銀天盤 ○日記帳扉 ○前項 ○次項


2000 「はじめては睦月から(前編)」


十六日(日)

 カレー曜日カレー曜日カレー曜日♪

 何故、卒論提出を明後日に控えた人間の日記の書き出しがこれなのでしょうか。若竹は結局TRPGできず。その後カレー食べにいってしまいました。マズイです。阿呆です。

 あ、日付が変わったので卒論提出は明日です。イヤー、映画って、本当に素晴らしいですね。

 それではみなさん、サヨナラ。サヨナラ。

十七日(月)

「人が人であるということはどういうことなんだろうね」

「いいから卒論を書け」

十八日(火) ダイ・ガード

 いや、出したよ。出せました。提出できたのでご心配くださったみなさんありがとうございました。でもなあ……。

 あれが俺の四年間の集大成で在学中の代表的著作ということになるのか……。

 死、し、死にて……。死ぃ……。

 また人生に十字架が増えちゃったよ。はあー。

 
 しかしまあ、とにかく卒論は出せたわけだ。うん。卒業はできそう。そんな感じ。

「おめでとうございますー。〆葉さん、よかったですねー」

 ああ、ありがとうマルチ。

「うんうん。けど、これで安心したらあかんよ」

 はいはい。気をつけますよ、森井さん。

「そうだよ。だいたい、もっと早くから始めておけば……」

 っせ! 遠山は黙ってろ! だいたい、小さいときのお前が俺を永遠の世界に拉致るから話がややこしいんだろうが。ONEは! お前は「夜の教室で見知らぬ男に襲われるけどそいつが誰だったのかはゲームが終わってもとんと判らないの刑」に決定!!

「うわあ! 寝覚めが悪い上に気になるよう……。そのうえONEという作品をまるで理解してないことを喧伝するような私的解釈だし。昔遠山は概念としての「永遠」であって……」

 喝! 書かれなかった以上どう解釈されても受け手に意見する資格無し! あと寝覚めが悪いのは俺も同じ! 小説版読んでもわかんなかったし。立ち読みの斜め読みのせいかもしれないけど。

「あわわわわ。ONEの話になったせいでまた理屈っぽくわかりにくくなってしまいました」

「せやなあ。盛り下がりっぱなしや。……よっしゃ! ここは浪速っ娘の夏穂さんに任しとき! みんなで飲みに行こか!」

 応!

「ホッホッホ。そいつは楽しそうじゃのう。どれ、儂もご一緒させて貰うとするか」

「この薩摩示現流の使い手、東郷も忘れて貰っては困るでごわす」

「とかなんとか言って、このトランクの中身が狙いなんだろう。わ、わかってるんだからな……。こ、殺すのか? 知ってしまったこの、俺を」

「○△□××■♪(笑)」

「五千円欲しい? ねえ、五千円」

 ……?

「良かったな〆葉! 五人とも一緒に行ってくれるそうや。……ほな、うちらはこれで」

「またお会いしましょう。さようならー」

「じゃあ、また。……生きてたらね」

 ……や。

 つーか、この人達は。

 誰!?

十九日(水) リヴァイアス、ブギーポップ

 うっはあ。さすがに疲れが出たよ。まあ、強行スケジュールだったからなあ。昨日まで。

 寝ても寝ても体がガタガタでどうも動きにキレが戻りません。これが歳ということなのか……。でもしかしちっとは休める身分になってヤレヤレだぜ。

 さてしかし明後日には進路に関わる書類を提出せねばならないし、明日には卒研の資料として借りていた本を先生に返さねばならないし、今週いっぱいくらいはまだまだ忙しい日々が続きそうです。

 つーても、この本全部返さねばならんのかあ。なんか、非常に残念。買うと高いし借りると気ぃ使うし。ああ、稼ぐようになったら絶対書斎作って本置いとこ。本。

 卒論といえば様々の方から激励を頂きました。この場にてお礼を申し上げます。寝倒れそうなときとか、おかげさまで頑張れました。ワープロ叩き疲れたときもメール開いて読んでみたり。

