銀天盤 ○日記帳扉 ○前項 ○次項


2000 「文月生まれでサクサクで(前編)」


一日(土) K 大学教育史(最終) ZOIDS 

「技名に「うさぎに」と追加すると急に残虐キャラに(例:うさぎに昇竜拳)」


 帰って来たの何時だっけ? 良く覚えてねえ。

 寝たの何時だっけ? 良く覚えてねえ。

 朝何食べてどういう思考ルーチンで動いて学校まで(以下略)。


 えー、そんなわけで僕は今試験官さんです。言っていい? 今にも倒れソー。生徒諸君の健康のために頻繁に冷房を入れたり切ったりしているように見せかけてはいますが、実際にはなんか気晴らし作業でもないと立ってるだけでは気を失いそうです。

 それはいいんですけど(※良くはない)。さっきからずっと僕の頭の中で「ボルテスファイヴ」のBGMを流してる人、死んでください。気になって試験官に集中できません。

 気を抜くと静かに冷房の効いたこの試験ルームで「天空剣! ヴイの字斬りーっ!」とか叫んでしまいそうです。つーか小声で口ずさんでましたけどね。歌自体は。

 試験も半分終わってみんなもリスニングから筆記に移ります。僕もいつまでも同じ曲だと飽きるので頭の中BGMを変えさせました。DJを解任です。アメリカ政治的ダイナミズム政権交代。DJ政権ってやだな。スゲー巻き舌の所信表明演説。

 
 あ、なんか疲れてきた。急速にあらゆることがどーでもよくなりつつある。原因アレ。しかも教えねえ。(ヒント:公明党以外)

 ともかく新BGMは『あなたの横顔』。ToHeartあかりのテーマに歌がついたヤツ。ハイハイ! ギャルゲーからでスよ! 神世俺を殴れ本気で殴り返すが。


「浩之ちゃん! カマキリ怪人が!」

「ハンターハンターっていつまで休みなんだと思う?」

「……や、俺は知らないっす」


 などとウソToHeart小劇場を上映していると試験は終わっていました。事後作業中に女の人がいれてくれた(※important事項)麦茶で大回復。そして講義へ。

 そして寝てから出かけようと思っていたら、学内立ち話で睡眠時間消失。帰宅後すぐ出かけて大消耗。でも本買いにまた出る。

「戦え! アナウンサー」三巻

「余の名はズシオ!」二巻

「Niea_7」一巻

「鳴絵の世界」一巻

 どれ一つとしてなし。

 敗残気分いっぱいで帰宅するも。キンキンに冷やしたビールを陶磁カップで飲めば出力全開! でもなんだか凄く眠いよー……。(ヒント:昨日寝てねえ)

 じゃあまあ諸君、今月もよろしく。


二日(日) CCさくら(再)

「ラジオって現金攻勢露骨だよね……」


 えーと、日曜なにやったんだっけ。

 そだ。発表準備。プラスハウスキープ。布団干したり。干した瞬間空が曇ってきて気分が悪い悪い。案の定雨降ったし。凄いのが。

 
 雷鳴一声雨粒地面を打ち、アスファルトから煙る初夏の薫りは嫌いではないけれど。それにしたって仕舞い忘れた足拭きがビショビショってのはサイアクだ。なんとかしてくれ。

 えーと、そんなイヤな気分で暮らしていると柴三郎君から葉っぱTCGのお誘いがあったので鷹村家で遊んできました。せっちんやIHARONも来ていてまあ、いつもの感じでした。せっちん珍しいが。元気そうで何より。

 今日ははしゃぎすぎて珍しく鷹村さんに叱責を受けてしまいました。親しき仲にも礼儀あり、ですね。みなさんも気をつけましょう。

「……訊ねていっていきなり「カードキャプターさくら劇場版」を見出すから怒られたんでは」

 みなさんも気をつけましょう。


三日(月) 突発バイト二限 教育政策論 突発バイト五限 教育課程論 UP`S

「ビールの旨い季節はエンゲル係数が怖い……」


 ガッコでバイト。ガッコで講義。

 ガッコでバイト。ガッコで休講……。

 ……。

 最後が休講ってのがアレだな。

 今日は大学で新たに面白系の先生を発掘できたので大変有意義な日でありましたよ。教員採用試験の勉強とかしました。今年受けないっチューの。なんだかなー。

 

本日のK井君。

「お、髪切ったんだ」

「夏毛です」


 毛織物産業系動物か君は!


