銀天盤 ○日記帳扉 ○前項 ○次項


2000 「長月星人だよもん(後編)」


九日(土) K 帰還の挨拶 コミケ打ち上げ(今頃)

「やっぱり、やらなきゃダメね」――名は伏す


 K君の家を辞して東京へ帰還を目指す。お土産の葡萄がずっしり重いぜ。葡萄の箱と二リットルペットボトルと一升瓶を下げた俺はどこへ行こうと言うのか。

 八王子行き中央線の車中、俺の座ってる席の横に立った屑ボーイのジャケットからずーっと煙草の匂い。殺意&吐き気全開。

 煙草飲みのキチガイ共は気が狂っているので自分の服に染み付いた匂いに気がつかないのでしょうか。本当に頭がおかしい。全滅して死んで消えていなくなって欲しい。なんで生きてるの? あんたら。

 そんな愉快なMENと少しばかり揉めたせいで八王子で余計な時間を食ってしまいましたが、まあとにかく帰宅です。ただいま俺!

 
 家に帰って荷物を降ろすとすぐに接骨院へ。旅行中だったわりには治りがまずまずらしい。ホッとした。で、帰ってちょっと睡眠など取ろうかな、と。

 しかしやったことはドラクエ。

 で、夜からはコミケの打ち上げ。どういうスケジュールなんだ俺。休まなくていいのか俺。

 
 国分寺で十時集合。ハラダさん、俺、柴三郎、IHARON。カパカパカパカパ飲んで始発で帰宅。楽しい話もありましたが実は疲れと酒で脳をやられてちょっぴり飛び込み気味の僕。IHARONもなんか入れ込み強くて。柴三郎の冷静さに救われたね。今日は。ハラダさん怒ってないといいなあ。そう希望します。

 無理かな。あれだけ傍若無人ぶると。本棚から本を引き抜いてはむさぼり読むのは良くなかったなあ……。反省。

 しかし、本読みにはあの部屋は毒だ。

 なお、IHARONが同人のことでずいぶん熱を入れて質問とかしていたので、インスパイアされて彼の本もすぐに出来るといいなあ。そう希望します。

 ハラダさんの本棚に「ぷち」があったのを発見して俺とIHARONは鼻血。柴三郎に「なんであげるのよ」と言われました。今考えてみると同感です。


十日(日) 風邪ひき最前線

「咳に血の味がする……」


 旅の疲れと昨日の無茶が祟ったのか風邪です。

 いやー、ドラクエドラクエ。だって他になんにも出来ないし。咳がひどくて。とにかく。


十一日(月) k

「オイオイ。台風凄いぞこれ」


 外は大雨。

 俺は大風邪。

 しょうがないのでドラクエドラクエ。

 血まじりの痰が出てビビる。


十二日(火)

「名古屋で一日に半年分の降雨? ……youngさん平気かよ」


 ぼちぼち旅行記を書き始めたり。

 相変わらず風邪。熱も眠さもないが、とにかく咳がもの凄い。温度差で来るらしいのであんまり外出とかしないように気をつける。

 なんか医者に凄い顔で安静を言いつけられてしまったので本当に養生せねばならないらしい。咳さえなければ体調自体は普段と変わらないのに。納得いかねえ。

 しょうがないのでドラクエ。


十三日(水) ラブひな

「よっしゃ! ヤス出席!」


 咳がだいぶ引いた。……と、思う。少なくとも昨日よりはマシだ。

 「でうら」にラーメン食べに行って、少し気分転換。家でマガジン読んだり。

 ちょっと動いたらどんなもんかと外に出て一働きしてみたらやっぱり咳が出た。なんか悔しい。

 健康って大事だったんだなー、と痛切に感じる。煙草はやめろよ。諸君。


十四日(木) 合い言葉は勇気(最終回)