 特に我等がエクシール陛下の提出間際の経験談。あれには勇気づけられましたです。ハイ。

 ……やっぱり、ちょっと気が抜けたか。まずいな。これからが本番なんだが。

二十日(木) 書籍返却 健康診断 エクセル

 朝も早よから健康診断。血圧高くて超ブルー。

 終わって帰って接骨院。肉離れだってあっはっは。

 そんで帰宅したら電池切れたみたいに寝た。起きたら夕方だし。

 今日良かったのは曙が負けて相撲が一気に面白くなったことくらいか。貴之浪粘れるかなあ。もう五敗で後がないし。

 さあて。『カシノ殺人事件』を読み切っちゃおう。やっと続きが読める。活字万歳。

二十一日(金) 書類提出〆切 河邑よりゲーム資料

 河邑君がゲーム作るらしいんですよ。タクティカルRPGツクールだかで。

 そのシナリオを書けと。書かないとお前の人生に色々と嫌なことが起きたりカレーを食わせたりするというので仕方なく引き受けたわけですが。

 今日、その設定資料というヤツを貰ってきて目を通したところ、うーん。これが思った以上に難題になりそうです。

 まず、ネコミミがいない。これでは衆目にアピールできない。あと謎の美少女がいない。これでは衆目にアピールできない。それとお色気ネーちゃんがいない。これでは衆目にアピールできない。

 それだけではなくて、ロリもプニも眼鏡っ娘も幼なじみもポニーテールも病弱もスポーツもお嬢も無口も委員長も遠山もいません。圧倒的に足りない。

 決して決して! 僕がステロなキャラがいないと話が組み立てられないほど無能というわけでは! いやもうそんな馬鹿な!

 でもアレです。いるのはマジでオヤジと軍人ばかり也。分け入っても分け入っても暑苦し。まあ、これだけ硬派な世界はさすがに河邑という感じですが。

二十二日(土) K ゾイド 手紙曜日 バスクリン 軒下 漬け物

 本当にダメなヤツだと思って見切る前に一度そいつの親に会ってみると、これがやはりダメダメに輪をかけてダメな人間で、これに育てられたんじゃあダメ人間になってもそりゃあ仕方あるまいとむしろ同情することによって心を大きく持ってつき合いを続けることが出来る、と。

 人付き合いのハウツー本にそんなことが書いてあったが、やはりそういうものなのだろうか。

 本人がダメだからと言って親をどうこう言うのは筋が違うような気もするが、逆に言うとダメなことをしていると親を悪くいわれても仕方がない、だからちゃんとしなさいよという意味にも取れるわけか。

 まあ、親を悪く言われるような人間にはなりたくないもんである。

二十三日(日) 

 母上とのやりとり。

「母さん? 相撲どうだった?」

「貴之花勝ったよー。曙負けた」

「それはいいから」

「貴之浪勝ったよ。大関」

「しぶとい。流石だ。そりゃ良かった」

「それじゃ切るね」

「いや、だから優勝教えてよ。優勝」

 ツー、ツー、ツー……。

 本当に双子山部屋以外はどうでもいいのね。母上。

 ともかく、無双山初優勝おめでとう。平成の怪物もここまで長かったなあ。早く無双山特番の放送を望む。ここまでの軌跡とか結構忘れちゃってるし。


 ところで以下は、、ひさみ君のためのゼミ情報。甚だ主観的なので参考までに。参考までに。

 本当に参考までに。俺は自分の行っていた稲垣ゼミ以外については伝聞でしか知らないので。

稲垣ゼミ

 教育方法。僕がいたところ。厳しいけど面白い。でもプレッシャー凄い。今から飛び込みでだと入れてもらえないと思うけれど、興味があるなら新学期開始と同時にアタック。

松下ゼミ

 教育心理学。良くわからないがそんなに厳しくはないとゼミ長が言っていた。心理学の権威なので内容はそこそこのものが要求されるらしいが。

佐藤ゼミ

 生涯教育。人数多いのは佐藤先生が優しいと評判だから。確かに生徒思いで悪く言えば色々なところで妥協してくれる人なので、環境に流されない覚悟が必要。

熊丸ゼミ

 この人も偉く生徒思いで、アットホームな雰囲気が信条のゼミ。とはいえ内容と態度は厳しい。元々法律学の人なのでテーマも教育法規とかだったと思う。ちなみに俺の担任。

亀井ゼミ

 教育学科長のゼミは大人気。何故ってスゲー優しいから。卒論書いて卒業したいならここか佐藤先生のところ、というのは良く聞かれた。テーマも広く扱ってくれるし、やりやすい環境ではあろう。ただし、身になる学問を積むには自律が必要。