四日(火) TOEIC特講 突発バイト14:30から

「デートって、お金を払って疲れに来ることなんだね」――七瀬鳴恵


 「なかよし」で連載していた「カードキャプターさくら」が最終回を迎えました。

 腐れオタクの端くれとしてはCLAMPの作品を誉める、というのはアイデンティティーに関わるわけですが。……しかしやっぱいい顔してるんだよな。みんな。「最終回!」という盛り上がりはなかったけれど。

 パターンではあったけれど、一つの終わりとしては最良のものを持ってきたのではないかな。素直に、お疲れさまでしたと言おう。

 
 さて話は変わるが、gif問題についてちょろっと勉強してみたわけですよ。しかし、考えれば考えるほど良くわからない。

 何が問題なんだ?

壱、「gifのファイルを作るにはLZWとかいう方式が必要」

弐、「LZW方式はUNISYSだかが特許を取っている方式である」

参、「だからそのUNISYSだかにライセンス使用料を払わなければならない」


 ……ここまでだったらなんつーか、そのまんまだよね。

「誰かが特許を取ってる製品がある」

 それを使う→金を払う

 使わない→金は払わないでいい


 何が問題なんだ?


 ほいでまあ、わからないところは飛ばして俺がとりあえずどうするか考えてみたわけですよ。とりあえず金を取られるのはいやだなー、って。そしたら。

四、「ソフト制作会社がライセンス使用料を払っている場合エンドユーザーが金を払う必要はない」

 ってーことが日本ユニシスのページに明記してあるジャン。(特許の消尽理論)

 gifファイルって関係してくるのはペイントソフトかブラウザソフトくらいで、俺親父が買ったフォトショップ持ってるし。寝助は払ってるだろ? 確認取ってないけど。

 じゃあ、俺の環境では金を取られる心配はない、と一安心。

 安心したのでちょっと気分を落ち着けていろんなところを見て回って、その中で一番ストンと納得できたのはここ。ここを読んでみたら日本のサイトのほとんどがかなり感情的になっていておよそ客観的とはいえないロジックの展開をしているとわかった。

 当事者意識も持ちすぎると被害妄想だねぇ……。

 
 議論なんてシンプルにやるに越したことはないんだよ。福寺要素を置いて考えれば、一つの特許製品があって、それを金を払ってでも利用したいか、金を払うんだったら使わないか、そんだけのことじゃん。

 巷に広まる意見のうち、

「金は払いたくない、けれどgifは使いたい」

 という思惑が透けて見える意見が結構あって、まあ人間らしいと言えば言えるんだけれど、これはちょっと情けないわな。でもまあ、気持ちはわかる。

 ただ、なんかね、こういうのより遥かに質の悪い発言がそこここにあるのよ。

 系列としては「gif画像を使っている人は使用をやめましょう」というタイプのヤツ。たぶんどっかで見た情報を鵜呑みにしてるんじゃないかと思うんだけれど、自分で勉強しに行ってるのかな、こういう人達は。

 前述のように、金を払って使うぶんには問題がないわけだろう。どういうことを根拠に「使うのをやめよう」と言っているのかが良くわからない。根拠はなんなの?

