1998年1月下旬


<1月21日・水>
◇ なんだか仕事の進行状況がスッキリしないので、イライラしてちょっとキレそうになる。忙しいくせに、11月ぐらいからいままでやった仕事のリストとかをつくってみたりして、どれだけ働いているかをつい確認してしまったりする。不毛すぎるぜ。しかし、要領が悪いのだろうか……


<1月23日・金>
◇ 今週は比較的余裕のある週であった。まあ、来週が忙しくなるから一緒ではあるんだけれどね。<1月22日・木>
◇水道橋で、学生時代・前の会社時代に死ぬほど食べていた「COCO 一番屋」に入る。特に美味くないんだけれど、味になじみすぎてしまったせいもあって、時々凄く食べたくなるのだが、あまり近所にないので半年以上ご無沙汰していた。久しぶりに食べてみて、感想は、うーん、やっぱりふつうの「COCO」でした。ちなみに私が一時期よく食べていたメニューは、サラダ、ビール、ほうれん草+納豆+クリームコロッケ(あるいはカキ)のライス200グラム、である。

○ 夜は久しぶりにいっぱいやって帰宅。


<1月24日・土>
◇ 仕事のことなぞをすっかり忘れて串焼きなぞ。新宿歌舞伎町の天下一品でラーメンも。


<1月25日・日>
◇ 昼過ぎにソバを食べて、山手線・ゆりかもめと乗り継ぐ。目指すはワンダーフェスティバル会場東京ビッグサイトである。なにしろ、こういった催しに参加するのは初めてなので、とりあえず、生でコスプレの人などを見て、「おお、これがウワサのコスプレであるのう」などと感心しておく。基本的に僕は、不器用なのでプラモデル関係は小学校以来ごぶさたなのだが、今回は村上隆(アーティスト)×あさのまさひこ(ライター)×白井武士(海洋堂)のトークイベントがあるということで足を運んだ次第。

 イベントが始まる前にHIROPON FACTORYのブースを覗くと、ココちゃんが2体とヒロポンちゃん、それに期待?の新作「MY LONE SOME COWBOY」並んでいた。「MY LONE……」は、塗装前の段階だったけれど、よかった。個人的にはHIROPONちゃんより買いたい作品である。ちなみに、この作品は少年の○○から、○ーメンが飛び出して、投げ縄状になっているという、HIROPONちゃんの男性版ともいうべき作品。とはいうものの、肝心の股間は花束の中、なんでも以前ビッグサイトで性器をかたどったバルーンが問題になったことから、余分なトラブルを避けるための方策とか。とりあえず、DOB君のTシャツを購入してステージ前へ移動。ちらりと横を見ると、ヒゲ長髪キャップで佐伯某の写真集にも登場していた(確認済み)自称胡乱な方がいたり。まあこちらも正体不明な人間ではあるのだが。そういえばコミッカーズの編集長氏も姿を見せていたなあ。どうやら取材らしいけれど。

 トークイベントでは「PROJECT KOKO」のこれまでの道のりを振り返ったほか、「ボーメ in N.Y.」そしてモデルグラフィックス誌上で行われた原形師のベストテンランキングが話題に上った。個人的に印象深かったのは、あさの氏がHIROPONちゃんが、オタクのセクシャリティを醜いまでに写し取った鏡であると評した点。この考えを敷衍していくと、「MY LONE……」はショタ的なセクシャリティを写し取っているという解釈もまた可能であろう。マッチョでない身体(子ども)でありながら、何者かを捉えるために放出されている精子。厳密な意味で、あのキャラはショタの要素は薄いが、少年でありながら性行為が可能であるというアイデアは、まぎれもなくショタの文脈上に位置づけられる。特に、今回は花に隠されていた局部がどんなどんなものであれ、それに添えられた手の「他者」に接するようなやわらかな手つきは、局部を自ら把握出来ていないという点で、ショタ的といえるのではないだろうか。全体のコンセプトは、そのままHIROPONちゃんのコンセプトの裏返しのようにも見えるけれど、よく見ると、醜い鏡であり他人への欲望がスタイルをとっ たようなHIROPONちゃんに比べて、ナルシスティックというか理想化する目線が自分に向かっているという差はあったと思う。

 それから、フィギュアのプロジェクトそのものがナカハラ・コウダイ氏(名前不正確)のフィギュア(ナディア、麗夢、アニス)を並べただけの作品に対する反発から生まれたというのは、初めて知った。そして、BOME氏のニューヨーク・フィーチャーincにおける個展が盛況で成功したことで、村上氏の復讐?戦は終わったそうである。

△ トークの途中であったが、学生時代の先輩らとの予定があったために、後ろ髪を引かれつつもゆりかもめで新橋へ。今週は久しぶりに自分の時間が多い週末である。本も仕事がらみでなく、個人的な趣味のものを読むことができた。今日読了したのは「性のプロトコル」(ヨコタ村上孝之、新曜社 2000円)。我々の異性関係の把握の仕方がいかに文化的コード(プロトコル)に縛られているかを解説した一冊であった。

○ 先輩らとライオンで一杯。定期演奏会の情報とか、今やっている仕事とかいろいろ秘密?を聞く。

△ 帰宅して「ジャイアントロボ」アニメ版1,2巻。それと、「怪奇大作戦」の実相寺昭雄監督作品。それからPG。


<1月26日・月>
◇ 夜は新宿へ仕事で出かける。まあまあの成果で一安心。


<1月27日・火>
◇ 午後イチから仕事で新宿へ。夜は今抱えている仕事が、大挙して押し寄せてくる。徹夜。それでも移動時間などのヒマを見て、『ループ』を半分ほど読み続ける。これも仕事のうち……。


<1月28日・水>
◇ 仕事で徹夜のまま品川へ。タクシーの中で、午前中にできなかった仕事を片づけ、品川のホテルからファクス。まだ、会社にやり残した仕事はあるのだが、こうなると優先順位をどうやりくりするかが面倒だ。とにもかくにも、品川でのアポをこなした後、現実逃避してお茶など。「睡眠とメシはテレコのとこがあるじゃないですか」と、一緒に仕事をした人に励まされた(?)。

◇ 午前3時過ぎ。帰宅前に居酒屋へ立ち寄り、『ループ』を読了。事前にネタバレをしていたにもかかわらず、フムと思う鮮やかさ。ストーリーは意外にシンプルな作りだった。こうなったら、はやく『ブレイン・ヴァレー』を読まなくては……。


<1月29日・木>
◇ のどが痛くなる。ここ数年の中では一番ひどい。


<1月30日・金>
◇ 微妙に熱があるようだが、仕事仕事。今日を乗り越えればなんとかなる、と信じて頑張る。が、結局31日午前7時半まで仕事がかかってしまい、ついに電池がキレる。


<1月31日・土>
◇ 疲労困憊して午前9時に帰宅。ベッドに入って充電。夕方起きて、今日までだったチケットで『MIB』を無理矢理見に行く。天下一品でビール、ラーメン、餃子の夕食。帰宅してまた寝まくる。


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