木原ゼミ

 ヌルかった、という感想あり。

中尾ゼミ

 体育科教育法。ヌルいらしい、という見解あり。


 等々、他の人からも聞いて多方面からデータを集めていただきたいですが、一番大事なのは自分がなにをやりたいのか、それを専門としていて師事することで得る物がありそうな人は誰か、を見極めることかと思います。

 その割にはデータに専門領域が少なくてスマン。いやさ、自分の行ったところ以外は結構忘れてるんです。

 確か、佐藤先生は生涯教育コースのただ一人の先生なので社会教育、生涯教育系はどんなテーマでも一応引き受けてくれるとか、亀井先生は学科長として原則どんなテーマでも引き受けてくれるとか、そういう特殊オプションも結構あったはず。でもまあ、このへんは新四年生になったらプリントかなんかで知らされるとは思う。

 あと、ひょっとしたらまた制度改変とかあって全然違ったものになってしまうかもしれないし。

 ところで自分がやりたいこと、見えてます?

 どの先生が優しいとか厳しいとかは、大学四年の総決算として自分の学んだことをまとめるという卒業研究の意義に比べれば小さいことなのであんまり気にしないでもいいでしょう。つーか、どの先生でも生徒思いで悪い人いないって。たぶん一人を除いては。いや、その人は上のリストにはいません。

 だからまあ、卒論書かないでも卒業できる大学ではあるわけだから、「俺って卒業研究やりたいの?」ってのを考えてみて、もしやりたいなら、どの分野に興味を持ってやりたいのかを考えてみて、それと近い研究テーマを持ってる先生の研究室へ飛び込みで行ってみて(本館三階の講義日表を見て講義のある日に行った方がいいけど。大学まで行ってお目当ての先生がいないで帰るという気分は格別だ)、相談してみたりするといいと思う。

 今年はだから、どの先生がどんな人でどんな研究をやっているのかを漠然とでいいから感じ取ることに使ってみるといいんではないでしょうか。その中で、自分が四年間の集大成としてやりたいことを煮詰めていくという感じで。

 タルいけど、急がば回れ、ということで。

 ではがんばろう。なにかを掴めるように。

二十四日(月)

 はいやーっ!

 大いなる主と聖霊の御霊の名の元に、こもよみこもち、ふくしもよみぶくしもち、りんびょうとうしゃかいじんれつざいぜん。

 オンキリキリ、オンキリキリ、オンボダロシャニソワカ、ノウマクサンマンダボダナンアビラウンケンソワカ。オンベイシュラマンダヤマカボダロ、マニハンドバハリタヤジンバラヤウン!

 祓いたまい清めたまい神ながら守りたまい幸いたまい。

 南無八万大菩薩、願わくば我が歯の痛み、これ雲散霧消させ給え。即ちディシペイト。デッキから消えて。お願い。

 ……。

 ふう。これだけ各方面にお願いしたのだから大丈夫だろう。歯は痛くない、歯は痛くない。

 ……。

 ダメだ。イテエ。何故? WHY? (※罰当たりだから)

 しょうがない。情けないが歯医者に電話して泣きついたりしよう。せん、じゅう、まる、と。

 TELLLL、TELLLL……。ガチャ。

看護婦さん「はいもしもし?」

 あ、あの、多津丘と申しますが、凄い痛いんですよ。マジで。なんとかなりませんかね。

記憶によれば相当可愛かった看護婦さん「多津丘さん、はいはい。右の下の奥歯ですね?」

 あ、はい。そうです。

物知り看護婦さん「わかりました。今、先生に聞いてきますね」

 はいー。お願いしますー。

 ……。

天使の看護婦さん「もしもし? 多津丘さん? 先生が、今、神経が死んでるところだから痛いので大丈夫だそうです」

 ……は?

厳しい看護婦さん「じわじわと神経を殺して行くクスリを、こないだ使ったんですね。それで、明日死んでるところを削るんです。だから、痛いのはクスリが効いてる証拠ですから、問題ありませんからね」

 ……死ぬの?

鬼看護婦「それでも明日削るのは相当痛いです。では明日お待ちしてますね」

 ……。

 しかし、あそこはただの町歯医者なのに何故いつ行っても可愛い看護婦さんしかいないのだろうか。いや、歯医者さんの看護婦さんは統計的にも可愛い人が多いということ以上に。だって、俺が生まれてからこの歳になるまで常にコンスタントに可愛いってのは不思議だよ。

 ……あ。

 先生の趣味?