 つーわけでgif攻撃派の人達の代表的意見を今の俺の立場から検証してみました。

「gifを使うのは違法である」

 いやだから、違法じゃないってば。gif攻撃サイトだけでなくいろんなところを見て、ちゃんと勉強してくださいってば。

「初めはフリーだったのに急に金を取り出すのが許せないから」

 気持ちはわかるが、正当な権利だしなあ……。

 「君が」使うのをやめるに充分な理由だとは思うけれど、「金を払って使っている他のみんな」のgif使用を攻撃する理由がわからないのだ。

「gifなんて古い形式で廃れていく物なのだから、無理に使う必要はない。むしろ将来性の高い○○○形式(名は伏す)を使うべきだ」

 無論、そう考えているならそうすればいいのだけれど……。

 やっぱり「金を払って使っている他のみんな」のgif使用を攻撃する理由がわからないのだ。

 本当にわかんないんだよ俺……。

 一つの見解として「金を払っている他のみんな」を攻撃する根拠になるような意見が、上の言をうたっていたサイトにあるにはあったんですが……。

「あなたが大手メーカーのソフトで合法的にgif使っているとしても、遥かに多くのライセンス契約していないソフトによってはgifが使えなくなってしまう。特にフリーソフトを作っている善良なプログラマ諸氏は高額のライセンス使用料を払うことはとうてい出来ないのだ。というわけで良質のフリーソフトがgifの延命によって出なくなるこの現状を改善するために、gif使用やめなさい(意訳。本意見のある場所書くと悪口っぽいので自分で探そう。有名なページです)」

 えーと、三点。

 つーかサー、「古い形式で廃れていく」ものに対応させなくてもいいジャン。別に。

 「高額のライセンス料を払えない」人達が作った「優秀なフリーソフト」が、なんで「今や時代遅れの」gifファイルに対応してない、という理由で普及しないわけ?

 ロジックがメチャメチャだよ。場当たり的に自分にとって都合の良い現状だけを切り出して提示しているような意見に、何故こんなに賛同者がつくのか謎だ……。


 南天盤で「gif批判してるのはどっかの回し者なんちゃう」って発言があったけれど、今なら納得だね。だって、とにかく意見に整合性がないジャン。

 言いたくないけどサー……。

 とにかくフリーソフト好きっていうか、著作権とか特許権とかに金を払うのが嫌いな日本人の悪いところをうまいこと刺激するような煽りに、もーほんとにまんまとのせられちゃってる善良な社会派民衆のみなさんがいかに多いかってことじゃない?

 「義を見てせざるは勇なきなり」とは言うけれど。

 まずそれが本当に「義」なのかどうか判断する「智」欠けているし。だって違法じゃないじゃん。

 そんで自分がどうするかはもちろん自分で決めるべきであって、その行動力は「勇」だけれど。

 「金払ってる」他人にまで強要するのはどうか……。しかも相手の感情に訴えるために「gifを使ってるヤツは頭が悪い」くらいのことを平気で言うジャン。そういうのは「勇あって仁薄し」だ。

 基本的に、gif攻撃をしている人達が善良な行動派だというのは間違いないのだよ。ただ、宗教然りでそういう「立派な方」ほどボランタリー精神を利用されてることに気がつきにくいし。

 しかも彼等は自分が「立派なことやっている」ことにプライド持ってるから。理論できちんと指摘されても強弁したり感情論を展開したりしてなかなか自分のミスを認めようとしないし。

 例えばそういう人達のページで、gif使用者を「無責任だ」と糾弾している文面を見たりすると本当に頭が痛い。酔ってるんだろーなー。自分の姿に。


「正しいことを行うときこそ、声を大きくするべきではない」


 こんなの常識だと思うんだがなー。「勇あって仁薄し」とは良く言ったもんだよ。やっぱ仁愛が筆頭に来るべきだよなー……。恥ずかしくないんだろうか彼等。

 やーなかーんじー。


五日(水) 突発バイト二限 コース演習 Niea_7 ラブひな

「雪印の件で料理万歳で謝罪があったりして」


 明日が〆切の作業が二つ重なっているのでちょっと大事の今晩です。

 なんか、あんまり気になんなかったけれど昨日の夕立は三十年に一度って規模の凄いヤツだったんだって? 都心では。俺のところはそうでもなかった気がするけれど。気がつかなかっただけだろか。

