銀天盤 ○日記帳扉 ○前項 ○次項


2001 「淡々と霜月(前編)」


一日(木) K フルバ

「緊張感が足りない」

「はぁ」

「お前の心の中にはH井先生がいないんだよ。H井先生がいると思ってやってみ」

「はあ。ええと……。」


(なんで一回言ってもわからないんだ! こうだろ! ガァン。ドガガッァ。吹っ飛ぶ俺)


「うわすっごい冷や汗が!」

「そう。それでいいんだよ」――今日のO山小体育館


 咳のしすぎで喉から血の味が。そんな十一月最初の日。

 何も考えずに学校に行ってみたら今日から文化祭で5日まで休講でした。なんてこった。

 しかも明日からは図書館も共同研究室も開いてないそうです。なんてこった。

 もはや学際を楽しめと神の指示が? しかし、あんまり長くいてもいる場所ないからなあ。

 ああ。明日からどうしよう。


 なお、パンフを見た限りでは竹原の講演がウリかもしれません。誰か参加していきなり椅子を蹴倒して立ち上がり、「俺等は別にあんたの話を聞きに来たわけじゃねえんだよ。さっさとボクシングを教えろよ」と半棒読み口調で言ってみるという企画はどうか。

 レポートお待ちしております。


二日(金)

「〆葉〆葉〆葉〆葉」――君ら呼びすぎ


 なんと昨日は久々に寝落ちをしてしまいましたよ。疲れているのか俺。

 昨日一個書き忘れたけど、チャンピオンで連載していた「ゲッチューまごころ便」が連載終了を迎えていたのです。

 とても良い漫画でした。面白いってのももちろんだけれど、良い漫画でしたよ。


 さて明日は漫画家・宇河弘樹さんご本人がご来場なさるオンリーイベント「目撃!ウガワさん」の開催日であります。会場は浜松町。

 コミケ以外のイベントは行ったことがほとんどない俺にとって、雰囲気が全く掴めないところへ持ってきて宇河さんの御本は400部という。400部じゃ買えねぇよぅ(素)。

 朝イチ始発で行くべきなのだろうか。などと考えつつ。

 ネットゲーの会議で就寝は五時でした。あははー。


三日(土) K 目撃!! ウガワさん

「日本史の考察は、あれは全部独学です」――宇河弘樹


 あははーじゃねえよ。

 とりあえず三時間寝てみた。八時起床。

 電車で寝りゃいいんだろ電車で。とやさぐれつつ出発。車中爆睡。

 浜松町について11時の開場ギリギリに着いてみたら、もう凄い人手が。だから400部じゃ間に合わないって。

 案の定ウガワさんの本はあっさり完売。その後のポスターもあっさり完売。

 売る物がなくなるとサイン会に変更です。働き続けるウガワさん。並び続ける俺。

 結局一時間半ほど並んだ中で、カタログ見ていたら知った名前が。陣内さん来てました。なんて神出鬼没な。

 今日も今日とて「うそはいけませんよね」と語る陣内さん。カルチャーショック。この人だけは……。

 足が棒のようになったころ俺の番。サイン。朝霧の巫女二巻に。七尾で買ったこの本が巡り巡ってか。不思議感覚。

 挨拶してー、書いて欲しいキャラを言ってー。そうそう。ウガワさんは全員に一キャラとサイン書いてくれたたのですよ。スゲエ。陣内さん曰く「明日は腱鞘炎だな」そんな感じ。

 朝霧南朝の方のお姫様。名前を聞いたら「すいませんちょっとど忘れで。名字は○○なんですけど」とのこと。作者でも登場キャラの名前くらい忘れますよ。その感覚わかりすぎる。

 御姫さんの名字はせっかく聞いたのに忘れてしまった。話せたことに舞い上がって話の中身を聞いていない。典型的ダメFANです。握手もしてもろてラッキー。

 そして明日があるので帰りました。雨も降ってきたし。

 帰りにせっかく都会まで来たのでどうしても欲しいサークル不可思議の同人誌向日葵を買うためにじゃー秋葉にでも行くかぁ、と思ったのだけれど電話したら通販在庫しかないというので意味ナシ。お店に置いてくれよ……。

