銀天盤 ○日記帳扉 ○前項 ○次項


2001 「睦月見参! (後編)」


十六日(火)

「KSDでまぁた国民が舐められてるところが表出したが、まだ自民党支持の人ってのはなんなんだ」


 午前中バタンキュー。こういう追い込み系の課題達成は良く無い。反省しよう俺。

 という意味を込めて次のレポート準備開始。最近これしかやってませんな。息抜き……。

 カレーはないのかカレーは。ひとみツアーズかむばーっ!


十七日(水)

「兵庫県南部沖地震六年」


 さすが森首相! 震災以来の歴代総理で初めて式典欠席だぜ! どういう理由で欠席したのか調べとこ。

 今日もレポート。資料探しに図書館でゴソゴソ。穴蔵暮らし。

 最近ホントにこれバッカリなので、お目当ての本が見つかってからは気晴らしに服を買いに出る。


「気晴らしにっつーかもう、ズボンがないからでしょーが」

「全部破れたからな。これが母子家庭の現実か」

「いや、貧乏とは違うでしょ。あんたが服装に無頓着なだけで」

「バカな! お洒落ですよ俺様」

「問一:服なんか着られればいいやと思っている」

「YES」

「問二:色とかデザインより素材重視。出来ればゴアテックス」

「YES」

「問三:米軍放出品は安くて丈夫でいいのに奇異の目で見られるのでムカつく」

「YES」

「何か言い訳は?」

「NO」


「そんなわけでWILD-1のアウトレットショップへやって来ましたーっ!」

「だからぁーっ! なんでアウトドア専門店に来るかなぁーっ!」

「いや、丈夫なんだって。透湿性高いし」

「ユニクロとか行けよなぁ……。せめて」

「いいんだよ。ファッションってのは要するに余裕なんだから、着飾るのは余裕のある人間に任せる。収入のない学生は清潔・質素以上を高望みしません」

「そういう時代じゃないらしいけどねえ」


 まあ、今のところは実用性重視でいいッス。


十八日(木) 比較文化理論補講

「試験前で急に図書館の本が減ってるんだよな。大学って困る」


 日本思想史なんていう畑違いのところにひょっこり顔を出していた比較文化理論の講義が最終回。ここぞとばかりに質問というか雑談。フリートーク。薄っぺらい同人誌のように。

 時間内に終わらず打ち上げ飲み会へ持ち越し。みんな喋る喋る。

 酒の入った頭で学術論議は俺には無理だということは良くわかった。うん。今日はそれで良しとして寝る。


十九日(金)

「お年玉年賀ハガキ発表になってたのか!」


 進藤アナがTBSをやめると聞いてニュースの森が心配な今日このごろですが、やめるのはTBSだけじゃないのか? アナウンサー自体やめてしまうのだろうか。

 新聞で見ただけなので詳細不明。ああ。気になる。


 最近昼間が動かない時間になったので昼のテレビを見るのだけれど、節約術とか生活の知恵とかは「むしろそこまで気を使って暮らしたら精神衛生上良くないんじゃないのか?」というレベルまで行ってる。主婦ってスゲエ。


二十日(土) K

「樹氷っぽい。綺麗だ。などと言ってられない雪落とし」


 雪だ。

 寒いー。うっかり道場へサンダル履きで行って本当に足が切れるかと思った今日の俺です。

 劉秋華がちょっと言ってたけど、土曜といえば新ゾイド。どうでしょうねえ。やっぱバトルもんやらないとショーがない、というのをわかりやすいくらい子供向けに見せてくれた、彼曰く「Gガンゾイド」。ううん……。

 前作も話は好きだったのだけれどちょっと重かったから、そういう小難しいこと抜きでバトりまくるゾイドを見られるのは嬉しいんだけど、相変わらず演出のために撃つ弾打つ弾一発も当たらなかったり、なんかやたら「武器セット(ガンダム世代の呼び名)」つけてるのが改造だと思うなよ! みたいなパワーアップ機が出まくるのが気分ワルワル。

 あとヒロイン。まあ、川澄綾子の新しい魅力ですか。(踏みつぶせ!)