 今日はバイトの時、朝から昼までずーっとブースで作業している院生がいたんよ。時間超過とかそういうことはどーでもいーんだけど、あんなに根を詰めて良く仕事が出来るとちょっと尊敬。途中でネットで遊んだり気晴らしに御飯食べに出たりもしてないし。スゲエ。

 じゃあまあ、あの人ほどには無理だけど仕事でもしますかね。では。


 週刊ラブひなウォッチャー

○原作

 素子姉編終了か。よく考えると三週でまとめたなー、とも思える。

 なんだかんだで面白いよ。ラブひな。認めるのは業腹だが、ライトでサクッと読めて普通に面白いのって最近流行じゃないのかあんまり見ない。テーマとかしっかりしてるのばっか。

 その点ラブひなはとことん気楽で良い。

○アニメ

 EDテロップの「美槌」って素子姉のことか?

 それはともかくまあ、不条理にザクザク進む今回みたいな話は原作と近くて単純に楽しめる。阿呆っぽくて良い。

 話のテーマ? あーなんかあたったねーどーでもよい。


六日(木) 大学制度論(発表) 12:30帝某大学

「ビールのち日本酒、のちビール」


 今日は発表でした。12:50の講義で。

 でも12:30に帝某大学で大学の時の先生と約束をしていたので。

 不思議モービルで凄い飛ばしたんですけれど当然遅刻しました。一時間ほど遅刻しました。T村先生ごめんなさい……。

「一時間半の講義に一時間遅刻というのもすごいな」

「その上自分の発表の日にね!」

「しかも確信犯デス」

「……調整しろよ」

 外野うるさいうるさーい。

「秋田県で」

 君も関係ないからそれ。

 とにかく無事発表も終わったのです。

『無事!?』

 当日午前三時までICQで遊んでたことをさっ引けば充分快挙だ。

「もう殴ろうよ」

「むしろそうするか」

 おっと危険シグナルです。今日はここまで。


〜おまけ〜

「鳴恵の世界」一巻

 万人にはお勧めせず。面白い。

「余の名はズシオ!」二巻

 万人にお勧めせず。面白い。

「Niea_7」一巻

 万人にお勧め。面白い。


 格好良く紹介なんか出来るかケッ。


七日(金) バイト バイト 地域特論 バイト バイト 文化人類学

「むしろ首相にこそ素人を任命した方がうまくいったりして。宝塚出身の」


 台風直撃です。

 けれども今日はガッコでイヤなことがありましたので憂さ晴らしに町田へ出ましょう。ドキドキです。車だし。雨強いし。

 半分度胸試しなのでそんなに激烈に遊びたい気分でもなかったのですが、気がつけばいつものように鷹村家。

 気がつけばいつものように午前二時。

 ……。

 町田街道には薄く水の膜が張り、風に吹かれて巻き上がる飛沫は波の模様に地面を彩る。

 センターラインを、制限速度表示上を、行きては帰る白のカーブ。

 滅多に見られない光景ではあるけれど、眠くなるんだよなー。これが。

 無事に辿り着いて良かった。しかし、普通に生活してるだけでイレギュラーな事態の起こる、四季のある国というのはホントに楽しい。


八日(土) 大学教育史(休講) ZOIDS

「もちろんあります。「台風一家」だと思ってた時期」


 風邪ですわ。

 昨日台風にあたってびしょぬれになりながら鷹村家でヘラヘラと遊んでいたのが祟ったらしい。当たり前ですわな。

 幸いT崎先生が学会で九州でしたので講義も休講。今日は休養日になりました。

 さて、前期最後のレポートでもやりますか。では。


九日(日) CCさくら(再)

「年々歳々花相似、歳々年々人不同」


『鉄火を以て闘争を始める者に人間も非人間もあるものか

 彼等は来た! 殺し 打ち倒し朽ち果てさせるために

 殺されに 打ち倒されに 朽ち果たされるために

 それが全て! 全てだ!