「それは違うよ、網干君」――『合い言葉は勇気』より


 復調。たぶん。

 大事をとってもう一日安静にしていろというけれど、やることが溜まっているのでそうもいかない。帝某大学時代の恩師に手紙書いて原稿同封して速達で送って。

 センター行って若竹の部屋取って。図書館で昨日借りた本をガーッと読んで。

 あとドラクエ。

 家事雑用。ビデオ見たり。部屋の本整理。その他。久々に雑用が出来た。

 夕刻外でちょろっと体も動かす。右足首が昔ほど曲がらないけれど、他はまあまあ。握力と柔軟とスタミナとバランスが落ちてたけれど、しゃーないよなー。これは……。

 今日、『合い言葉は勇気』の最終回でした。

 正直食い足りないところはあったけれど、やっぱ面白かった。面白がらせて貰った。骨格が真っ直ぐなんだよな。ベタと言ってもいいけれど。その正面突破性の高さを買う。

 もうちょっとエピローグは欲しかったけれど。網干が擬助の弁護なんかやってると最高だったんだが。つーか俺だったらそうしたんだけれど。

 ただ、これは「俺の好きな展開」であって「面白い展開」とは違うのかもなー。その辺は旅行中にまめ先輩に「お前の(TRPGの)シナリヲはいつもそれだ」と言われて密かに痛かった。この壁は越えないとなー。

 でもどう? お約束って、綺麗でいいと思わない? 様式美ってヤツ。

 今週の若竹は飛ばすぞー。待ってろよ。ヤス


十五日(金) 夏期休暇最終日

鷹村さんのスパロボはやたらとクワトロばかり育てている」


 朝からじたばたとガッコの準備。休みボケの払拭に時を費やす。

 ってそんな大層なものでもなくて。ノートとか、ザッと目を通し直してガッコの雰囲気を思い出しておこうかと。休み中もガッコは行ってたから旅行ボケ直しってところか。

 で、夕方から町田で飲み会。節度を守って楽しくやりました。

 飲み会の後、毎度のごとく車で送ってもらって帰ったわけだが、この時点ではそんなに雨も降ってなくて、「ああ台風来てるんだなー」って位のものだったのにねえ。


十六日(土)

「探しているときには必ず見つからない」


 朝、もの凄い雨。雨で作った風呂桶で頭を押さえられているような重苦しい、重力を伴った鉛の流れのような雨。

 今はちょっと後悔している。外、出ておくんだったなー。あんな雨に打たれて歩き回る経験なんて、一生に何回かだったかもしれない。残念。

 なんて書くと今回の暴風雨で被害を受けた人達に嫌われそうだけれど。

 さて、しかし僕も立派に被害を受けました。かなり近距離の電線かなんかに落雷があったらしく、「漏電ブレーカー」とかいう今までの停電人生で一度も縁のなかった新メンバーが落ちまして。

 この時のショックでPCのモデムが逝ってしまいました。内蔵モデムなのでBREZZA君が家に来たときからのつき合いです。まさに殉職と呼んで良い退場でした。合掌。

 しかし参った。モデムがないとメールを含めてかなりの情報通信手段に影響が出ます。どーすっかなー。むー……。

 方々に電話を書けて、色々とモデム復活を図っているうちに夜。ひとみ悟空がラーメンを食いに行こうと言うので出かける。モデムのことも聞けたし。

 メンバーは俺、ひとみ、鷹村さん、柴三郎。全員明日出席のメンバージャン。早く帰ろう今日は。

 と、思っていたのにゲーセン。しかも格ゲーとかの筐体が時間的に遊べないのでなんかアミューズメントっぽいゲームしかない俺にとって苦しい環境。

 楽しそうにDDRなどなさる皆様を横目にひたすらゾンビを撃ってみたり。鷹村さんと二人でゾンビ撃ちをして二人用ワンコインで三面まで行って満足。

 後は北斗の拳で初めて南斗正拳編をクリア。シュウを抜ければサウザーはあんまり強くなかった。

 じゃあまあ、そろそろ帰るかなー、ってのに、ひとみ悟空と柴三郎がUFOキャッチャーにはまって抜け出しやしません。俺と鷹村さんが半ば呆然と見守る中、数千円を資本投下しておじゃる丸とか狙ってるし。そんなに欲しいのか諸君、おじゃる丸が。

 おじゃる丸だぞ? 正気に還れよ。

 還りませんでしたけどね。

 そんな素敵なみんなと別れると午前様。明日来られるのかみんな。


十七日(日) 若竹の会

「ようこそようこー」――柴三郎


 シナリオのネタになるかと思って、そういえば何冊か図書館で本を借り来ていたのだった。「美濃牛」「迷宮」「パズル崩壊」「女には向かない職業」「蛇神」あたり。

 そーいや飲み会の時うっかりして田中さんにコーデリア=グレイを預けっぱにしてしまったのだった。田中さんからどーするかとメールが来てたけれど、返事出す前に雷でモデムが。早く返事しないとなー。

