BMWR100GS PARIS-DAKAR


95年の秋それまで乗っていたR80からR100GSに乗り換えました。
愛知県岡崎市にあるヤマハオートセンター(今はレッドバロンの本店)に遊びにいったとき、たまたまあったんです。しかも60万円という破格値で。走行距離17000キロ(BMWにとっては新車同然という距離です)。しかもクラウザーのサイドボックス付き。こいつは発売されたときからのあこがれだったんで、一も二もなく飛びつきました。小林社長自らのキック始動で目覚めたエンジンは(このとき一発でかかったんだけどあれは神業だったんだと後々思い知らされました。BMWのキックはむずかしいのなんのって。)多少ばらついていたけどR80とのつきあいで路上でキャブ調整くらい簡単にこなせるようになっていたため、その場で調整。多少のオイル漏れ以外は何の問題も無し。何でこんなに安かったのか今もってなぞです。で、問題は手持ちのR80パリダカール。走行28000KM、オイル漏れ多し、タペット音が激しく要オーバーホール。一番の問題はBMWを2台おけるスペースがないこと。持ってる人はわかると思いますがガレージの中でほかのバイクに寄せることができないため、1台あたりの占有スペースが並じゃないんです。シリンダーの幅が900MMもあるんだもんね
。こんなの2台もおけないため泣く泣く手放しました。借りていたガレージがいっぱいだったし。(このことを後々後悔することになる)
私が乗っていたG/Sパリダカール、今誰が持っているんだろう。(誰かサイドスタンドのオートリターンを解除してある、黄色いシリコンプラグコード、国産バッテリー用に改造したバッテリーキャリアのついたパリダカ手に入れた方いましたら連絡ください。自作のFカウル差し上げます。)
R80から乗り換えて感じたことを書き並べましょう。
- シートが低い。R80パリダカはざぶとんのようなシングルシートだったため足つきが悪かった。R100は私の身長(178)だとひざが曲がった状態でかかとがつく。Rタイヤが17インチになったのと、シートの形状、タンクの形状がいいためだろう。ただしシートはR80の方がよかった。1000KM走っても尻が痛くなるようなこと、なかったもんなあ。こいつだと600KMが限度か。
- のりやすい!R80のように、加速すると車体が持ち上がり、減速すると車体が沈むというくせがまったくない。第一印象は、これじゃあ、ふつうのバイクじゃねーか、だった。おそらくリアのパラレバースイングアームの効果だろう。ただ、やっぱり、加速するとき尻が持ち上がってほしいと思うのはなぜだろう。あれはあれでよかったような。
- 車体全体の剛性がかなり高くなっている。おかげで路面の状態に左右されず安心してとばせる。シリンダーを接地させることもしばしば。(といってもバンク角は十分です。路肩のブロックもシリンダーのはるか下をくぐります。すりぬけで気を使うのは路肩よりも右側の車のバンパーにシリンダーをぶつけないことです。ハンドル幅よりつきだしてますから。)
- 熱い。R80も十分足を焼いてくれたけど、こいつの熱さはそれどこじゃない。一度Gパンと登山靴で長距離走ったら、両足のすねやけどしてしまい、皮がめくれてしまった。それ以来、モトクロスブーツは欠かせない。こいつは断じて真夏に乗るバイクじゃあない。逆に冬はあったくていいけど。
- 重い。車検証に記載されている実重量(燃料、オイル込み)はR80が180KGちょうど。R100はなんと245KG。その差人間一人分。この差を実感したのは北海道のロングダート。R80は80km/hで走っても平気だったのに、R100はこわくて40km/hですら走れなかったところがあった。荷物の量はほぼ同じだったのに。そりゃそうだ。二人乗りしてるのと同じだもんな。
- 燃費が悪い。ほかの悪いところは乗り込むにつれて気にならなくなったけど、こいつだけは許せねー。R80は13から20KM/Lだったのに、こいつはコンスタントに13KM/L。どんなにゆっくりていねいに走ってもこれ以上行かない。26リッターしか入らないR80パリダカの航続距離が500KM。なのに34リッターも入るこいつは、350KMでガス欠になってしまう。排気量がたった200CCしか違わないのに、やっぱり重いせいか。
- 北海道行って思い知らされた、クラウザーのバックのありがたさ。実はR80にもキャリアはついていたがバックが手に入らなかったのだ。GS用のサイドボックスは特殊なもので、左にアップマフラーがあるため、右と左の形状が全く違う。車体につけたとき左右対称になるようにできている。もちろん新品を頼めば入荷するのだが、10万円近いのでおいそれとは手がでなかった。 R100には最初からついていた。そうです、わたしはクラウザーのバックに60万円払ったのでした。
- 前後のホイールは芸術品だ。R80にはスペインのアクロン(だったとおもう)の専用リム(とにかく分厚い)が使われていたが、ごく普通のスポークホイールだった。しかし、R100はチューブレスだ。スポークがタイヤより外を通っている。非常に説明しにくいがとにかくスポークが普通のように「ばってん」になっていない。まるで神戸タワーのような美しい組み方になっている。R100GSをみかけたら、そこんとこじっくりみるように。