 闘争の契約だ!

 彼等は自らの弱いカードに自らの全てをかけた!

 そういうことだ!

 殺さなければならない!

 それを違える事はできない

 誰にもできない唯一ツの理だ

 神も

 悪魔も

 私も

 おまえも』――Arcard

 
 死ぬ気がないなら喧嘩を売るな。或いは。

 喧嘩を売ったからには殺されても文句は言うな。

 それが嫌なら初めから戦わないことだ。戦わずに済む方法を考えることだ。

 戦を避ける知恵もなく戦いに勝つ実力もない輩を、私は容赦なく踏みつぶす。ズタズタに引き裂いて動きを止めるのを確認するまで手を止めはしない。

 二度と、二度と再び立ち上がれなくなるまでだ。

 そのことは良く覚えておいてください。どうか。どうか覚えておいてください。


十日(月) 教育政策論 教育課程論 UP`S

「業績悪いなら海外出店すんなよ……」


 完膚無きまでに月曜日でした。明日は講義がないので今日で実質上最終日。

 脳味噌が搾り取られるような内容だったよ……。

 しかも明日はレポート提出だというので図書館に行きましたら。

「延滞で二十二日まで貸し出し禁止です」

 ですと? なんとぉっ!

 ゴメン劉秋華。「本はもう読んでるからあとは書くだけ」って、あんなのウソウソ! 君が真面目にやってたから見栄張ってみただけだって! これからだよこれから! 即ちあと二十時間くらいで文化人類学イスラムレポートさ!

 そのうえ伏兵で武村先生の大学制度論のレポートもあったことに今日気づいたぜ! 〆切は同じく明日! そして図書館で本は借りられない=資料無し!

 資料無し!

 人類に逃げ場無し!

 
(画面の奥から泥まみれで遊んでいる今時あまりいないような元気な子供達が駆け寄ってくる。彼等はカメラギリギリまで寄って争うように前へ出ようとしながら声を張り上げる。曰く)

『いちにちしごと!』

 
「はいそんなわけでレポーターのお姉さんでスー。今日はみんなに一日仕事について教えてあげましょうネー」

「おねえさんおねえさん」

「なあーに? 番組マスコットの決して可愛くないむしろ気色悪いように見える何らかの動物の形を模したぬいぐるみ君?」

「一日仕事ってなぁーに?」

「やっつけでやる手抜き仕事のことよー。それじゃあ見てみましょうね」

「うん! 今日は多津丘〆葉のところに飛ぶんだね。……ワープだ!」

「しかし艦長、ワープに必要なエネルギーがまだ」

「かまわん!」

「了解!」

『ワープ開始!』


 みゅみゅみゅみゅみゅみゅーん……


「……ここは?」

「ここは町田街道沿いのBookoffの店内よ。あそこにいるのが多津丘〆葉。図書館閉館→他に資料になりそうな本があるところ→Bookoffで立ち読み という短絡思考でここに来たようね」