 などと思いながら朝からPCをいじる。「ダメっぽい」ってのが良くわかった。


 今日の若竹はミッション達成2500点という快挙。やったな諸君。

 終了後、残れるメンツと飯食って帰宅。明日よりガッコです。

 と、モデム買ってこなくちゃ。


十八日(月)

「総取りーヘップバンーン(再び)」


 ガッコ開始。といってもバイトだけですが。今日は。

 久しぶりの受付。しばらくぶりの知り合いにも会ったりしつつ清水義範の「迷宮」を流し読み。気持ち悪いのでどうしても流し読み。

 これまたしばらくぶりの、引き継ぎ相手が来なくて残業する気分など味わいつつ。後期のスケジュールを確認。ガッコのPCで南天盤もちょろっとのぞく。言いたい放題の磯野に憤慨。

 一言云ってやろうと、磯野の勤め先へ。行くが本日休みで不在。そっかー。月曜が休みって言ってたっけなー。

 ……うーん。モデム買うアドバイス貰おうと思ってたんだが。困ったぞ。

 仕方がないので他の店員の人に聞いて一つ買う。56K。三千円しなかったが、こんな安いのでちゃんと動くのかよとビビる。俺の記憶ではモデムってニッパッパで一万数千円なんだがなー。

 で、帰って差してみたらちゃんと動きました。しかも早いのです。なんか差すところが古いモデムと違う形のスロットで、しかも逆っかたにしか差せないデザインでちょっとビビッたけれど。

 こいつはいい感じー♪ と思いながらついでにCDロムとボードも繋いでしまおうと作業。CDロムひとみ悟空に借りてるのだが、PCに組み込みに来た時にコードが合わず、次に買ったコードも何故か合わず、今度試すのはひとみ悟空に選んでもらって買った三種類目。

 しかし合わず。何故だぁー?

 良く見ると二種類目のコードとコネクタの形状同じだし。むー。CDロムの方に差すコネクタが特殊なヤツなんだろうか。そういえばそんなこと言ってたなー。ひとみ悟空。

 こっちはまあ、しょうがないからいいや。保留。で、早速メールの返事だけでもと思ったのだが。

 メールが読めません。なんか変。日本語が。

 フォントかと思っていじってみたけれど、そういうのとは関係なく、HTML文書からワード文書からアイコンの名前まで、およそ日本語がすべて文字化け、と言うかおかしい。

 おまけに日本語変換自体が変なので文章が書けないし、Webを覗いてもブラウザの表示がおかしいので読むに読めない。参った。

 うー。半端に壊れたなー。こりゃまた……。


十九日(火)

「ガチンコは演出がくどくてかなわない」


 嫌な夢を見た。嫌っつーか気持ち悪いっつーか。

 ながーいストーリーだったので大幅に端折る。SPみたいなことをやっていた。IHARONと俺と柴三郎とあと一人誰かで。なんか要人警護。白髪のナイスミドルを。

 その人がどっかのガッコで公演かなんかをするとき変なヤツに襲われて、ニードルガンみたいので一発撃たれた。で、俺がかばってかわりに受けた。針を。右手。

 別に痛くなかったんだが、必殺の暗殺兵器のはずだから毒でも塗ってあるんじゃないかと皆が言い、吸い出すのも気持ち悪いので傷口の辺りを揉んで毒を揉み出そうと。そういうことが物理的に可能かどうかは勘弁。夢故。

 そしたら貴方出てくるわ出てくるわ。小虫が。コガネムシとかカブトムシとか系の幼虫ですよ。白くって丸まってる感じで頭がオレンジのヤツ。

 自分の傷口(いつの間にか右手から右足に移っていて、針が刺さったはずなのに切り傷になっていた不思議傷とは言え)から虫が出てくるというのは意外にショックです。しかも開けてみると、中にまだまだ虫が生息しているのです。

 開けてみるとというのはですね、なんか傷口の辺りがぱかっと開いたのです。プラモデルのザク上腕部Aパーツ取り外しという感じで。このへんの非常識さが夢ですね。

 中には筋とか血管とかあって、「麻酔無しでこんなことして平気なのか俺」とか漠然と思ったけれど、痛くなかったのでまーいーや。

 ちなみにこの時柴三郎が「へー、〆葉ちゃんて、外骨格だったんだ」と淡々と言い、(理系はやっぱり落ち着いてるなあ)と感心したけれど、実際にこの状況でそんなこと言われたら殴るね。

