2002 「如月ハニー(後編)」
二十三日(土) 試験
「英語はね。これはちょっと、今後頑張って貰わないと」――S部主査
起床。そして試験へ。
調査旅行帰宅翌日が試験ということで、ハッキリ言って準備不足全開ですが、向こうの約束の方が先立ったし、こればかりは致し方ない。
だいたい大学入試じゃあるまいし、一夜漬けでなんとかなるようなものでもないでしょうから、これまでやってきた内容が真っ当ならなんとかなるだろう。そんな自分騙し。
大分早く着いたので時間まで研究室で調査旅行の資料整理。なにも今やらなくてもと自分でも思ったが、こういうところが貧乏性。試験勉強しろよ。
試験は午前語学、午後面接。語学が終わって松屋で牛丼食べて研究室でダラダラしていると。
「アレ。多津丘さん今日試験じゃ?」
「うん。今試験中」
「なにやってんだアンタは」
普通に怒られた。
とはいえ今さらバタバタしてもなあ、とまた資料整理を続行し、時間になったので面接へ。
ボッコボコ。
口答試問がK-1だったなら今回はグレイシーです。地味に必殺な理詰めの論理が畳みかけるように降ってきます四十分。「ああ俺って頭悪かったんだなぁ。帰りてぇー。今日深夜アニメあったっけか?」そんな現実逃避も挟みつつ、どうにか乗り切った。
乗り切ったというか中盤以降、開き直ってしまった。「どうせ不足はあるんだし、この機会に質問とかしとこーっと」などと。いや合理的判断と呼んで欲しい。
最後の方は一つ聞かれたら二つ話して一つ質問していたような気がする。よく考えなくてもこれは入試になっていたのだろうか。今思うと疑問だ。
その後研究室でTア先生に試験の様子を話し二、三の「なにやってんだ」を頂いたりした。
終了後、ひとみ悟空、柴三郎と町田で合流しお疲れ会。ヤマピカリャーを取り損ねた。
町田で合流した際、まんがの森町田店で漆原友紀の原画展及び『虫師』二巻サイン本販売があると知る。明日からか。
絶対買うぞと誓った。
二十四日(日)
「うち、日記系じゃないッスから!」――ヲベロン
旅行→試験→ツアーズという流れはやはり厳しかったのか、今日は昼まで就寝。
寝て起きたら旅行中の雑務が死ぬほど溜まっていたので、車を洗ったり色々家のことで働かさせられた。
二十五日(月) 装丁論文提出〆切
「我が番組プロデューサー・チノフミヤ氏ですが、飛びました」――伊集院光。そして池田D復活!
本日学校保存用の修士論文を提出。
これてに公務は来月の卒業式を残すのみ。
……卒業できてればね。
学校では劉秋華と会えたので印刷等を手伝って貰ったり、ダラついたり焼き肉を食いに行ったりした。
秋華と話しているとなんかやる気にはなるので、ルーチンワーク以外のことをできる体制を早く確立したい今日この頃。
うちだって、日記系じゃないッスから!
モノを投げないように。
二十六日(火)
「〆葉。
死ぬのは簡単だけど、生きるのは難しいね」――祖母。報告時。
今日はTア先生と一応会う約束だけしてあったのでノコノコ出かけていった。
研究室に向かう途中、郵便でも出しに行くらしい先生と遭遇。
「ちわーす。来ましたー。先生それかわりに行ってきましょうか」
「あ。君、いいところへ。ちょっとこっちへ来なさい」
道の端へ寄る。なんだろう。
「あのね。君、おめでとう。合格です」
「あ。論文通りましたか。ありがとうございます」
よっしゃー。これで単位さえ足りていれば、卒業確定!
入試の結果は不明だが留年はなくなったぞ、っと。
と思いきや。
「何を言っとるんだ君は。試験が合格したの」
「……ふぁい?」
「君は本当に、三国一の果報者! S部先生もK沢先生もT村先生も、三人とも「上げて良い」との御言葉を頂きました。しかしあんな出来で僕は恥ずかしい。もう来年はみっちり行くぞ。課題を出すから、明日からやんなさい。いや今日からやんなさい。今から図書館に行って、まずやることは三つある、一つは……」
えー……。
こんにちわ。もう三年、学生を続行することになりました多津丘です。
改めて、宜しく。
それじゃ課題が出てるんで、これにて。
帰りに祖母宅へ報告に寄った際、「もう三年学生」という状況が決して楽しくはないということを再確認。
今以上に不安定な生活に向けて、相当根性を入れないと保たない予感。
二十七日(水) バイト
「多津丘君正直だから、旅行中ずっと浮かない顔してたのよね。受かって良かったわ」――K松先生
今日は調査旅行で集めてきた資料を整理するための日でした。
結局朝から夜までかかって終わらなかった。
こういう時強いのは紙資料だなあと痛感。デジカメ映像は分類する際に時間がかかりすぎる。まだまだ、手間。
二十八日(木)
「ええー? だって、取れるんだよぉー」――柴三郎騙され中
昨日の続き。今日は俺一人。
まー煮詰まった。資料整理て一人でやってると頭おかしくなってくる。
今日は朝から夕方まででなんとか終了。しなかったけどまあ。限界。
夜にはひとみ悟空ツアーズで八王子へ。こないだに引き続き万豚記でチャーハン食べて甲州トマトへ。
かぷぬけでかなり正統派に上手い人と対戦できたので久々に満足。カプコン側のモリガンでダッシュを繰り返し、ピョンピョン跳びながら間合いを詰めてチェーンや、起きあがりに飛び込むタイミングが神のようだった。
あとリュウも上手かった。スト3っぽい動きをしていた。いつ雷光回し蹴りに来てもおかしくないほどに。
ヤマピカリャーとちよちゃんを取れて満足。ひとみ悟空、柴三郎は前回に引き続きプラモ取りにハマっていたが、結構取れているのが驚き。
そんなわけで激動怒濤の如月も、最終日はまったりと過ぎていきました。
夜、youngさんの指摘でOURS買い損ねに気付いた。