「あれあれ? でも、彼は何を読んでいるのかな?」

「案の定『拳児』を一巻から読み始めてしまったようね」

「しかもそのあと『刃牙』を探してウロウロだよ」

「あれはネー、大東流合気柔術のかっこいいところが見たくて渋川先生の活躍した巻を探してるのよー」

「あ! ジャック=ハンマーに負けた回を見て不愉快そうだ」

「そのまま帰っていったわねー……」

「おねえさん! あいつダメなんじゃないかな!」

「その可能性は高いけれど、とにかく自宅へ追跡しましょう」


「こいつ! やっぱり伊集院のラジオ聞いて笑ってやがる! そこの打棒を貸せ!」

「でも一応、ネットで情報検索してレポートのネタ探しはしてるみたいだよ」

「〆切まで十二時間切ってるんだから遅ぇんだよ今更!」

「……あ、ラジオが終わったら寝た」


『やっぱり人間、寝ないとダメだからね』――多津丘〆葉


「お姉さん! 閉め切った部屋で蚊取り線香を炊いたらダメだよ!」

「こんなヤツは死ねばいいんだ」

「おねえさん!」


十一日(火) TOEIC特講 文化人類学、大学制度論レポート〆切 前期講義終了!

「七月盆ってどんくらい珍しいわけ?」


 スゲー喉が痛い。蚊取り線香つけっぱで寝たせいか……。

 さて、ちゃんと六時に目も覚めたし、レポートでもやっちゃいますかネー。


(昨日と同じように純真な目をしたガキ共がブラウン管狭しと騒ぎまくりながら大声で大斉唱する)

『ひきうつし!』

 
「おねえさん引き写しってなーに?」

「引き写しってのはネー、余所の文献からの引用主体にレポートを完成させる外道の所行だよー」

「でも、ほとんどの論文って論拠は他の原典に依ってるんじゃないの?」

「原典をきちんと読み込んで咀嚼して解釈してから自分なりの言葉にまとめて書くことと、意味もわからないまま格好良さげなフレーズをひっぱってって散りばめてあとは有識者が解釈するとそれなりにまとまってる「ように見える」文章を書くこととは明らかに違うわよねー」

「良くわからないけれど、後者は(検閲削除)の作ったゲームみたいなもんだね!」

「その話題を掘り下げると殺されるから注意しようネー」

「あ! 〆葉が出かけるみたいだよ! つーかちゃんと終わってるしレポート!」

「こぉの外道ガー……」

「おねえさん目が! 目が怖い!」


 そんなわけでガッコに出かけ、見事にレポート二つ突っ返されて帰って参りましたよ。

 くそー。さすがにやっつけ仕事は見抜かれるかー……。明日再提出二本。久々の屈辱屈辱……。


「あっははははははは! ざまぁーみやがレこの阿呆が! それみたことかの大谷石! 悪は必ず滅びるんだよぉーっ! この! 紐に! 波紋を! 通すっ!!!!」

「おねえさん! おねえさんしっかり! 興奮しすぎて荒木化してる! 誰かクスリをっ!」

(駆け寄る白衣の集団。グッタリとして運ばれていくおねえさん。そして暗くなる画面)


十二日(水) Niea_7 ラブひな 文化人類学、大学制度論レポート真の〆切 新盆準備

「何故だろう。スパロボリンクが相互リンクに。世の中ってスゲエ」


 レポート通って一安心。大いに手直ししてほとんど完全に書き直したことは内緒だけれど。

 というわけで二日で実質四本はキツかったのです。今日は他には仕事手につかず。

 理由として思いつくこと。

 昨晩は「やってられっか」と空元気を出しつつ町田へ。図書館で資料を借りてレポートの準備をした後勢いでインラインスケート購入。

「やっぱ、将来的にカードキャプターを目指すからには今からインラインスケートには慣れておかないとさくらちゃんにはなれないと思うんだよね」

 と、のたまいIHARONにぶん殴られたり。

 その勢いで鷹村さんやざち部長、Cozyとも合流しつつ飲み会。地ビールを地ビールを地ビールをしこたま飲む。そして愚痴。

 そして帰宅。橋本から家まで勢いでスケート帰宅。

 荷物を全て手放してすっころぶ大転倒四回。

 普通の転倒十余回。

 けつまずくこと数えること能ず。

「防具買ってヨカッター」

 何故って防具つけてなかったら十回くらい膝の皿とか肘とか割り割りパニックな感じ。ヤバいよこのツール。基本的に止まるようにできてないし。

 家に帰り着いたときはまさにボロボロ。走れば十五分の道のりにかかった時間二時間。

 ……カードキャプターの道は遠い。つーかさくらちゃんて良く車に跳ねられてボンネットの上でバウンドした末にブロック塀にたたきつけれらてしばらく痙攣したあと動かなくなったりしなかったな……。スゲエ。設定に「運動が得意」とあるだけのことはある。