- 相変わらずワイヤー類はしょぼい。いや、ワイヤーそのものじゃなくて、アウターの方だ。特にアクセルワイヤーのアウターはスプリングのように伸び縮みするうえにキャブの受けの部分に引っかかるため、左右のキャブを同調させても、アクセルを戻すたんびに引っかかり、正確に同調させることができにくい。キャブが調子悪いと思っている人、実はワイヤーの不良が原因かもしれません。新品に換えてみてください。アイドリング時にタンク下のワイヤーを揺さぶってみてください。回転がばらつくようだったらワイヤーが犯人です。同調方法はメールでお教えしましょう。バキュームゲージはいりません。
- ライトが暗い。レンズカットが悪いのかな。しかもライトをつけるためにキーをひねる必要がある。ライトスイッチと呼べるものはない。いつの時代のバイクなんだ。トンネルはいるたんびに、メインキーをひねらなくちゃいけねいなんて。
- ま、キット組み付けのモデル(パリダカールという車種はないらしい。R100GSにパリダカールキットを組み付けるという形になっている。)だからしょうがないけど、メーター周りのプラスチックがすげー安っぽい。新車で145万もしたとは思えない。
- えぐいデザイン。まるで士郎正宗のまんがにでてくるような機能最優先のスタイルがいい。5リッターの収納スペースを持つ34リッターの(ということは40リッターあると言うことか)樹脂タンク、それをぐるっと囲う真っ赤なガードパイプ、バイク版ちょろQである。特にフレームじゃなく、ガードパイプにマウントされたカウリングは絶品。右側のマスターシリンダーを逃げるためのえぐりなんか国産車じゃやらない造形だ。グリップヒーターと併せて冬のツーリングを楽しくさせる。(もし私が10歳若ければ、である。今じゃ春と秋しか乗ってないもんなー。なさけないっちゃ。(いけね。うる星フリークだったということがばれてしまう。)
- ブレーキがき・きかねー。単純に車重が重いせいなのか、R80では全く不満のなかったRブレーキが全く利かない。特に北海道行きの時は荷物を満載したので命がけのブレーキングを強いられた。Fブレーキに頼らざるを得ないため、R80からステンメッシュのブレーキホースを移植してかろうじて走行できるようになった。どうやらRブレーキケーブルの剛性不足のようだ。(R80はロッド式だった。)
- キック始動が超むずかしい。(すいませんはやり言葉を使ってみたかったもんで。)R80は以外と簡単にかかったのだが、こいつはかかる気配がつかめない。もともと横方向に踏むため、ちからが入れにくいのとストロークがほとんどないため、非常にやりづらい。またバッテリー点火なので、セルが回らないぐらいになると当然火花が飛びにくくなる。よって私はブースターケーブルを持ち歩いてます。車のバッテリーから電気をもらうとほんとにあっけなくかかる。始動性自体にまったく癖がない。チョークを引いてセルさえ回ればOK。
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左上は芸術的なスポーク組。チューブレスとするため、スポークはリムの外に頭を出す。片持ちのためタイヤは車と同じようにはずす。ものの1分ではずれる。このときありがたいのがバランシングセンタースタンド。後輪をはずすと後輪側が浮き、前輪をはずすと前輪側が浮き上がる。支える必要がない。国産車で採用してるのはSR400/500ぐらいか。
- あとの3点は車載工具。20点以上ある。しかもすべてクロームバナジューム製(ドイツのHEICO製)。さらに全点BMWのロゴ入り。タイヤレバーすら標準だ。R80GSはチューブタイヤだったので、ゴム糊やパッチも入っていた。R100GSはCO2ボンベを使ったチューブレス用がついている。この工具を見たら他社のバイクが安っぽく見えてしまう。黒いケースが工具入れ。シート下に収まっている。
自作工具


左は樹脂の固まりに穴をあけ負圧計をねじこんだキャブの同調計です。会社の余り物で制作。基本的にDUCATI用として作ったのですが、BMWにはアダプター無しでつかえました。ホースの途中にあるのは金魚用のステンレスバルブ。1個200円ぐらいのものですが、精度はばつぐん。これで針の暴れを制御します。ただ最後は耳で調整した方が安定するのはなぜでしょう。右はハイテンション鋼からレーザー加工機を使って切り出したEXパイプのウィングナット回しです。厚さ6mm。もともとこれもDUCATIのために作ったものをサイズを変更して作り直したものです。
BMWR100GS
60馬力 乾燥重量240KG タンク容量34リッター R80パリダカを25万円で下取りに出し60万円で購入
99年4月 名古屋の人に熱望されて売却。
今、またR80G/Sを探している。R80売るんじゃなかった。
今現在GSは完全な玉不足で中古が見つからない。R100を譲った相手の人も2年探し続けていたといっていた。
モーターサイクリルトにも紹介されたBMWのGS系中心のクラブのホームページがありますのでこちらもどうぞ。
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