 ほんで、その俺内部構造の血管とかに虫が何匹も、綺麗に一列に貼り付いてるのよ。身体をピンと伸ばして、オレンジの頭から栄養吸収中。至る所で。ヴィジュアル的に参った。

 ちなみにこの時柴三郎が「大島河原の鯉のぼりみたいだね」と淡々と言い、(理系はやっぱり落ち着いてるなあ)と感心したけれど、実際にこの状況でそんなこと言われたら殴るね。

 詩的なことばかりも言っていられないのでその虫を取り除いていく。茹でたトウモロコシから実を取るジャン。食べるとき。親指の腹で、こう。あんな感じで。

 体育座りになって、自分の足首(傷は足首に移動していた)の上半分のパーツをパカッと開けて、その中の血管とかにびっしり寄生している虫を取っては出す。取っては出す。「俺の腿の中の三分の一は虫だったのか」と思うほど取ったところでだいたい全滅。蓋を閉めて立ち上がると。

 で、「治ったぞ!」とかいってみんなでオリンピックでメダルを取ったくらい喜んで(護衛の仕事とかどうしたんだ俺等)跳びはねてたら目が覚めた、と。

 夢判断も何もなくて、要するに足首の怪我を、無意識のうちで「ゴミ箱ぽぽいのぽーい」っと治してしまいたいんだろうな。俺が。

 中開けて悪い要因を取り去ったら直せる、っていうんだったら確かにそうしたいもんな。関節とかそういうところの、長くかかる怪我はうざったくてしかたがない。

 なんか、長々と気持ち悪い話をしてしまったな。でもまあ、ナンセンスすぎて真に迫って気持ち悪くはなかったんだけれどね。夢の中で自分のこと「今、俺って阿呆みたい?」とか思ってたし。


二十日(水) ラブひな

「まだ選手が試合で頑張ってるんだから、あんまり負けてもオッケーオッケー言うなや」


 あ。ラブひな見るの忘れてた。

 ……。

 (割とショックらしい)


 今日接骨院で言われたことー。

「なんかですね、リハビリやってると弁慶とかがひきつった感じなんですけれど」

「それはですね。今まで怠けてたところを急に使ったからですよ。……捻挫で二週間くらい運動できなかったからってそうなるっていうのは、ちょっと、鍛え方が足りないんじゃないですか」

 そして閉院後にマッサージ受けながらトレーニング論。そこから柔道論。そしてメダルを取った選手一人一人評。裏話込み。というかそっちバッカ。

 ……しまった。この人、柔道整体師だった。


 しっかし、ガッコが始まると急に疲れるなー。主に気疲れだけれど。フー。


二十一日(木) K

「今日メダルを取った井上選手、実は馴染みの場所に僕も通っていたり。(ヒント:柔道整体)」


 今日は素敵な仲間の歌声に呼び寄せられて大学のマルチメディア研究会の部室にお邪魔しました! 隅っこでドリキャスの格ゲーをずーっとやり続けていた、格ゲー中毒症状の見覚えのないメンバーが記憶にある人。それが俺です。

 なんか、五時間くらい居たような気がする。久々に思う存分格ゲーが出来たのだが……。

 まだ甘い。皆様お客様用遠慮モードで相手をしてくれていたようなのでちょっと残念。もっとこう、当て投げ投げハメ瞬殺コンボアリアリの本気の戦いがしたいよ。ゲーム中に相手をなじらずにはいられないような、脳が沸騰するような体温が上がるような手が汗ばむような戦いがしたいよ。

 ……中毒か。俺。

 夕刻、泣きたくなるような明日の命運が決定。今日は酒飲んで寝ます。あうー。明日のことは考えたくないー。


二十二日(金) K

「磯野ひでえよ」――俺と柴三郎


 さらし者は避けられました。ばんざーい。

 なんの話かというと、来月一日の杖道昇段審査の組む相手がたまたまうちのガッコの中等部の先生だったんですね。だからガッコで練習をしようと言うんですね。提案ですね。

 場所は武道場ですね。体育館の建物の三階にあるヤツ。剣道部の練習してるところの横でですね。

 絶対恥ずかしいって。そんな大勢さんの前でお見せするようなことやってないって。

 と、グログロしてましたが、先方が中等部の文化祭の準備で忙しくて手が空かないということで今日の稽古は中止になりました! 万歳!

