81'BMW R80G/S PARIS-DAKAR


左はこのバイクの顔であるタンクマーク、右は北海道ツーリングで出会った三笠の三井鉄道跡。鉄路の両側はありません。機関車ごとあるのがすごい


平成2年とうとう外車に手を出してしまいました。BMWR80G/S。800CC、50馬力。乾燥重量180KG。これを買う前年、33歳にして大型免許を取得し、なにを買おうか迷っていました。第一目標だったGSXR1100を弟に買われてしまい、人生の目標を見失った気分でした。で、なにを血迷ったか、スズキのVS1400、イントルーダーを買ってしまいましたとさ。しかし期待していたぶっといトルクはどこにもなく、ほんとにつまらないバイクでした。(あくまでもわたしにとって・・・です)。そこにこれをつきつけられたのです。68万円でBMWオーナーになれますというさそいに負けて買ったのはいいけど最初の1年は故障との戦いでした。
  1. ある日リアホイールを掃除しようとしたら、左右に1センチほど動くじゃありませんか。このバイクから採用された、片持ちスイングアームにホイールを固定する部分にシムが入っていませんでした。
  2. 走っている途中で1気筒しんでしまった。点火コイルから出ているコードの劣化が原因。ただ、コイルからプラグコードまで一体になっていたため、丸ごと交換する羽目に。部品を待ちきれず、店にあった新車から部品をもらい生き返りました。
  3. バッテリーが半年でだめになった。1個24000円もすんだよ。バッテリーホルダーを作り直してCB750F用のバッテリーをつみ解決。ホームセンターにいけば7000円ぐらいだもの。
  4. みつまた(フロントフォークを固定している部分)のトップブリッジがなんとモンキーと同じような3.2mmの鉄板1枚。荷重のほとんどをアンダーブリッジで受けている関係でフルブレーキをかけるとフロントフォークが動いてしまう。これはレーザー加工で5MMのステンレス板から穴を小さくしたトップブリッジを作成して解決しました。
  5. ヒューズが外にむき出しでついていて、たまに接触不良をおこし電装が何回か死んだことがある。
  6. 故障じゃないんだけど、部品が入るまで半年待ちなんてことはざら。BMWジャパンの方針で、正規代理店で買ったものにしか、部品を出さないらしい。近くにSモータースという有名な店があるが、自分の店で買ったバイク以外は車検すら受け付けてくれない。これではよそに引っ越しをしたら故障する度に買った店まで運ばなきゃならなくなるわけだ。BMWジャパンのばかやろー。2度とBMWなんか買わない。(とかいいながら、今のは2台目だったりするんだな。これが。バイクに罪はない。)中古のBMWを買おうという方、店を選びましょうね。私は今度BMWを買うときはSモータースだけは遠慮します。
  7. サイドスタンドが乗ったまんま出しにくいため、降りてから出すんだけど、リアシートに荷物があると降りることができない。このスタンド、Fバンパーについている関係でむちゃくちゃ前にあるうえ、自動で戻るんですよ。乗った状態だとアクロバットのようにつま先でスタンドを引っかけ、つま先を前に伸ばして同時にかかとでバイクの重量を支えながら、スタンドが設置するまでオートバイを傾け、Rシートの荷物と盛り上がったタンクの間から右足を引っこ抜くという、ぶざまな行為をみなさんに披露するはめになります。よって、かっこよく降りたい人、足の短い人、あきらめてください。股下80センチは必要です。ちなみにこのスタンドの自動リターンを溶接で殺すこともできますが、私は高速道路でスタンドを出したままバンクさせ、追い越し車線まではじき飛ばされ死にそうな目に遭いました。それも2回も。この機能は絶対必要です。(私のようなうっかりものには)。