 新宿に出て珪花末広店で店主盛りを食べる野望は、雨プラス店が見つからないという二重トラップにより挫折。そのへんでカツ丼食って帰りました。


 夜、明日の演武に向けて道場で合わせ。相方が変更になってピンチです。姉さん。ピンチです。


 エー。最後になりましたが、私ちょっと反省を書いておきます。

 とにかく寝てなかったので頭がワヤでした。今日は奇行が色々。

 まず、経路を決めずに出たので橋本までの切符しか買っていなかったのですが、浜松町で精算をした覚えがありません。眠くて精算したことを覚えていないのだと、信じたい。

 そして会場はビルの五階だったのですが、エレベーターが凄い混んでいたので、なんの躊躇もなく大学気分で階段から登ったのですね。

 で、入場してウガワさんのサークルに並んで、しばらくしたら一般入場の人達が入ってきました。

 アレ? そう。結果的に真面目に並んでいた一般の人をすっ飛ばしております。

 奇行と言うよりプチ犯罪ではないか。そんな気がする今日この頃です。ちょっと寝て頭が回ってみると嫌な汗がダラダラと。


四日(日) 演武 HotSpice リアルバ

「ちゃんと並べよ」――柴三郎


 朝起きて成瀬へ。

 演武は小さなミスもなく終了。

 大きなミスとしてはゼッケン付け忘れ、技順番間違い、構え忘れなどがあったが、思い出すと眠くなるし眠ると死ぬのでこの話題終了ー。

 今日の相方はH口先生だったのだが、見学の小学生から何度も何度も「おじいちゃんスゲエ!」と声が上がっていたのが大変印象的でした。

 でもネー、そのおじいちゃんはスゲエだけじゃなくて当たると痛いのよー……。メチャメチャ。


 さて、失敗人生でぐったりの俺を愉快な仲間が迎えに来てくれましたので秋の行楽旅行に出発です。メンバーは柴三郎、ヤス鷹村さん、ざち部長。

 野郎五人旅団。

 今日初めてざち部長のフィアットに乗りましたが、古い車はよいですな。寒いしうるさいし乗ってると疲れるけど、ドライブすること自体が楽しい。贅沢な車だ。

 もう一台の方は久々にマニュアルを運転する鷹村さんが素敵なノッキングでわくわくだった模様。ちっ。向こうも乗っておくんだった。

 そして行った先はー。津久井湖ー。うわー。

 今にも磯野のため息が聞こえそうです。我等の家からスゲエ近いのだもの。成瀬の体育館より近いのだもの。

 昼食とって散策してるといつものように鷹村さんに仕事の電話が。長野へ呼び出されてさらば。さらば。

 鷹村さんを見送るために町田へ。なんか行ったり来たりだな今日。

 時間が半端だったので森でエアガンを撃ったら暗くなってダメ。町田へ出てとりあえずいくどんで焼き肉を食べて出てみてもまだ六時。ゲーセンに行ってみたりしつつ八時頃解散。

 今日は車の中でもよく寝たが家に帰ってもすぐ寝てしまった。良く見ると結構ハードな行程だったのかも。

 そのせいでリアルバ見るのはすっかり忘れていたが、まーどーでもよい。


五日(月) K 刃牙

「人の心がわかる心を教養というんだ」――中井準之介


 今日は祖母のお着きで一日運転手。

 車でないと行けない、ちょっと遠目のたまに顔出してみたいところを中心にお寺やお店など、とにかく十数カ所をぐるぐると回った。タフだなあ。祖母。


 例えば病院に馴染みの友を見舞うとき。

 廊下で待っているだけの俺はともかく、実際に会って話して、しかし帰宅せねばならない気持ちというのはどうなのだろう。

 ただ眠っているように見えたその人に「わかる?」と話しかけるとぴくりと目を開けてうむ、とうなずく。なにか話しかけてくるのだが先方は舌が回らず何を言っているのかわからない。

 ただその手を握り、うなずき、それでも一時間はいられない。

 別れ際、その手を放そうとしない人に、なんといって帰るのだろう。俺なら。

 答えは出ない。


 大正七年に生まれて平成十三年を生きる、胸を張って静かな瞳で、いい友達を持った私は幸せだと言い切ることのできる、やりきれない別れも受け止めていける、しなやかで強靱なその精神に触れるにつれ。