 道具と道着持っていくのがどれほど面倒かとか、せっかく持ってったのに使わないとスゲー意味ネージャンとかそういうことは一切申し上げません。万歳。


 稽古に使うつもりだった時間が中途半端に空いたので帰宅して接骨院。柔道の話を小一時間。井上の話と、「篠原は勝つよ」って。

 その後町田へ。図書館で佐藤亜紀とか森博嗣とか森雅裕とか検索してはない、という無駄な時間を過ごす。しかし美空ひばりのCDが三枚も借りられて超ラッキー。

 図書館からイエサブへ。SAKONが来るかと思っていたのだがミスで会えず。残念。IHARON、柴三郎、Cozyに俺のメンバーで飲み会ゴー。

 今日のIHARONオフィシャル発言(他三名が証人)。

壱、「今月中に夏コミで出す予定だった本を出す」

弐、「来月中にPCを組む」

参、「冬コミには個人誌を出す」

 さあ、三つともちゃんと達成できるように、みんなも応援しよう!

 てめー公言したんだから逃げんなよ。


二十三日(土) K ZOIDS 秋分の日 若之花断髪式

「アレは一本だってー」――内股すかしについて


 篠原負けたっしょ? 審判が見てないからー。つーかちゃんと抗議しろよなー。

 雨だし。なんとなくブルーな目覚め。

 さて、お彼岸なので雨の中方々から線香上げに人が来ます。今日はその応対でだいたい一日潰れた。明日も結構来るらしい。ありがたいが来客の度につきあって茶ー飲んでると水っ腹です。

 一段落したところでDDR専用コントローラーとDDRを買いに出る。家族がやりたがっていたので思い切って買うことにしたのだ。

 モノはダイエーの横のビデオ屋で見つかったので即GET。ソフトは参作目のヤツ。ま、新しい方がいいだろうと思ったので。

 かつてはこういう無駄っぽい買い物はしなかったのだが、ひとみ悟空や河邑がいろんなものを買い込んでいるのを見ていたので、楽しみのために投資する、という考え方がいつの間にか身についていたらしい。こうやって考え方が柔軟になっていくのだなあ。

「……アビリティーに「散財」ってついただけのような気もするが」

 黙りな。


 夕方、ドラクエのレベル上げやってZOIDS見て道場行って、来月一日の審査に黄色信号がついたことを確かに確認して帰宅。ちと気が重い。

 あー、今断髪式終わった。若之花ー……。網打ちなんか使える力士、しばらく出ないんだろうなあ。決まり手数は舞の海を越える35だってよ。惜しい人が引退したもんだ。

 雨の夜は静かに過ぎていくことだよ。


二十四日(日)

「E-JAPANに浪漫の嵐!」――森大戦


 土曜夜、ハラダ兄さんから電話です。

陣内来とるよー。来る?」

 陣内ちからさんと言えばアレです。凄いの。本を読め。或いはページを見よ。

 とにかく、今の読書傾向の数パーセントに確実に食い込んできている影響を受けた人です。あとこの人の同人誌が元でハラダさんのことを知ったわけだし。恩人です。メジャーにアイサチに行かねば。

 つーわけで朝から出かける。僕らと飲んでるときはなにをどうやってもなんともないハラダさんが轟沈しているのを見て驚愕。なにをどうやったらこうなるんだ。つーかどれくらい飲んだんだこの人達は昨日。

 部屋の一部と貸していた陣内さんを起こしてしまったので早速色々とお話を伺ったり同人誌の感想を聞かれもしないのに垂れ流したり。

 朝からナチュラルにアルコールに手を伸ばす陣内さんのご相伴に預かる。素敵な日曜日開始。

 昨晩ほとんど寝てないところへ朝からワインですので思考力が帰宅してしまいました。当初聞く予定だった文学論とかは出てこないので不本意ながらダメトーク。陣内さんはつき合いが良すぎるのでダメトークから帰ってこられません。常に本気。それが陣内流。(真島君!?)