ツーリングの思い出


上の写真は生まれて初めて北海道へ上陸しようと、東北を縦断している途中、谷川岳の登山口の土合駅です。何せ初めての全キャンプだったため持っていく荷物を絞りきれずこんな大荷物になってしまいました。この荷物のおかげで、あんなことが起きるとは思いもしませんでした。まずは、会津若松へ降りる下り坂でブレーキオイルが沸騰しノーブレーキに。この年、東北地方は記録的な猛暑で、とまっているだけでエンジンがさわれなくなるほど。そのためか、両足のすねの皮がめくれてきました。低温やけどです。BMWはすねの前に熱源があるもんだから、ブーツが絶対必要です。でもこれぐらいではすみませんでした。出発して三日後、会津若松の近く。夏休み真っ最中のため、どこのキャンプ場もいっぱい。
で、通り掛かりの八百屋さんに町営のキャンプ場を教えてもらいました。
何と私を入れて3組だけ。
夜8時、いつものように寝ようとすると隣のテントからお声がかかり、いっしょにオートバイの話で盛り上がり、すがすがしい夜明けを迎えると、リアタイヤがぺしゃんこ。
2時間かけてパンク修理をすまし山形市まであと少しというところで、バンという音とともに、タイヤがリムからはずれてしまったのです。
荷重に修理箇所が耐えきれずバーストしてしまったのでした。気が動転し近くのお店に入って運送屋を頼もうとしたら、おばさんのぎょっとした顔。
「あんただいじょうぶかい。ちょっと休んだほうがいいよ。」
トイレへいって、自分でもびっくり。顔中、オイルで真っ黒じゃありませんか。
お言葉に従い気を落ち着け、フェーン現象で気温40度の中、近くの公衆電話からバイク屋に電話をかけまくり、やっと見つけた4.00−18のチューブ。900円でした。でもそれを手に入れるために使ったタクシー代12000円。1日がかり。
このことで気力が失せ、ツーリングを中止しました。なさけなかったなー。
4日目にして終わったツーリングでしたが、帰りに不思議なことが起こりました。山形から、日光、軽井沢と抜け、ノンストップで帰る途中、軽井沢の下、佐久市のとある交差点で事故があり、路肩にとまっていると後ろからホーンを鳴らすアフリカツイン。
何と、北海道へいっていた弟がいるじゃありませんか。私と同じコースを、30分遅れぐらいでずっと走っていたようです。さすが兄弟。ルートがいっしょだとは。


BMWR80G/S パリダカール 50馬力 180KG 燃費15から20KM/L 86年式(発売は81年らしい)
下広がりの26リッタータンクにガストンライエ(パリダカ優勝者、私の世代だとスズキのMXライダーだったといった方がわかるかな)のサイン入り。私はタンクバックでそのサインを摩耗させてしまった、うつけものです。
排気量の割に非常に軽量なため、乗りやすいバイクでした。故障も最初こそ大変でしたが、半年後以降は全く故障しなくなりました。インプレッションですが、最初、結構高回転型のエンジンなのに驚きました。アイドリングから7000回転まで一直線にふけあがります。操縦性は変の一言。やじろべーのように、ふらふらしているのに直進性はあるというか。バンク中シフトダウンすると車体が跳ね上がるとか。ホンダのGL400の重心を低くしたような(といってもわからないか)操縦性です。
唯一の欠点はハンドルが低く、遠く、幅広いこと。軽い前傾になります。私は、トップブリッジを自作し、ハンドルを20mmほど、高く、近くしました。ただそのせいか、お尻が痛くなりました。ノーマルだと、お尻に荷重がかからないのです。改造して、初めて、BMWの設計に感心しました。


これからRシリーズを買う人にひとことふたこと。プッシュロッドのパイプと、クランクケースの継ぎ目からオイル漏れしててもあまり気にしないこと。必ずといっていいくらいオイルがにじみますが走行にあまり支障はありません。(もちろんときどきふき取る必要はあるけど)車載工具だけでシリンダーまではずせますから、気になったら一度分解して液状ガスケットを塗ればとまります。この車載工具、ついてなかったら必ずつけてもらうこと。最高の品質と種類を誇ります。この工具みたら二度と国産車の車載工具を工具として認められなくなります。パンク修理の道具まではいってるもんなー。全部で30点くらいあります。買ったら10万円ぐらいか。
それから、R100よりR80がおすすめです。燃費が極端に違います。10馬力の差は0−100KM/H加速の差約2秒だけで、走ってる分にはR80の方が疲れません。なのに燃費は13KM。くそー、R100GSに乗り換えるんじゃなかったー。

今までの購入部品と価格



BMWのGS系中心のホームページがあります。いちどたずねてみてください。
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