二十五日(火) 歯医者 ダイ・ガード さくら

 さあ歯医者です。不死身の男Hokkyと違って生身のひ弱BOYであるところの私はすぐに医者に泣きつく暮らしです。

 椅子に座ると早速先生が僕に向かって母の旧姓で呼びかけてきます。だからその人は結婚して名字が変わって、その息子が俺なんですよう。俺が生まれる前からここで歯医者やってるからっていい加減覚えてくださいよう。

「ごめんごめん。ところで、どう? 凍みたでしょ」

 凍みました。コタツで一人で力無く笑う程度に。

「ズキズキしたでしょ」

 ……? いや。ズキズキはしませんでしたが。

 そうか。まだ効きがが少ないのかな、と気になりすぎる言葉を残してついたての向こうへ帰る先生。どう意味ですか? ノックしてもしもーし? ここは「死」が近いのですかー?

「今日で凍みるのを取っちゃう方がいいだろ?」

 無論そうです。無論そうですが、かわりにどういった事態が起きるのか、判断材料を是非ください。先生。

「じゃ、力抜いて。ちょっとチクっとくるから」

 なんだ。ちょっとチクッと来るだけか。それだったら二十歳も越えた成人男死ぃぃぃいぃうぅぅっっえぎぎぎぎぎぎぎぃ〜〜……。

「はい終わった」

 ……。え?(白痴的反応)

「うがいしてー」

 ……あ。凍みない。ウソ! スゲー。スゲー痛かったけどスゲー。

「マジックでしょ」

 マジックです。マジで。なにがマジックって「痛い!」と思った瞬間身体がビクンと思わず動いてしまったのに首と顎周りだけはビクともしなかったことです。

 僕、たぶん力強い方だし、人間ああいうときは全力で動くもんでしょ? それを片手で押さえつけて歯を削る握力っつーか腕力っつーか、それは一体何なんですか?

 ……六十は越えてると聞いたんだがなあ。この人。


 さて、凍みなくなったので記念にポケモン買いました。脈略無し。しかも青。

 いや、銀がなかったから仕方なく、ね。ビスコで中古買うのもしゃくだし。

「お前の秘密を知っている」

「やな登場の仕方だな、この電波っ娘は」

「青を買った秘密」

「……いちお、聞いとこか。何よ?」

「その男は「限定」という言葉に弱い……」

 ……。

「あんた、まさかブラックマトリクスが欲しくなったのと同じ理由で!?」

「間違いないです」

 いいじゃん。「限定」って。無垢な少年の魂を持った俺を刺激して止まないフレーズだよね。

「……西だ。それは悪いオタク丸出しと言い換えたほうがいいのではないか」

「「青」で育てテも色々不利デース。黄色の方がポケモンが強いデース」

「しかも、青が限定だったのは昔の話で、今はどこでも普通に手に入ると耳にしたが」

 いいんだよ! 青買うって決めてたの! ローソンでしか買えなかった頃から! 

 
「そんなわけで行くぞ! ピカチュウ!」

「……誰? それ」

「あ。そうか。別にピカチュウ連れてないんだった。じゃ、行きましょうか。ベーザンヌさん」

「そうじゃな」

 えー、そんなわけでわたくし、ポケモンマスターを目指すちょっと悪いオタク的コレクター心が玉に傷な無個性少年「たづおか(仮)」でございます。

「本名を、しかも平仮名で入れるから、ネットで名前が出せないじゃないか。なにをやっとるんだ君は」

 や。まあ、いいッス。ちなみにライバルはメガテン2以来恒例の彼です。

「モチヤウマノスケ。今回は「うまのすけ」。どうでもいいけど、俺ってスゴイヤなヤツに描かれてるのな。このゲームでは。オオキド博士の孫のはずなのに名前まで忘れられてるし」

 まあまあ。品川でバエルに殺されるよりいいじゃん。

「そだね。じゃ、あからさまにお前の選んだポケモンに対して相性のいいゼニガメ連れて方々で待ち伏せとかするよ。よろしく」

 よろしく。っと。そういえば僕の最初の仲間の紹介がまだでした。

「ウォッホン。ヒトカゲのベーザンヌじゃ。東方は竜国出身、官位は従五位上封印半島鎮守府将軍。泣く子も黙る「輝皇竜帝」ベーザンヌ。……だったのは昔の話で、今はただの「ひっかき」と「なきごえ」が武器のレベル五のトカゲにすぎん。諸行無常」