 昼前には新キャラ、ホクトさんも合流。この人もブンブン丸なので飛ばします。当たればスタンド入り。ガルベスです。(ピッチャーじゃん)。いやもうそんな感じ。

 初対面の人二人を前にすっかりリラックスして腐れオタクな話題を垂れ流すピグミーマーモットセンサーと化した僕でしたが、まさか全部の話題につきあって貰えるとは思いませんでした。なんなんでしょうかこの人達は。気になる貴方はご本人達のページへどうぞ。怖くないデス全然。

 しかし家主ことハラダさんは今日はすっかりダウンなのでした。重ねて言うがどういう飲み方をしたんだ。泡盛一杯でキリキリマイの僕の前でフローズンカクテルをカパカパカパカパ飲ってもその後でスタミナ丼を平らげていたこの人が……。

 そんな飲み会から生還した上で追加のワインを買いにコンビニへ出かける陣内さんに戦慄してもみたり。あとホクトさんと僕をセットで「おかしい」と断罪するのはヤメテ下さい。どう考えても常識人は僕らチームデス。というかホクトさんです。

 初対面の人達を相手に他人の家でゴロリと腕枕。「結局どうなん?」とタメ口の僕のことはとりあえず横に置いておいてください。お二人とも、今日はどうもでした。あとハラダさんは平気なのか。


 さんざんガス抜きして帰宅。イトコの所に行って柴三郎から預かっていた仮面ライダークウガを渡す。イトコ大喜び。バイクに剣を装着して何度も俺をメッタ切り。

「〆葉兄ちゃん! ブレードライガー、ブレードライガー!」

「親戚を切り刻むのは止めなさい」

 イトコ達とCCさくらを見ながら「さくらちゃんは小5に見えるか」というテーマで議論。真剣な話になったのでなんとなく勉強タイムに。宿題見て帰宅。

 充実した休日だったけれど……。休んでねえ。


 留守電チェックしたら杖道審査の相方さんより伝言。水曜にガッコでやる予定だった練習がポシャッた。剣道部の前で練習しないですんだのは良かったけれど……。

 おいおい。じゃあいつ合わせるのだろうか。審査は一日だよ? ちょっと不安だ。


二十五日(月) K 講義開始(デマ情報) 比較文化理論(休講) 教育課程論

「……え? 講義って、先週から始まってたの?」――俺


 そんなわけでいつの間にか自分内オンリー休み延長をしていたらしい僕です。まずいっチ。


「土曜の日記についてだが」

 おや、羽田さん。

「接骨院の先生にコメントをもらってきた」

 へえ。怒ってたでしょ。柔道指導者として。

「まあ、聞いてみよう」


『――ですからね、内股すかしっていうのは、すかして、倒して、それで技になるわけですよ。篠原は確かに内股はかわしたけれど、その直前には組み負けて頭を押さえられるような形になっていたわけで、あれは技としての内股すかしにはならないんですね。

 そして、技としての内股すかしではなくたまたまかわした結果として技をかけてきた相手が倒れたのなら、これは当然一本にはならないわけですよ。あそこの攻防は分解して考えなきゃいけないわけです。柔道やってる人間なら。

 で、あれを内股すかしでなくただの内股の失敗として考えるなら、篠原は横向きに倒れたわけですから相手に有効がつく、と。そういうことなんですね。

 ただね、主審と副審の裁定が違った。これは当然協議の起こる場所ですよ。協議後に改めて「こちらの有効」、と主審が告げなければならない。それをやっていない。アナウンサーは「機械のミスじゃないか」なんぞと言ってましたが、そうではない。

 「日本にはもう柔道で金メダルはやらないぞ」という、会場の空気を読まなくちゃいけない。

 要するに、サイドワークがなってないんですね。日本は。コーチってのは精神論でハッパかけるためにいるわけですか? 違うでしょう。セコンドなんだから。選手をサポートしなくっちゃ。あの「検閲削除」ってのは「検閲削除」だから、そういうところに頭が回らないけど、それじゃいる意味ありませんよ。コーチなんて。

 だいたいね、フランスは本気なんですよ。柔道と言えばどこの国だと思います? 日本ですか? 違うんですよもう。彼等にとっては。

 フランスの柔道人口は日本を越えちゃったんですから。柔道と言えばフランスなんですよ。

 そういうね、状況で、本気でメダルを取りたいんだったら、井上みたいに誰にも文句を言わせない、一本勝ちで黙らせるか、或いはルール関係をね、細かく細かく突き詰めていって、他の国のようにサイドワークでやっていくか。