 長生きしたらこうなれるのだろうか。こんなふうに齢を重ねていけるのだろうか。

 そんなことを考えながら祖母宅に戻った後、従弟とシャーマンキングの解釈について口論。

 ダメじゃん俺。


 今日は運転疲れかパタッと寝てしまって刃牙も見損ねた。

 来週は渋川先生だろうから気をつけておこう。


六日(火) 小津先生 プロジェクトX

「祐一君、いじわるだよー。

 ……死ぬほど恥ずかしいな。これ」――任意たん


 私の名前は聖グレゴリオ風とかそれ系。

 要するにとてもいい人です。世界の全てを赦します。アーメン。

「今月のデュエ刃も?」

 あ゛ぁああああーっ!? ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……。


 そんな怒れる僧のオーラをバックに日記開始ー。

 今日は午前中を使って五万HIT企画更新。

 午後は一日図書館で調べもの。

 特段に書くような事情は何もない日だったが、疲れたー。

 一日じゅう目と頭だけ使って暮らすとズーンと芯まで疲れるんだよなぁ。

 座りっぱだと腰もか。最近どんどん運動不足だ。


七日(水) HELLSING

「キミ、才能ないもん」――甲越寺秋雨


 本日発売のサンデーに「地上最強の弟子!」が読み切りで載ったわけですが。増刊から出世で。

 タイトルが「燃えろケンイチ」とかいう誰か殺すか腹いせに調に代わっていたことはおいといて。

 アンケートのために無理矢理キサラあたりを登場させて話崩してなんだかなー、という展開を半ば覚悟していたのですが。

 登場人物を主要メンバーに絞り、今までの話を説明しつつちゃんとバトルも入ってました。おお。

 作者さんも自分が絵や媚びで勝負するタイプではないとわかっているのでしょうか。意外と侮れない。

 これ、アンケートで好評取って本連載に来ないかなあ。


 サンデーと言えばウインドミルで世間を萌やしてシザーズでちょっと転けた橋口先生も、パンを焼いたりする新連載を始めましたが。

 橋口先生の話の作りは、題材はなんでも要するにチームワークとか根性で主人公が勝っていくバトル物が多くて。キャラ人気が出れば伸びてくれるのでしょうが。

 今のサンデーでは厳しそうだ。


 さぁそんじゃ今日のHELLSINGを見に行きましょかぁ。

 今日もアレだったらもーアレだ。


 銀天盤ロワイアルは初日からバグ発生の模様。番長ガンバ!


八日(木) ゼミ フルバ

「朝の連ドラが結構面白いです! 決してヒロインが関西弁の女の子だからではなく!」――俺


 脳味噌が減るようなゼミの後でちょっと食事して帰ろうということになり、何故か飲み会。

 ガッツンガッツンに凹まされてヘロヘロになって解散。修論なんて終わるのかこれぇ。

 その後劉秋華の家に押し掛けて、学業の愚痴のはずがいつの間にかネットゲーの悪口に。

 他人様の家の茶を飲み干して満足。帰宅してすぐ就寝。

 大人の一日としてはどうか。

「そもそもお前は大人なのか」

 ぎゃふん。フルバ見損ねたし。


九日(金) K休 色々〆切

「結果を見ましょうよ。最初から賛成、反対と言ったって経験あるわけじゃないんだから」――石原慎太郎


 細々書類や書き物の〆切が集まっていたので今日は学校に詰めっきり。

 ハッキリ言ってこういう日は他のことがなにも出来ません。

 よって特記するようなこともナシ。

 金曜は九時半まで講義がありーの。

 その後ネットゲーの会議があるのでテレホまでに帰宅したいし。

 一日中ガッチガチの時間割だった。


十日(土) K

「へやのすみにひとがたおれています。

 しらべますか?

<はい>


 これはどうやらH王子I療K務所長のM川さんに一時間半ボコられた多津丘のようだ


 ポケットから潰れた大福を見つけた。


『お、お茶菓子を食う体力すら。うぐぅ。祐一君いじわるだよぉー……』


 もう殴りますか?

<はい>

『あうっ』」


 ……おかしい。またゲームオーバーか。

 そんな暮らしです。M川さん手加減してくれてるのは良くわかりますが元が千だと加減しても百です。俺は百で目一杯なんだが。


 方々で話題のHELLSINGですが、アニメ番で話が変わっているところがどうにも。

 演出がどうとか設定がどうとかいうレベルではなくて、なんか別物みたいな感じ。

 やっぱ平野漫画をアニメ化ってのは無理なのだろうか。というレベルでもなくて。

 例えば第三話。なんで大司教の召喚状でアンデルセンが帰るんだろう。大司教ってのがカンタベリー大司教だとしたら、英国国教会の召喚状でローマ法王庁の聖騎士に拘束力があるのか?

