鼻と靴底と手袋と(5)

◇◆◇◆◇

【5】永遠の聖域


腕にさされた点滴の針をみて血の気が引いた。
全身の毛が逆立つような、抑えがたい恐怖が襲い、次の瞬間には自分でも驚くような絶叫をあげている。
錯乱の中、同じ部屋に付き添っていてくれたマーガレットの目が驚きで大きく見開かれたのだけは、視界の端で捕らえていた。

「嫌だ、嫌だッ、これを外せ、何を入れた。僕の体の中に何を入れた(・・・・・・・・・・・)

起きあがって必死の形相で叫ぶ私に、マーガレットが慌てて駆け寄って来た。
「ただの栄養剤、生理食塩水にブドウ糖が混ざっている液よ。落ち着いて」
彼女の言葉通り、落ち着かなければいけないのはわかっていた。けれど、それ以上に心を占める恐怖。視界は極端に狭まって焦点は定まらず、それでも腕に刺された針と点滴の液体とが幾度も目に入る。
たまらず、震える指で点滴の管を引きちぎった。あたりに血が飛び散り、彼女が悲鳴を上げる。
「マックニコル!」
落ち着かせようと、彼女が手に触れてきた。その時、己の手の手袋が外されていることに気付く。思わず強く振り払い、叫ぶ。
「触るな!僕の手に触るな!」
お願いだから、誰も。誰よりも、君が。君だけは。

◇◆◇◆◇

事実を知った夜、這うように外に出て、温室の白い花をつけた株を全て素手で引き抜いた。
鉢から黒い土が零れた。何かが光ったような気がした。
温室の中に、螺旋状に立ち上るあかい光。
あっという間に辺りに満ちて、ゆらゆらと揺れている。
どうして?まだ火は付けていない。
後ずさった足に、持ち込んだランプが当たり倒れ、火の手が上がった。
気がつけば、両手が醜く(ただ)れている。花に素手で触れたせいなのか、炎による火傷なのか。
ひどく、痛い。
ひどく、熱い。

◇◆◇◆◇

交錯する記憶の合間、徐々に今自分が置かれている状況を把握しはじめた。
ここは、白亜の惑星、離宮に用意された部屋。自分は二五歳で、おそらくは空腹による低血糖と脱水症状で倒れただけ。
わかっている、この恐怖に実体はない。
もう、あの温室はないのだから。
「大丈夫だ…… 頭では、わかっている。だから、時間はかかるが、いずれ落ち着く」
言い聞かせるように呟いて、震える指先を強く握りしめた。
私に触れようとして怒鳴られ、それでも心配して、ためらいながらもそばに立たままのマーガレットを、無理矢理笑顔をつくって見上げる。
「すまない。触れるなと、言ったこと、君に、責任が、あるわけじゃない」
彼女は固い表情ながらも、私のことは大丈夫よ、と笑んで見せてくれた。それから散乱した点滴の管やら台やらを手早くまとめて私の視界に入らぬところへ追いやってから、どこかからか椅子を持ってきて寝台の傍らに置き、腰掛ける。
少しでも早く落ち着けるよう、目を閉じて深く呼吸しながら、傍らにいる彼女の気配を、暖かく心強く感じていた。
どれほど時間が経ったか、だいぶ冷静になったと判断して目を開くと、静かにマーガレットが語りかけてくる。
「怒らないで聞いてくれる?私、あなたが倒れた後にセティンバーの屋敷に連絡をいれたの。偏食が激しいって言ってたけど、空腹で倒れるほどじゃ、何を食べさせたらいいのかしらって、聞く為に」
己の眉間が厳しく寄ったのが自分でもわかった。だが、彼女は怯まずに続ける。
「あなたの家の執事さんが電話に出たわ。私の事、覚えててくれた。そして、話してくれたの」
ここでたまらず、彼女の言葉を遮った。
「マーガレット、今、何時だ。主星の時間で」
「…… 時差は六時間ね。主星時間はもう、零時をまわってるわ。きっかり十年、経ったのよ」
十年。その言葉で、彼女が全てを知っていること悟った。
時効、成立。
寝台の背にもたれかかり、目を閉じて、眉間に片手を当てた。
これで自分の気が変わって何かをどうにかしたくなっても、何も出来ない。
少なくとも法の下で、の話ではあるが。
胸に広がる感情は、無念だろうか、安堵だろうか。
「そもそも、あなたのところの執事さんも、零時を回るまで口を割ってくれなかったわ。どうして黙っていたのよ!」
沈黙したままの私に業を煮やしたのだろう。
冷静に話そうと努力していたらしい彼女の口調は、次第に感情を帯びて熱くなっている。
「私だったら、私やったら、あんたがそないな風に傷つけられて、黙ってなんかいられへん。すぐさまふんじばって警察に突き出したるわ!マコやんのアホ!しょーもないどアホ!」
アホ、アホ、と繰り返し言い、寝台の端を拳で殴りながら彼女は真っ赤になって怒っている。そして、怒りながら泣いている。
ぐすぐすと鼻をすする仕草さえ、たまらなく愛おしくて、頬に流れる涙をぬぐいたいと思い、手を伸ばしかけて素のままの掌に気付く。
この手で、彼女には触れられない。結局手を下ろし、ただ名前を呼んだ。
「マギー」
君が、泣くことはない。
「ごめんなさい、あなたには、あなたなりの考えや気持ちがあるのよね」
「僕のために怒ってくれたのは嬉しい。でも、僕のために、憎んでしまうのはだめだ」
それだけは、絶対に。
彼女はしばらくの間嗚咽を漏らしていた。