 ま、私は両方やってくつもりですがね。……ハイおしまい』


 ……うーん。参った。

「少なくとも」

 うん。少なくとも、「審判に見る目がないから篠原負けたじゃねーかチクショー」なんて単純な見方をしてられるのは日本の中だけだったわけだな。今日もぽじ君とその話しちゃったよ。恥ずかしいな。

「柔道は世界に出てJUDOになったが、その中では「柔道」的なものがいつまでも通用するわけではないのだな」

 そだね。それは「そこまでして勝ってもしょーがねーだろう」と思う心だったり、「結果より内容だよ」という考えだったり「武道なんだからポイントとか優勢とかバカらしいよ」という姿勢だったりするわけだ。

「そういうものは明確なすぽうつとして受け入れられているJUDOには」

 馴染まない。

「然り。ルールの中ではなにをやってもズルではない、という考えは実に欧米的で潔くすらある」

 そーだよなー。スポーツだもんなー。公正に厳正に、ルールに則って行うべき場所に、変に精神論とか持ち込んでカラー道着とかに反対してるわけのわからない国家、ってのが日本の位置なのか。国際的には。

「しかし、仏国の方が柔道人口が多いとはしらなんだ」

 俺も知らなかった。でもあの先生はウソは言わないだろうし、実際柔道の先生なんだから数字も掴んでるんだろう。本当なんだろうなあ。

「しかし、〆葉よ」

 はい?

「率の良い殺害方法として発展してきた武術が、太平の世の中で「負けない」技術に精神論を加味したものとして成立してきたものが武道なら、「勝つ」ことに特化を始めたすぽおつと化したとき、それは本質的に武道であると言えるのか?」

 ……だから、柔道じゃなくて、JUDOなんだろ?

「世界の?」

 世界の。

「私は嫌だな。それ」

 俺も。でも俺等、右翼だからなあ……。


二十六日(火)

「ソフトボールは良くやったよ。でも久米さん、私的には金メダルは日本、って言い続けるのは勘弁」


 今日は代理バイト。

 普通は何もない日なのに。

 休みようにとっておいた日なのに。

 だからくたくた。だって二限と六限ですよ。お昼前と五時過ぎからの二コマに一日拘束される気分の悪さ。松屋の牛丼が290円だからって二食も食べてる気分の悪さ。挨拶が片言の日本語で「コニチワー」だけになって誰にも相手にされない気分の悪さ。

 そんな自分の責任での気分の悪さを紛らわすために業務終了後ぽじ君宅に乗り込んで日本酒を飲しつつ、巨人の消化試合とか格付けとか見てうんちくをたれる。素晴らしい嫌な先輩こと俺。

 そんなわけでぽじ君の家の八海山は湯水のように減りましたトサ。素面に戻るとちょっと罪悪感! 食材も食い尽くしたし! イナゴの大群か俺は。

 じゃあ、羽音とか立てながら寝ますか。


二十七日(水) ラブひな 新入生歓迎会

「礼儀知らずなんじゃなくて、単に頭が悪いだけなんだから。我慢我慢」


「やっって来ました! 連想ゲームっ! 司会はわたくし浅葉成田!

 それでは早速です。月夜見さん、サクラさんで月夜見さん!」

「エー、ネットゲーム。チャット。寝不足。二限からバイト。またバイト。講義。新入生歓迎会。飲酒。飲酒。また飲酒。帰宅。用事。車……」

 ぴんぽーん

「飲酒運「連想ストーップ! なにひとつ連想してはいけません! 

 今日の日記はここまで! さようならー!」


二十八日(木)

「チッキショー! 今日は寝るぜぇーっ!!! ハッハッハぁーっ!」――車中にて。俺


 ティラミス。滅多に食べられない高級お菓子。

 しかし賞味期限九月十九日。

 しかしティラミス。

 ……。

 今日の俺は悩める佳人。


二十九日(金)

「バカのフリならもっとうまくやらなくちゃ」――気に食わない人間


 あー、もう!

 久々にやっちった。やっちたやっちたやっちった!

 25にもなって! 大して親しくもない学友に心配されるほど議論の態度が悪いですよ! ハイハイどうせ僕は心狭いですよ! 年中怒ってバッカリでスよ!