 「聖騎士、パラディン=アンデルセンて」インテグラのセリフも謎。原作では「聖騎士」という名詞に「パラディン」という読み仮名がついていたんだろう。読者向けルビを重ねて読む登場人物がいるかよ。

 セラス血ぃ吸ってるしなあ。「薄暗がりをおっかなびっくり」歩いていく、どうしても吸血鬼になりきれない半人間というのがセラスの役所じゃないのか。原作でも。

 血ぃ吸っちゃったらだって、ねえ。

 フレーバーとかタームとかを散らしただけで作品になるわけじゃないのだけれど。原作にしろ歴史にしろ、ちゃんと勉強してやってはるのやろか。脚本の方。

 読者を騙すだけのリアリティーの確保はまさに急務であります。


十一日(日) リアルバ

「メイド服を着れば猫も杓子もメイドさんというわけではないのです」――yu2


 昨日打たれたところが青黒くなったり赤くなったり痛んだり軋んだり。

 咳が止まらなくてそのうち血の味がしてきたり。

 今日は布団干した以外はまさに病人ライフでした。

 いや今日は晴れたけど明日からまた天気悪いというから必死で。


 差し込み。

 アフタヌーンシーズン増刊が出ていて、「おひっこし」の最終回を目当てに買ってきたのだけれど。

 平野耕太が凄い漫画描いてくれました。なんかスゲエ。

 どっかで見たら立ち読みしてみてください。あなたはその時どんなでしょうか。

 俺は、どうかなあ。


十二日(月) 刃牙

「当店の牛はロッキー1ばりに叩いています。

 他店のたたきは叩いていないと言わざるを得ません。

 いわば負け犬(ルーザー)です。」――”ラブやん”よりアメリカン牛たたきの説明


 昨日最後にちょこっと書いたが、今はアフタヌーン季刊増刊が漫画雑誌として読む物が多くて面白い。田丸浩史面白すぎ。笑い死ににするかと思った。

 最近、雑誌一冊買っても中の記事全部読んで面白いということがほとんどなくなってしまった。昔はドラマガとかRPGマガジンとかOURSとか武術とかゲーメストとか、それこそ隅から隅まで読み尽くした本が結構あったのだけれど。

 これは年を取って守りに入って興味の範囲が狭まってきたってことなのだろうか。

 アフタヌーン増刊も昔のそういう本に比べたらちょっと落ちるか。単に嫌いな漫画が載ってるせいかも。


 昨日のリアルバウトはあんなにも豪快な総集編でいいのだろうか。

 何故今日のことがなにも書いていないかというと結局体調が戻らず一日中咳してボーっとしていて印象に残ることがほとんどなかったからです。げふ。


十三日(火) プロジェクトX

「舐めんじゃねぇ空手屋!

 生まれ落ちて七十余年! 人間ぶっ倒すことだけ考えてきたんだぜぇ!

 手前のような若僧たぁなぁ!