 えーと、だからまあ、そんな昨日の二日酔いと傷を引きずって、今日はすこぶる体調不良でしたトサ。

 しかも新盆だから準備がたくさんあって……。ちょっとイベント風で面白いけど。新盆。

 今、うちに来ると提灯とか見られます。回ってますよ。光が。


十三日(木) 進路面談 中間考査見学 バイト 新盆 合言葉は勇気

「のーみーかーいーしーたーいー」


 進路面談終ー了ー。

「君のやってることはね、研究対象選びであって、テーマ選定としてはこれはもう、完全に落第ですよ。ええ、何もやっていないのと同じですよ」ばーいT崎ー。

 くーやーしー。

 今日は先輩方の中間発表がありましたがね。中には「?」と思うものもあったり。

 中間発表ってのは来年に出す修論の研究をですね、どのくらい進んでいるかというそれこそ本当に中間状況を発表する場なわけですが。

 一応、院生クラスなら入場フリーにしていろんな人に聞いて貰えるわけですよ。それがいいことかどうかはシラン。全然専門じゃない(例えば俺のような)人間が聞いていたからといって有効な助言ができるわけじゃなし。単なる惰性のパフォーマンスとしての意味しかないとは思うけれど。

 にしたってなんでその場で主査が叩くかなー。

 主査ってのはえーと、要するにお師匠様よ。T崎先生なんか前日までは読書会とかでも相当叩いてたけれど、中間発表の現場では叩いたりしてないのにサー。

 それまであんまり助言をしないでおいて、ここぞとばかりに叩く先生もいるらしいねん。嫌ったらしーなー。そんなん日頃やっとけや。

 そういう師弟のやりとりを見せられる一般院生が暇かつ不愉快です。一刻も早く帰りてえ。

 そんな嫌な日。そりゃー ビール飲んで日本酒飲んでから発泡酒飲んで白ワインも飲むっつーの。さすがにチャンポンしすぎたか。ちょっと気持ち悪い。

 しかし「合言葉は勇気」が面白かったので許す。三谷幸喜万歳。


十四日(金) 中間発表見学 バイト バイト バイト 講義なくなったからホントにバイトだけだな

「俺もとうとうネコミミか……(謎)」


 チュータがいないんですよ。

 だから受付の人間が二役こなすわけですな。

 けれども受付にいないとやっぱり怒られるんですわな。

 だからといって「ちょっと来てください」と言う人に「それは俺の仕事じゃねえ」とにべもない態度をとれるほど強くないわけですな。

 ストレス全開ですわ。

 そんな気分で町田へ。皆でGUSったりしてやや持ち直す。

 
 今日の一言ー。

「休みだからチュータがいないのはしょうがないから五階まで職員を呼びに来てって呼びに行ってる間いないからって怒るならどーせいっちゅーんじゃーっ!!!」


十五日(土) ZOIDS

「……ガトーじゃん(ZOIDSより)」


 昨日は嫌なことがあったので今日はいい日にしようと頑張りました。

 具体的にどう頑張ったかは秘密ですが、ヒント:地ビール。

 あと、夜方町田に出てMTG大会に出場していたみなさんと合流。SAKONにkanonTCGのカードを大量に入手してきて貰って喜ぶ。

 しかし気分晴れず。IHARONを捕獲して二時間ほどローソン前のベンチで愚痴愚痴と人生の話などする。答出ず。

 明日はTRPGだ。


銀天盤 ○日記帳扉 ○前項 ○次項