに見えます。

 秘密は、セクシーな衣装につけられた毛皮とスカーフ。ふんわりした毛皮とスカーフが、マリリン本来の優しくピュアな暖かさをひき出し、一層かがやかせたのです。


イラストの画像をクリックすると、より大きな画像でお楽しみいただけます。

ただし、営利目的での無断転載・複製を禁じます。