銀天盤 ○日記帳扉 ○前項 ○次項


2000 「例年より葉月なわけですが(前編)」


一日(火) 

「健康のために運動をすれば熱射病とはこれいかに」


 暑い……。

 こんなん人間の活動する陽気とちゃうでー、とインチキ関西弁全開で辟易の毎日ですが。

 ところで今日の発見。アサヒの黒生は味薄い。マジで。なんか水っぽいかんじ。一杯目にはいいのかもしれないけれど、物足りなくなる……。

 やっぱ量を飲みたいときにはキリンラガーか。瓶が一番安い。除く発泡酒。あとドライ。ドライ撲滅期間。アサヒのスーパードライはビールじゃねえ。何らか飲料だ。独立しろ。アレは。

 ここんところビールの話バッカリですが。


二日(水)

「かき氷は安っぽい方がうまい気がする」


 今日はどこだかで花火があったそうで。ケッ。羨ましくねーよカップルなんざ。

 朝方暴風雨が来て雷がバンバン落ちて、この調子で一日じゅう天気が荒れやがれとあれほど念じたのに神の野郎、日和りやがった。所詮貴様もその程度か。

 家族サービスで焼き肉も食べに連れていかされたし。今日の僕の優しい心は売り切れでスー。ハイハイ見せ物じゃないよ。帰った帰った。

 明日は優しく過ごせますように。あるいはこの部屋のどこかに一匹だけ潜んでさっきから超音波を発しまくっているモスキートを始末する方法を誰か教えてくれ。


三日(木) 合い言葉は勇気

「ラブひなUFOキャッチャーに貢ぐこと1200円也(※取れず)」


 地域の盆踊りなんかは風情があって良いものだけれど、来ている年齢層を見てみるとやっぱり十代後半から二十代三十代がスッポリ抜け落ちている。

 地域社会を支えるべき一番フットワークの軽い層が地元イベントに興味を示さないというのは勿体ないことだよ。

 今日の合い言葉は勇気を留守録入れておいたらナイター延長で半分録り損ねた。夏はこれがあるんだった……。


四日(金) バイト 10:30ガッコ

「夏の風鈴は涼しげでよい」


 暑いからといって冷たいものを大量に摂取するとお腹をこわすので今日は一日中水を飲まないで暮らす練習をしてみたり。

 結果→脱水症状っぽい微熱が延々続く。食欲も不振。

 実験失敗。


五日(土) K 中村盆踊り ZOIDS

「夜の通り雨」


 地元(隣町だが)の盆踊り。祖母宅へ出向いて従姉弟達のお相手。元気のいい若者の相手はさすがに疲れる歳になってきた。

 今日の話題はデッサンを裏から透かしてみて狂いをチェックする方法と田中芳樹の歴史小説の面白さ。あと引きこもり概論とマウント・ポジションの優越性。

 子供の興味話題ってホントにどんどん飛ぶから……。


六日(日) 橋本七夕祭り最終日

「スパロボαクリア!」


 橋本七夕。

 浴衣のおねーさんが大勢だったが、何故あんなにも肩まくりしている人が多いのだ。あれでたすき掛けしたらまさに戦時の母だ。何考えてるんだか。

 せっかくの晴れの場なのでビールが飲みたくてウロウロ。生ビールがスーパードライばっかりなんだよー……。あっても一番絞り。なんだそりゃ。世の中にビール好きの販売者はいないのか……。

 結局エビス生ありますの表示にひかれて居酒屋へ。くわ。ぬかった。橋本なんて地元なのにこんな店があるなんて知らなかった。

 学生にはちょっと高かったけれど、『神亀』『菊姫』『〆張鶴』『八海山』『住吉』『浦霞』その他諸々。なんだこの日本酒ラインナップは。特に神亀。置いてるところはじめて見た。

 ぼんぼちがあったので頼んでみたら見事に強火で油を落としたヤツが塩で来た。素晴らしい。あても松前漬け風和え物。これまた逸品。

 いい気分で表に出たら「蛍の光」かなんかが流れてやがる。どこの世界に閉場放送を流す「祭り」があるのか……。単なるイベントなんだからもう、しゃーないっちゃしゃーないけどさー。七夕「祭り」を名乗ってるんだからちったー風情にも気を使えってーの。阿呆じゃなかろか。

