サウンドレスノベルツクール

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作:柴三郎 (POKEMON MASTER!)

銀天盤   ○表紙


「Kがくれたサンダルじゃないか! 底にツブツブの付いた…」

 これでサンダルが一足そろったワケか…。あの兄にして、この妹アリだな…………。 

「やっと、やっとお渡しできた・・・」

 Kの妹は涙ぐんでいる。そこで彼女の表情に気がついた。頬はこけ、目は落ち窪み、髪は乱れていた。おまけに制服はいたるところが切り裂かれており、そこから覗く肌からは血が流れている。

「おわ!? 今更だけどどうしたんだ!? 一体何があったんだ!」

 彼女は微笑むとその場に崩れ落ちた。僕は駆け寄り、彼女の身体を抱き起こす。

 血が、止血をしなくちゃ! そう思ったが、血は体のいたるところから流れており、どうしようもなかった。

「ちょ、ちょっと待ってろ、今救急車を、」

 僕がそう言い、立ち上がろうとしたとき、彼女の手が僕の手の上に重ねられた。

「聞いて...サンダルが揃った今...」

 血が、血が止まらない、ドクドク、とドクドクと・・・

「...貴方は史上最強の戦士となったの...」

「その力を...奴らを倒すために...そして、兄さんを...」

 彼女の目が閉じていく。ドクドク、ドクドク流れ出す・・・

「あなたに...サンダルを渡せて...よかった...」

 彼女の身体から力が抜けていく。

「どうした、おい、しっかりしろ!」

「......兄さん......」

「おい!おい!」

 身体を揺する。呼びかける。反応がない。俺の腕の中で彼女は眠った。長い、長い、次の命までの眠り。

 僕は手を見る。赤い。赤い。温かい。彼女の体温。命の炎。暗い。冷たい。出口のない闇。僕にサンダルを届けるために散った、美しきスパーク。

 サンダル・・・最強の戦士・・・奴ら・・・兄さん・・・

 僕の頭の中は彼女の残した言葉で満たされていた。その意味も把握できないまま。

 と、その時!

壱.「見つけたぞ、女!」

 僕の背後から声がした。

弐.「こんなこともあろうかと、」

 僕は内ポケットからムギチョコを取り出した。

参.『ファンファンファン...』

 超ヤベーッ、マッポだ!!