 (回想シーン)

「ですからね、○○は、××なんですね」

「成る程。△△が□□みたいなもんですね」

「いや、ですからね、○○は、××なんですよ」

「あ、○○が××だってのはわかってます。理解してます。で、それが一見すると△△が□□みたいだなー、ってことを言ってたんですよ」

「それはちょっと、なにを言ってるのかわからないんですけれど、○○は××なんですよ」

「それはわかってるって」

「わかってもらえました? △△じゃないんですよ? ○○ですよ?」

「△△の話は喩えで言ったんですってば。○○は専門用語でしょ? △△の話にした方が喩えとして解りやすいでしょ?」

「それはちょっとわからないんですけれど」

「何をわからないことがあるんだ何を。……あのサー、ワザとちょっとピントのはずれた質問して、それをうまいことあんたが捌ければみんなの理解度が上がったわけだぜ? こっちが気ぃ使ってそういう回りくどいことしてるんだからサー、生かせよそれを」

「それはでも、応用的なことだから。やはり基本を……」

「(ぶち)基本てなんだ基本て! 手前頭っから終わりまでレジュメ読んでるだけじゃねえかよ! 「読み発表をしない」なんて基本中の基本中の基本だろうが! ○○が××だなんてここに書いてあるだろうがここに! バカじゃないんだから読みゃわかるんだそんなことは! 音読するな! 確認を求めるな! 家へ帰れお前は!」

「(何か言っている)」

「聞こえネーよバカ。まとめて喋れバカ。だいたいサー、喋ることはじめに決めちまってそのプログラムの消化だけを考えてるからフットワーク鈍くなるんだろ? 「△△が□□デスね」って言われたら「あ、そうとも言えますね」くらいで流せばいいだろうが。流せよ。応用ができない? ここどこだと思ってるんだ。大学院だろうが。阿呆かお前は。むしろ阿呆だろう。阿呆」

「(半泣きで何か色々言っている)」

「ハイハイハーイ。もーいーよ。僕ちゃん様が悪かったデスぴろりん? 悪かったにょ。だから続けて続けて。聞いたら帰るから。もう」

「(まだ色々言いやがる)」

「いいって。もう。何も言わないから。何、も! 言わないから!」


 そんなわけであとはずーっと黙って座ってて時間で帰りました。お願いしたいことは一つだ。

 プライドは分相応に持ってくれ。無能ななら無能なりのプライドで押さえてくれ。高くプライドを持つなら、それなにの実力を発揮してくれ。

 どっちも無理なら世の中に出てこないでくれ。頼むから帰ってくれ。


 本日はひとみ悟空と柴三郎にカレーツアーズに誘って貰って助かった。スゲエイヤな気分で帰宅するところだったよ。トホホ。

 なお、本日柴三郎新PC購入。なんかバイオです。凄い性能いいらしいです。

 ……IHARONより早くの導入になったな。


三十日(土) K ZOIDS

「神様にもらったままの、自然のままがいいよ」――リファ族のフィリア


 表題はドラクエより。やっぱ泣かすわ。

 今朝は起きると目覚ましが分解されてバラバラの枕元。どうやらいっかい鳴ったのを止めるときに親の敵のようにアッタクしてしまったらしい。

 よっぽど寝たかったんだなあ、俺。そりゃそうだよ連日朝五時までチャットだものアハハー、と一人会話を楽しみながら階段を降りようとするも立ち眩み。横の壁により掛かってひんやり気分を味わっているともう身体がうごかねえ。

「成る程、電池切れか……」

 ここんところ無理したからなー。布団に帰って二度寝。起床は午後。いきなり講義サボっちまったがまーしゃーない。昨日も何度か行動中に意識飛んでたし。


「……よく働きますね」

「……え? 何が? つーかアレ? 俺、何?」

「オイ」


 そんなバイト中だったり。あれが進行してるのはまずいな。

 で、寝て起きるとちっとはましな頭。ドラクエ進行。庶務整理。

 そして道場へ。明日が昇段審査なんですよ? どうなんですか? 我々、ほとんど合わせやってないんですが……。

 つーか相方今日も大遅刻だし。そんなに自信があるんですか(涙)。

 ああ、不安だ……。せめて早く寝よう。


銀天盤 ○日記帳扉 ○前項 ○次項