 粋とか意気とか品位とか。そういうものを欠いたら年中行事なんか単なる惰性だよ……。トホホなことだよ。


七日(月) K

「サイゼリアはダベるのには丁度良い。めじろ台ガラガラ……」


 いやー、三万HITですよ。特に何も記念企画が動きませんが、まあコミケ前はこんなもんか。

 とかいって特にコミケに向けてなにかやってるわけでもないわけですが、何故か忙しい今日このごろ。休みってことはあらゆるイベントがイレギュラーなんだな。普段のようにルーチンワークでかわせない。意外とやっかいです。

 諸兄も夏バテなどいたしませぬよう。……ああ、ウナギ食ってないなーチクショー。


八日(火) バイト 朝から一日ガッコ まんが祭り原稿〆切

「がんばれ、がんばれ」――墜落前の日航機機長。部下二人へ


 自律。

 節度を守って生きることのなんと空しく難しいことか。

 他律。

 僕は一神教は大っきらいです。奴等皆キチガイだから。

 結論。

 日本はいい国だなあ。俺にとっては暮らしにくいけれど、キチガイの集団社会よりは百億倍もマシだ。

 そう思えば平気だ。またマクロな視点から立ち直りに成功してしまった。フッ。

 

九日(水) ラブひな

「阪神三連勝!」


 今日は変な天気だった。やたらと空がピカピカ光ってるし。はじめは証明の故障かとも思ったけれど、あれ全部かみなりか。

 雨も途切れ途切れに凄い勢いのが降ったり止んだり降ったり止んだり。

 そのたんびに洗濯物を出したりしまったり布団を出したりしまったり雨戸を開けたり閉めたり。面倒なんで最後の方は「今日は雨の日!」と決めて引きこもってしまったけれど。

 週末は天気が安定していることを祈ろう。皆の足に影響がでないといいけれど。


十日(木) 合い言葉は勇気

「オッケー!? オーライ!? 歯ぎしり!?」――復活のプリティヨーガ


 アフタヌーン季刊増刊。

 先に発売された第一号でも沙村広明のなんだか不条理系漫画を載せて俺の中の話題をさらったわけですが、今日買ってしまった第二号はさらにイロイロ。

 沙村さんが今度は青春ものに分類されるような漫画を描いてるわけですが、これどうも舞台が見覚えある範囲かも。八王子近辺京王線沿線に心当たりの方は読んでみるとニヤリとできるかもしれません。話の方は続き物なので評は控える。俺は好き。

 あとプリティヨーガ復活の、「虫師」とか「もっけ」とか。田丸浩史さんもいるよ。とにかく、漫画読みを自認する人には是非お勧め。

 あとはネー、こっちはみんな知らなくていいけれど、「The world is mine」が。

 須賀原さん……。発言に責任を持って逝ってしまったか……。

 有言実行を志そうと思ったら、普段言ってるなりに進退を考えないといけないよな。そうだよな。

 それが筋というものだろう。

 となると行動力と責任感がある人ほど早死にするんだろうか。そういうシステムなんだろうか。

 ご冥福をお祈りするより、人は死ねば唯のモノだとわかることの方が彼のためだろうか。黙祷。


十一日(金) まんが祭り一日目

「もう、遠い過去のようだ」


 コミックマーケット開催。

 といっても初日は行かないので。頼まれ原稿など書いたり。

 それを持っていって人に見せたり。

 嵐の前の静けさ。


十二日(土) K まんが祭り二日目 ZOIDS

「あんたっぷあっぷきーぷどろーん……」


 ――都内某所――

「……なんなんスかこの量は」

「いや、お盆前だから」

「気のせいでスかね。これを全部俺一人でやれと言われているような気がしますが」

「いや、お盆前だから」

「……俺、今日午後から予定あるって言ってあったのに」

「いや、お盆前だから」


 阿呆な計画性のバイトのおかげで会場到達は15:00……。

 「小説痛快」も「あんたっぷあっぷきーぷどろーん」もとっくに完売。というかサークル自体撤収済み。有明まで行って収穫はカタログのみ……。

 
 あんまり悔しかったので月島をウロウロ。実際には花火大会かなんかがあって電車がうんざりするほど混んでいたので乗るのが嫌になってブラブラしていたのだけれど。

 とりあえず有明から豊洲まで歩いて、その後ついでに月島まで歩く。その筋では有名な「岸田屋」という居酒屋を探して月島の商店街を小一時間うろつく。

「ビール飲みてぇー。生ビール但しドライ不可」

 この条件が意外と満たされない……。花火の日だからいろいろ売ってるんだけれど。

 そのへんの店先で売ってる天ぷらやコロッケ、焼き鳥等を横目にビール探す。つまみがあってもビールがないと……。もんじゃのお店は死ぬほどあるけれど、客が軒先まで並んでいるような店に限ってモダンな造りの新しめな「女子供に受けそうな」デザイン。洒落た料理ならともかく、新築の香りのしそうな店でもんじゃ焼いて食うかぁ……?