 ハンター2はもう幻影旅団編。絶対追いついちまうぞこれ。原作止まってるんだから。つーか早くアニメで動くゼノ(だっけ? お爺ちゃん)が見たいぜ。


 明日は若竹なんだが、この雪では望み薄いかー……。

 まあでも、ひょっと誰か来たときに対応できるように会場で本でも読んで待つか。トホホー。


○今日の道場での会話

「こないだ言ってた小説家の友達が」

「ハイハイ。S木先生を登場人物に出した例の」

「直木賞を」

(ゲフッ)

「『ビタミンF』ってやつです」

(出てたなー、そういや朝日で見たわ)

「小説家って言えば私が昔(伏せます)ったころ、バイトで雇ってたヤツも今小説家なんですよ」

「そうなんですか」

「こないだ来た人ですね」

「つーかK谷先生が昔そんなことやってたってのが初耳ですが……」

「で、今(伏せます)で自叙伝を連載してるってんで、そろそろ私が出るらしいんですよ。今年」

「おお」

「じゃあ買わなきゃ。この年で(伏せます)を」

「どういう扱いで出るんだ。想像もできねえ。(伏せます)当時のK谷先生……」

「なんて作家さんでしたっけ」

「名前は(伏せます)って言うんですが、ペンネームが確か、そうそう。睦○影○!」

(ゲフぅッ)


 ……この人達の人間関係は、やっぱ変だ。

 なお、S木先生はこの雪の中を車で来て来るまで帰って行かれました。

 大丈夫なのかそれはっ!?


二十一日(日) 若竹の会

「仮面ライダークウガ最終回。あの余韻、子供に伝わったのかなあ」


 まあ昨日雪も降ったし、今日はダメだろうと本をどっさり持ってのセンター入り。

 予想通り誰もいなかったので読書三昧。暇な時間の潰し方としては、やはり読書は偉大だわと思った一日。

 夕方パトラッシュと共に凍りつきつつあった可哀想な俺を迎えに天使ことヤス降臨。

 ヤスの奢りで遠慮なくハンバーグを貪り食い、ダラダラと長話をし、「ゴメン家まで送ろうと思ったけど路面凍結恐いから帰るわ。その辺で降りて?」と永山で捨てて帰りました。テヘ!

 ヤス君ゴチ! そして俺にとっていい日だった!


 それにしても一人は予想以上に寒かった……。次からはもっと積極的に人員勧誘をしよう。


歌野晶午 「放浪探偵と七つの殺人」 講談社 1999

 GOLの好きな歌野さん。いわゆる新本格系の作家さんですが、非常に正統派の推理物。悪く言えばクイズ・パズルのような作品を書かれます。

 知的遊戯の好きな人に大きくお勧めできる反面、短編集ということもあって「ちょっといい話」集合! 程度の食い足り無さは仕方のないところ。あとやっぱり、文学性は求めない方がいいかも。

 私事ですが作中七件の「読者への挑戦」のうち、完全に外したのが一件。犯人が分かったのが六件。その中でロジカルに「推理した通りだったよ」と胸を張れるのは三件。俺の打率はこんなもん。

 ミステリ好きは読んでみて、俺と勝負します? まさに貴方への挑戦。


 今日は浦賀和宏の「とらわれびと」も読みかけたのだけれど、この人の作品って基本的に全部続き物なんだな。前作前々作あたりの内容を完全に忘れていて、これだけ読む気にはならなかったので中座。

 かといって全部読み返すのはちょと。浦賀さんて一回読むぶんには面白いんだけれど。


 そうそう。図書館書籍リサイクルご自由にお持ち下さいコーナーに「薔薇の名前」上下巻がガツンと置いてあったので当然お持ち帰り。ああ。素晴らしいー。


二十二日(月)伊集院光のUP'S

「読書メモは首を絞めたかもしれない」


 プラネット・ガテラーにて「No Heart」いよいよ佳境です。次回最終回とのこと。セリオFANは要チェックや! セリオFAN以外でもToHeart遊んだ人は見に行った方が吉ですが。


 今日は曙引退がショックでねえ。

 かつて大相撲が良くわからないけどとにかく千代の富士が強い、という時代があって、その後段々幕内に知っている力士が増えてきて、今ではほとんどの力士が名前くらいは聞いたことがある、という時代に。

 入幕から知っていた横綱まで登った力士が引退するということになんとも言えず時代というか歴史というか時間というか。

 そう。言うなれば21世紀を感じたよ。言い過ぎ? でも。







二十三日(火) 町田オフ会

「古っ!」


 は? 日記が二ヶ月半も停止? 

 何を言ってらっしゃるのやら!