 年期が、違うんでぇ!」――渋川剛毅


 昨日の刃牙は良かったぁ。

 絵もあんまり変じゃなかったし。合気柔術っぽいアクションになっていたのじゃないでしょうか。

 嗚呼。渋川先生はやっぱ格好いいぜ。枕終わり。


 しかしどうもアメリカは飛行機運ないな。

 昨晩の段階では、これがテロだったら米国民総怒りで空爆続行、戦争泥沼だろうなあと思っていたら、飛行機はテロじゃないっぽいけれど北部同盟がカブールに入ってしまった。

 どっちにしろこの冬はあの国にとっては災厄以外のなにものでもないな。合掌。


 今日は他称咳がおさまったので学校へ。しかし倉庫で埃を吸いながら資料整理は無謀でした。げほ。

 帰りにやたら寒いなあと思ったら、それもそうか。もう十一月だものなあ。

 来月で今年も終わりだよ。早いもんだ。


 今日はブラジル対日本でバレーボールがあって、夕食中にチョロッと見ていたのだけれど、いやあ、久々に見たよ身びいき実況。かなりの身びいき実況。

「いいですよ」

「行けます」

「惜しいーっ」

 主にこの三言で構成された実況席からの声は、いやでも感情移入を誘いましたわ。

 こういうのも、たまにはいいものですね。


井上雅彦(監修) 「雪女のキス」 光文社 2000

 先週のいつだっかに雪女の本を漁りに堺分館に行ったとき、アンソロ形式でたくさん入ってたので借りてきたもの。

 十数冊ザクザクと読んだのだが、雪女ものではやはりラフカディオ=ハーンの「怪談」の中に入っていた元祖が一番秀逸で、ついで各地の民話、その次が児童書、絵本といったところだった。あくまで俺私見。

 この本は各時代のいろんな書き手が雪女を題材に書いたものを寄せ集めてきたもので、色々目先が変わって面白いという面はあったけれどそんだけ。どれも短いし薄いし変に捻ってあってどうでも良い。以上。

 矢崎存美はショートショート出身だそうで、短編が上手いのか。一番良かった。

 他の書き手に好きな人がいたら見てみます? 赤川次郎とか宮部みゆきもいたから。


ふなつ一輝 「華麗なる食卓」 集英社 2001

 「おかわり半蔵」に萌え絵の面で大きく差を付けるカレー特化美味しんぼ系漫画第二巻。

 ちなみにバンチでやってるヤツも好きです。お料理漫画好きなのよ俺。

 まー僕も腐れオタクですから絵で見てますから。ええ。結維ちゃんもエー。剣道部とかいう設定どこいった固羅。最近貴様竹刀握ってねぇじゃねぇかそれで勝てるのか試合にぜいはあ。

 極論するとこの手の漫画は話のパターンは「問題発生」→「料理」→「ハッピーエンド」。これしかないんだから。話の筋は破綻しない程度に波乱してればそれでよい。

 あとは出てくる料理に「旨そう! これなら坊さんも飛んでくるわ!」という説得力があればよいわけで。

 そういう意味では作中レシピがギリギリ「作れる」範囲でもあるし、カレーは旨いし。いいんじゃないッスかぁ。

 たまに専門店のレシピ載せるのは良く協力してくれるなあと思いつつも素人に出来るかこんな下拵えがと我怒り頂点ナリ。


十四日(水) HELLSING

「そういう日もある」――アイズ=ラザフォード


 凡そ一つの意見に対してー。

 「この辺が良くわからない」と質問をする。アリでしょう。

 「この点はダメだと思う」。アリでしょう。

 「こういう理由で受け入れられない」。アリでしょう。

 意見とは根拠を伴う主張です。きちんと根拠を持った別の主張が行われたなら、理性的に判断して、そちらの方に理があると思われた場合、潔く元の主張を取り下げる覚悟は必要です。

 しかぁーし。

 凡そ議論において人の意見に物申すのだったらその発言の意図を見極めて、いいところを引き出しつつ悪いところを改善して、「より良いアイディア」をみんなで作っていくのが本義じゃねぇのか。

 単に一つの意見を潰したのなら、その発案者が目的としていた意図はどうなるのか。

 「やらない方がマシ」なくらいダメな提案でもない限り、「どうすればその目的を果たせるようになるのか」考えつつ、改善して行くのがまともな人間のやることではないのか。

 単に「そんな意見はダメだ」と潰すだけでは前に進めないじゃないか。何を考えてるんだ。 

 まー潰すならそれでもいい。話にならないぐらいお粗末な計画はリセット。これはわかる。

 だがその場合は「代案」を出すだろう普通。

 少なくとも元の「お粗末な」意見並に、可能であればそれ以上に具体性に富んだヤツを。

 そんで自分で指揮執ってその代案を実行しろよな。口だけで楽してんじゃねぇぞ。

 人が立てようとした旗にケチ付けて降ろさせたんなら、自分で別の旗降るのが筋だろう。

 それも嫌だっていうならなんなんだそれは。「旗なんか立てるな」ってことか。

 あのネー、どっから見ても完全無欠の御旗なんてないのヨー? 良いところも悪いところもある普通の人間が、良いところも悪いところもある普通の計画を、その代わり力を合わせてやってくことに意味があるんじゃないのか。