 まあまあ。なんか進化するとでかくて飛んで火を吐くトカゲになるそうですから、がんばってくださいよ。

「ま、ぼちぼちな。よろしく。」

 ウィッス。

 さて、マサラタウンを出て北へ。次の町で早速ポケモンボールを五つ買って機械男爵のようにポケモン狩りに精を出します。

 まずポッポを捕らえたのでフクロウは男爵しかあり得ないという信念の元「だんしゃく」と命名。立派な忍者になってくれ。

 次いでコラットが出たので捕らえて、「ねずみおとこ」が長すぎて入らなかったので「マッピー」と命名。警棒で猫の犯罪者を撲殺しつつトランポリンをブチ抜くような警官になって貰いたい。ナムコ。

 トキワシティだっけ? あのへんでウロウロしてうまのすけに負ける。非常に悔しい。ちゃんとポケモンを育てるまで前に進まない方がいいらしい。教訓を込めてリセットせず金半分でレベル上げに勤しむ。

 その中でニドラン(男)をGET。あの、ほら、どこでもいっしょのウサギの人、「うさー」とか言ってる人。あの人の名前を是非つけてあげたかったのだけれど、わかんなかったので「バニやま」にしといた。これで俺が永遠の世界に行ったあとも、遠山は泣かないですむよな! ウソ!

 あとオニスズメだっけ、あれをとっ捕まえた。戦闘機っぽいので「ゼロせん」と命名。「ひえん」の方がそれっぽかったかなあ。でも、零戦好きだしいいや。

 この五人でうまのすけに再度挑む。男爵で砂をかけてかけて相手の技の命中率を落としまくって、他のメンバーでじわりと殺した。イヒヒ。小学生じゃあるまいし、すいもあまいも噛み分けた二十代ゲーマー(嫌な分類)にはぬるい相手じゃて。

「一回全滅したのはなんじゃ?」

 アレはアレっす。ところで、ベーザンヌさん、ヤツの二番手はゼニガメですから気をつけてください。

「承知した。水は火に弱かろう。「ひのこ」で焼き払ってくれるわ」

 ……あ、あんま効いてない。

 で、相手の攻撃はメッチャ痛いわ。一発でベーザンヌさん寝てるし。

 ……水ポケモンには火ポケモンぶつけちゃダメなのか。結構、相性の差って大きいぞ。こりゃ。しょうがない。普通に数を頼みに撲殺しよう。良し、勝った。

 じゃ、今日はここでSAVE、と。値段分は面白そうで良かった。

 ところで早く従兄弟にケーブルを買わせてロコン貰ってこなくちゃ。

二十六日(水) リヴァイアス ブギーポップ

 今日のブギーポップを見て暗い気分になったということは、やっぱり俺はヤバいのだろうか。

 でも、ずるいよなあ……。うまく言えないけどああいう道具立てで使うのは。見てない人、意味不明ですいません。

 ストーカー的行為というか、断絶というか、一方的というか、自己中心的というか。

 でもそういうテーマって原作の方でもどっかで扱ってるんじゃないのかなあ。つーか、ブギーポップという装置の中ではソースでないの? それをこんな流行りのメディアミックスの中のアニメのしかもうちの一話で使ってしまっていいんだろうか。それは安易なのではないかなあ、とファンでもないのに思ってみたり。

 話としては良くても状況を総合的に鑑みてどうか。昨日のダイ・ガードもいい話だったけれど、じゃあ京都府近郊には電磁波を発生する施設は他にないのか。ダイ・ガードのドリルアームが回ったくらいで引き寄せられちゃうならちょっと大きめの発電施設とかあったらヤバいのではなかろうか。なんかその辺一言柴姫博士(間違い)あたりから説明があれば違うのに。

 画竜点睛、じゃなくて、なんかもう一個の言い方。なんとかの一なんとかを欠く、と。最近のアニメのシナリオはどっかヌルくないだろうか。

 こんなことを考えるのも歳を取ったからでしょうけど。細かくてスマン。年寄りはおとなしく隅っこへ引っ込んでポケモンでもやるとするかねえ。おやすみなさい。


 ……へ? 羅武火奈アニメ化!?