 まあそれも旨いんでしょう。(投げてません)

 さて、それはともかく交番で聞いて岸田屋発見。一見さん入りづれぇ……。おおーきなのれんの中に年季の入ったカウンター。まさに居酒屋。まさに夢心地空間。

 煮込みでビールを飲りましょう。居酒屋万歳。


十三日(日) まんが祭り三日目

「男のデ・ジ☆キャラット(死)」


 三日目は余所様で売り子。あ、コミケです。

 エクシールさんやCozyが訊ねてきてくれて嬉しかったが、エクシールさんはとりあえず生存確認といった感じ。あんま元気という感じではないらしい。だいじょぶだろか。

 結構忙しかったのでタイミングを逸してしまい自分の本を買いに出たのは15:00。っておい、昨日と同じやん。

 案の定結果も昨日と同じ。買えた本三冊だけでやんの。しかも本日も小説痛快は見送り。ふうらさんの本も完売済み……。

 買えた本が凄くインチキ臭くて大好きな部類の同人誌っぽい同人誌ばかりなのでこれは良しとしようか。質より量なのだ。(間違えてるし)

 帰りは何故かひとみ悟空と合流してカレー食べて帰った……。って、それって昔の金曜とかと同じじゃーん。しかもお盆で早じまいしてたお店にねじ込むし。

 はぁー。しかし久々の辛いカレーはうまかった。

 ハラダさんごちそうさまでした。(謎)


十四日(月) K

「自分にとって役に立つコップを持っているなら、何故他のコップを欲しがる必要がある?」――西班牙の老人


 ひとみ悟空ツアーズ。

 昨日から休みに突入していたひとみ悟空ですが、今日は俺とCozyをお供に陣馬山へ星を見にレッツゴー。そんな彼の思惑とは特に関係なく車の中で延々酒を飲んではつまみを食う俺。

 途中で運転手が変わってもずっと助手席にいたのでちょっと疲れたけれど。満留賀で蕎麦も食ったし、御銚子も一本つけたし。はぁー……。善哉善哉。

 しかし良かったのはここまで。夜中にチョイと野暮用で荷物背負ってランニングしつつ出かけた矢先。

 転ぶ。かつてないほど派手に。で、右足の足首をほとんど直角にひねったわけだな。

「やった!」 

と思ったもんね。ひねった瞬間。さすがに身体が反応してくれてすぐに右膝をがっくし折ってくれたので負荷がかかったのは一瞬だったようだけれど、立ち上がれずにのたうち回るには充分な痛さ。体重があるからなー……、

 走ってきた道を三倍以上の時間をかけて帰る。さぁて……。明日は一番に接骨院に行くとして、今晩はとりあえず冷やしておくか? 圧迫もした方がいいのか? どうなんだ?


十五日(火) 敗戦の日

「さあてね。今の生活に満足しているし、足りない物はなにもないな」――西班牙の老人


 気分も敗戦。

 起床するも立てず。成る程。昨日より悪化してるか。これはまずい方の怪我だ。

 で、接骨院。しげしげと眺めたあと「これで骨折してないんだから丈夫は丈夫なんだが……」とどうとっていいものやらな感想を漏らす医師一人。

 テーピングでガッチガチ。足首固定。でもギプスを使うほどではないらしい。

「じゃ、明後日来て下さい」

「明日じゃないんですか?」

「明日なんて無理無理。なんとか手を入れられる程度になるまでは自然治癒力でがんばんなさい」

「はあ……」

「しかし、ここまでひねって骨と靱帯がたぶん大丈夫ってのはなんだね」

 ……俺に聞かれても。


 そんなわけで今日は一日高校野球見ながらボーっとしてました。

 気ぃ抜いたりうっかり体重かけるとのたうち回れます。くるぶし近辺がどう見ても青緑色に変色して見えるほど鬱血しているのもヴィジュアル的に困りもの。

 この体調で八月後半戦突入カー……。


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