 「なるべくいい旗を立てよう。いい旗がないなら立てない方がマシだ」ってのは、まるっきりガキの考えだろう。世の中理屈だけで動いてると思うなや。

 もーホントにわけワカラン。人のやる気を削ぐのがそんなに楽しいか。欠点だらけの計画はやる価値もありませんか。はー。左様で。俺は俺なりに時間も頭も削って考えてみたのよ。お眼鏡にかなわないほど程度が低いのは申し訳ないが、だったらお知恵を貸しちゃぁ頂けませんかねぇ。

 皆さんのお力でお粗末な計画をまともなレベルまで引き上げちゃ頂けませんか。

 計画の実行レベルで不備があるなら手直しをお願いしますよ。計画のコンセプトと実効性に乖離があるなら再構築をお願いしますよ。コンセプト自体が無意義だと思うなら別のコンセプトの代案をお願いしますよ。

 なんにせよ、元案より上手くいくなら文句はねぇんだ。


 とか言っちゃってネー。人間なんだからそんなにネー、できるわけないよネー。

 発展的な議論の練習なんてやってないんだろうし。本人に悪気はなくて結果的に他人のやる気を削いでるケースにまで責任問えないわな。

 そんかし俺も人間だからー。どんなにやる気を削がれても歯を食いしばって頑張るのはやーめーたー。

 いーんじゃないのぉ? 旗がないならないで。それで不利益は連帯責任! 俺も面倒よりそっちの方がいいやー。

 まぁ僕ちゃんごときがなにをどうしなくても、誰かがなんとかしてくれるでショー。皆さん頭がおよろしいようですから、まーかーせーゆー?

 ドヒャヒャヒャヒャヒャヒャ。あー気が楽になった。寝よ寝よーっと。


 大学院なんて来るんじゃなかったぜぇ。とほー。


城平京 「スパイラル 〜推理の絆〜(4,5)」 エニックス 2001

 従妹からまとめて二冊拝借。

 おなじみのガンガン系推理モノ。細かいことを考えないで読めばこれほどイカしたアイテムもありません。例:「三平方の定理等」

 今回は4巻の全てと5巻のはじめを使った再戦・鳴海VS理緒が白眉。物語的にも単なる対ブレードチルドレンという展開から巴戦へのターニングポイントとなっている。

 駆け引きの内容はショボく感じても見せ方が上手いと素直に格好いいと思える。そんな好例。


十五日(木) K某美林 フルバ タオの緑

「オペレーションメテオは整備や補給の問題を軽視しすぎだと思う」――黒井鯖人


「そんなわけで原稿をお願いします」

「ワープロ打ちですね。しかし私は来週修論発表で、あまり時間がとれません」

「問題ありません。〆切月曜ですから」

「月曜!?」

「枚数は100枚です」

「100枚!?」


 日曜には若竹もあり。今週末急に大変なことに。


 ちなみに今日は某美林で杖の稽古です。知り合いに見つかると嫌なのでコソコソしてましたが、待ち合わせ場所に明らかに学生風ではない長物を持った集団。まー目立つこと目立つこと。

 I籐先生のご好意で剣道部の練習後に剣道場を使わせて貰えるわけですが、入れ違いの時に剣道部の皆さんがきちんと挨拶をされて非常に立派でした。「こんばんはー」「こんばんわー」と。それはいいんだが。

 君らすれ違った後ですぐ「何あれ?」「老人会じゃない?」とか言うのやめません? 聞こえてるし。


「老人会とか言われちゃったよ(笑)」

「こりゃちょっと(笑)」

「気合い入れませんとな(笑)」


 ほうら。ほらそういうことになった。

 揶揄=君ら。大変=俺。この役割分担はどうか。どう思うか。


 ――練習後――


「多津丘さん送ってってもらえますか」

「あ。そりゃもちろんというか光栄というか。どうぞどうぞ」

「なんで片手ハンドルなの?」

「あ。そりゃ案の定というかなんというか」

 左手が痺れて握力が戻りません。

 あとM田さんはアドレナリン出ると笑いっぱになるの勘弁してください。恐いです。


 それにしても皆さん負けず嫌いです。剣道やってる人は型ばっかの古流はバカにしてるから、仕方ないよって言ってたのに。口じゃそう言っても「なにくそ」って気持ちむき出しでしたな。

 もう、大好き。


銀天盤 ○日記帳扉 ○前項 ○次項