 い、痛ぇ〜〜。

二十七日(木) エクセル

 ……あ、銀がある。本屋に。

 ……どうしよ。(オロオロ)

 この数日ポケモンやってわかったことは、対戦で使うようなヤツは環境を整えてから、すなわち一度クリアしてからでないと育て始められない、ということだ。

 そりゃまあ、「クリアしたあとも遊べる」のがウリなんだからそれでいいんだろうけれど、逆に言うととにかく一回クリアするまでは本格的なポケモントレーナー活動は始められないということになってしまう。

 つーか、要するにゲーム開始当初の劣悪な環境から一緒に苦労して育ててきた初期の仲間のポケモン達では、データや相性に詳しくなってから英才教育で育て始めたポケモン達にはかなわないのですよ。このあたりがどうにも、ムカつく。いや、腹立たしい。

 ……えー? 攻略本見てやればって? そういう遊び方キライなんだけどなあ。

 でも、今回ばかりは考えてます。

二十八日(金)

 二つの意見を折衝しなければいけないと考えている人と二つの意見がすり合わせられるわけがないと考えている人とがどれほど長く議論したところで実のある結論が得られるはずがない。

 まずは議論に対するお互いのスタンスを明らかにしてからでなければ徒労を招くこととなるし、むしろそれを先にはっきりさせる方が失礼でないと思うのだが。

 どうも、直裁な物言いがその様式でだけで忌避される世の中というのはやりづらい。

二十九日(土) K ゾイド

 二千年センター試験出題されず問題:現代文。

『以下の状況を、読んだ人間が納得するように説明しなさい。(百字)』

問題「部屋に転がるポケモン「銀」と通信ケーブル」

 投了……。


 ゾイド見てます? アニメ。オモロイですよー。

 しかし、ジェノザウラーってなんだい。デスザウラーじゃないのかい。どうりで、かっこがちょっと違うと思ったよ。なんか、小さいし。レッドホーンと同じくらいしかないジャン。

 アレはアレでいいけれど、デスザウラーは出ないのかいな。それは残念だなあ。あと赤いイグアン。それは無理か。

三十日(日)

 NHKスペシャル〜世紀を越えて〜のオープニングを見て鳥肌が立つということは、まだ僕の感受性も打ち止めではないらしい。単にズレてるのとどこが違うのかは内緒ですが。

 あー、ダメ。今日は「おいおい、ストレスから来る過食症の人かよ君」と言われるくらい夕御飯食べたのでいつもにもまして切れ味ダウンです。いつもが鈍った鉈だとしたら今はもう銛。いや、切るもんじゃないし。

 今日は小学生の従兄弟とポケモン対戦やってコテンパンに負けました。三タテで。ブリザー一羽に全員殺害されてしまいましたよ。うーん。

 任天堂カップ公式ルールでやったんですがね。つーことは五十五レベルが最大なんで従兄弟の最強ポケモンは出てこないだろうと読んで、実際彼のお気に入りのカメックスとかはすでにレベル七十超なんで来なかったんですがね。

 それでも小学生はさすが、選手層が違います。伝説ポケモンのファイヤー、サンダー、ブリザーが「育てるのが面倒で」眠ってました。その中のしかも一羽に勝てず……。まあ、うちは全員三十レベル近辺なんで当たり前っちゃー当たり前なんですがね。対戦以前に選手を育てないと……。

 なんか、野村監督の気持ちがちょっとわかった気が。

三十一日(月) 歯医者

 フヘヘへへ。

「変な声で笑わなーい。……はい。じゃあいいようですから、もう塞ぐ方向で行きますね。うがいしていいですよ」

 どーも。フヘヘへ。

「……T屋(相変わらず母の旧姓)君、風邪でしょ」

 そうっス。笑うしかないような凄いのが来てます。

 風邪なんかここのところ縁がなかった分、たまに食らうと凄いショックさね(封神演義)。ああ。今月に中にあれやこれややりたいことが色々あったけれど今日はダメだ。今日ばかりは寝よう。

 ……ほんとはここだって来たくなかったけれど、歯医者って一度サボるとそのままズルズル行かなくなっちゃう前科が。


銀天盤 ○日記帳扉 ○前項 ○次項