Cinemaなおしゃれ・11

ライフスタイルを決めるのは足元から

キャスリン・ターナ

Kathleen-Turner

 『私がウォシャウスキー』(1991)の「私」は、私立探偵のヴィク。キャスリン・ターナが演じています。いま、ハードボイルドな役を演じたら、彼女の右に出る女優はいないでしょう。

 大男どもに殴りとばされも、悲鳴ひとつあげない。上着についた返血を見てチッと舌打ち、「カシミアの染み抜きは高いのよ」。

 ある日のこと。仕事は失敗、大損をしたうえに、恋人を寝取られる。いいことばかりではありません。

 そんなヴィクの、魔法の薬はハイヒール。ルビーのように、スパンコールがきらめく真っ赤な靴。うっとり眺めて舌なめずり。

 「素敵な靴をはけば、どんなことでもできるような気がするわ」。

 キャスリン・ターナの美しい脚は、ハリウッドでも有名。それだけに、昼食を2週間ぬいてでも、お気にいりのハイヒールを買う役は、まことにうってつけです。

 靴の先から長い脚、そしてウルトラ・ミニスカートへ。カメラまでもがキャスリンを、下のほうから紹介します。

 でも、修羅場の現場に飛び込む時、がっちりはきこむのは、ヒールのない、編みあげの皮ブーツ。

 仕事は仕事、スタイルはスタイル。きちんと姿勢をただす姿を見て、スタイルに対するヴィクのこだわりが納得できます。

 

 


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