 この日はネットゲーの方の友人、ヲベロン及びヨシュア君と町田で会ってダラダラしました。

 UFOキャッチャーでヨシュアの取ったどこでもいっしょ湯たんぽを千円で分捕り、柿島屋で三人で飲んでヘラヘラし、ヨシュア君が帰ったので解散。

 しかしその後酒のノリでやはりネットゲーのツァリーア陛下(※王様)に電話してあちらの飲み会に合流。公民館の近くの店で二次会。好青年オベロンが人気を博す横で高そうな日本酒を飲み続ける。

 すると払いは大変なことになったのですが、陛下のお身内の方と会社員の皆さん(パ○テックの人でした。メモリ売って!)がかなり持ってくれたので僕らはあんまり払いませんでした。ビバ学生。しかしオベロンの分を払ったのでややイタい。貴様今度奢れ。

 どういう飲み会だったのかは聞かないで。俺にも良くわからない。

 さて、大事な話としてオベロンは帰る電車がありません。でもご心配なく。こんな時の強い味方登場! つーか登場させます。


 そんなわけで鷹村家へ。ドタさんゴメン。テヘ♪

「ツレが帰ろうにも電車がないので泊めてやってください」という殊勝な理由で上がり込んだらこちらのもの。鷹村家の酒を飲んで飲んで飲み倒す算段です。

 しかしそこは鷹村さん。負けじと飲みます。飲ませます。

 明日があるというのに、僕らはヘロヘロになるまで飲んでしまったのでした。


二十四日(水)

「飲み過ぎオベロン注意」


 この日、鷹村さんは仕事。ヲベロンも朝から都心で引っ越しのバイト。俺はなにもありませんでしたが。

 それにしても起床したら八時でした。誰だって遅刻。エニウェイ遅刻。しかも二日酔い。

 若人にありがちなバカなことをしたにも関わらず笑顔で送ってくれる鷹村さん。オベロンを駅まで送り、俺は小田急町田駅でちょっとボーっとして鷹村さんの出勤を待ち、見送り。

 その後帰宅。二日酔いで大変なことになりながら脂汗を流して寝ました。


二十五日(木)

「後日談」


 僕は結局昨日は仕事になりませんでした。

 ヲベロンはあのあと、小田急線の中でぶっ倒れて大変だったそうです。

 鷹村さんは昨日、帰ってきたあとざち部長達とリッキーで飲んでいたそうです。


 ……最後の人ダウトだろ。ドウイウコトダ。


二十六日(金) 文化人類学補講 文化人類学レポート〆切

「2単位ー」


 今日は講義の補講でしたが、ガセ時間を掴まされていたらしく行ったら誰もいませんでした。

 結構、もーイーやと思ったのでそのまま撤収。劉秋華は一緒に受けてたから知ってると思うけれど、どーもこの先生とは話が噛み合わなくてちぐはぐしてましたが、最後までこんなことになりました。

 結局、この単位は落とした。


二十七日(土) K

「やすみはいつだ」


 大学院て正規講義は終わっても全然仕事は減らないのな。要領悪いのかな俺。

 そんな隙をついて一冊。


蘇部健一 「六枚のとんかつ」 講談社 1997

 超絶アホバカ・ミステリを自称するだけあって、凄い本でした。といっても清涼院流水ほどアレではなくて、普通に読み物としても面白いです。

 いや、ミステリファンを自認する人が読めば相当面白いよきっと。しかも本気で謎解きをしようと思いながら読めばさらに。電車の中で思わず「そりゃないだろう」ってツッコミが入ったもの。読んでて。

 短編がたくさん入っているけれど、明らかに序盤はちょっと「アレ?」って感じです。でもご安心。エンジン暖まるまで時間がかかってるだけで、後半に向かって尻上がりに面白くなります。最後のオチは芸術的と言えるかも。一冊かけた伏線というか。

 俺は面白かった。ホントに。


二十八日(日)

「雨でも風でも、ダメはダメ」


 明日提出の比較文化理論のレポートが一枚も書けておりません。


二十九日(月) K 比較文化理論レポート〆切

「トンネル開始日。たぶん。」


 ダメでした。

 どうしちゃっただろう。書けず。〆切破り。

 単位落としたかなー、と思ったけれど、「わかりました。じゃあ、出してください」ということで終わった。

 単位は出してくれて、いずれ出せばよいということなのだろうか。レポートは。

 書き物は得意だという自負があった分とてもとても悔しく克つ情けなく克つ申し訳ない結果になってしまった。


三十日(火)

「レポート」


 本を一冊読むわけだ。

 それの中の、どこでもいいからどこかについて、抜き出してレポートを書くわけだ。

 論ですらない、感想文でもいいのだろう。量も指示無し。つーことはレポート用紙三枚でもいいのだろう。

 これが何故書けない。


三十一日(水)

「いちがつのおわりに」


 このレポートが二ヶ月あとを引くとは、この時は全然思ってなかった。

 スランプなんて言い方はしたくないからしないけれど、なんだろね。なんか、全然一行も一文字も書けないでウロウロしていたら、日記のようなお気楽なものも含めて、文章自体が全然書けなくなってしまった。

 こんなトンネルは想像もしてなかった。なんてこった。


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