サウンドレスノベルツクール

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作:怪盗エクシール (EXEELE THE MASTER THIEF)

銀天盤   ○表紙


弐:(Kがオレに対して「あの・・・・」などと言うはずはない、まさか!?)

 オレの中で都合のいいストーリーが99パーセントに急上昇していた。

「お、お呼び立てしてすみません…」

「け、Kじゃないっ!!」

しかも、お…お、お、女の子じゃないか、何で女の子がオレなんかをっっっ!!

「あ…私がその…お手紙を差し上げた、Kですっ」

しかも結構可愛い。Kが来ていたらどうしてやろうかと思ってたところ、これは嬉しい誤算。

「ふぅ、Kでなくて…良かった……あ、こっちのセリフね…」

「あの、私が、そのですけど…」

「け…Kって、それはオレの悪友の名で…」

「で、ですからっ…、その悪友のですっ! だから私もKなんですっっっ!!!」

「な、なんと! イ・モ・ウ・ト!!!!????」

オレの頭の中で最後にちらっと描かれた残り1%の「都合の悪いストーリー」とは、このことだったのか…

うむ、なるほど。Kの妹なら、Kと名乗るのは当然だ。っていうかKと同じ名字の人間だってこの学校いっぱいいるのに、なんであの「サンダルを寄越しやがったK」しか頭になかったのだろう?

もしかしたら、頭では否定していても、心のどこかで「兄の方のK」を…

…どよ〜ん… …もわわ〜ん…

…うげっ…夕飯食う気が…一気に失せた… と、いかんいかん、変な妄想にひたるより、まずは目の前の現実を見据えよう。

「ところで妹さん、こんな人気のないところに呼び出して、一体なんの用なんだい?」

たずねるのも野暮ってものかもしれないか…。いや、落ち着こう。「恋愛育成ゲーム」などにうつつを抜かしていると、ついつい先の展開を「はにゃ〜ん」な方向に持っていってしまうからな…いかんいかん、まずは話を聞こう

「実は…ずっとお渡したかったものがあります…」

ほれ見ろ、「愛の告白」じゃなかったではないか! 現実の女性相手じゃ、ああはいかないっ…

…って、プレゼント??? これはこれで…

「今までお渡しできなかったもの、今やっと…」

と、言うなりピンクのリボンの付いた箱をオレに差し出した。やたらにぴっちりとした包装が、なんかこう、あったかくて、女の子らしさを感じさせるな。うぅぅ、生きてて…良かったよ…。

「私の気持ち…う、受け取ってくだ…」

「み、皆まで言うなって…どれどれ…」ガサゴソ…

(女の子にあんまりこういったこと、言わせるもんじゃないからな、照れちまうし)

…とはいったもののKの妹とはいえ、女の子からプレゼントなんて貰ったことのなかったオレは、人前というのも忘れてリボンをひっちゃかめっちゃかにほどき出した…。

ガサガサゴソゴソ…

…パカッ!!

なんだかほどく過程で、かえってリボンをこんがらがせていたような気もするが、とにかくその箱は開かれた。

「喜んで…いただけると…いいのですけど…」

「こ、これは!!!」

壱.「ちょ、チョコレートじゃないか!」

 これって…これって……アレだよな…!

弐.「Kがくれたサンダルじゃないか! 底にツブツブの付いた…」

 これでサンダルが一足そろったワケか…。あの兄にして、この妹アリだな…………。

参.「み…見てはならないものをっ!!」

 プレゼントの中身に、さすがのオレも絶句した…。