伯母の家で起きたそれを、最初ただの体調不良だと思っていた。しかし一向に良くなることなく、私は病床についた。 成長期にさしかかり、このままなら初恋の少女の15cm上を行くのは余裕と思っていた身長は、急激に伸びなくなった。
原因は食事に意図的に混入されたものであり、床に伏してからは点滴を介して投与され続けたもの。 伯母の母親の出身惑星、白蓮峰の惑星にのみ自生するという珍しい花から抽出した成分である。
当時、私の原因不明の病について、なんらかの人為的なものが働いているのではとうすうす気付いていた周囲は、あえてそれを放置した。
毒を盛っている犯人が誰であろうとかまわない。中途半端に小賢しく、彼らにとって余計な口を出す総帥には、生かさず、殺さず、病でいて貰った方が都合が良かったのだ。
結局、父の友人である知人が連絡のつかなくなった私を心配し、真実をつきとめ、私は救い出された。
真実を知り、私は自ら温室に火を放とうとした。体の中の毒物は習慣性があり、少しづつ減らさねば激しい禁断症状が襲う。だから全てを処分するのは誤りであるし、証拠として残しておくべきものであることもわかっていた。
それでも、私は全てを燃やしてしまいたかった。
彼女の優しさを信じていたからこそ、証拠を消してかばいたかったのか。
それとも、裏切られた現実そのものを消し去りたかったのか。
未だに理由はわからない。
ただ、自分で毒を盛りながら献身的な看病をしてみせた伯母の心に潜むものは、己の理解を超えるがゆえに、いつまでも恐怖として心に巣喰い続け、禁断症状が消えた後々までも私を苦しめた。
証拠を消した際に出来た手の(ただ)れは、長い間治らなかった。
火傷なのか、花の成分によるかぶれなのかは不明だが、気付けば私はその手でじかに何かを持ち、口に入れることができなくなっていた。そして、誰かが私のために作ってくれた食事を摂ることも。

マギーが大きく深呼吸をした。頭が冴えてきたのだろう。しっかりとした声で話し出す。
「よく、表沙汰にならなかったわね?」
「一族の、まぎれもない不祥事だったからね。もみ消された」
「あなたはそれでよかったの?」
「一族の決定だった。当時たかだか十四、五の僕に、何が出来たと?たとえ総帥でも、名ばかりだ」
少しだけ、嘘をつく。周囲ももみ消したかったろうが、私自身も直視したくなかったのだ。
かわりに、セティンバーの本家に乗り込み好き放題していた輩や、会社の利益を私物化していた輩は表舞台から叩きだし、自身は己を己の部屋の中に閉じこめた。
襲ってくる禁断症状とおさえがたい恐怖の向こう側、負けたくないという悔しさが自分を支えていた。
いずれ大人になって、冷静に判断できるようになったら、法の世話になることもあるかもしれないと、考えてもいたが。
「もう、時効なんだな」
彼女は彼女らしい正義感ゆえに納得のいかない気持ちと、私への思いやりとの間で苦悶して、鼻に皺を寄せて沈黙している。言い訳のように、付け加えた。
「伯母はね、僕の父とは母親が違う。僕の父は、後妻の子にあたる。僕は祖父から可愛がられていて、祖父と父と、伯母の間にあるなんらかの感情の齟齬にまで気付くことはなかった。でも」
伯母の素朴な優しさが好きだった。
母さんと呼べたなら、彼女は喜んでくれるだろうかと思いながら、思春期にありがちな照れくささでそれがきなかった、あの日。
遠い惑星から嫁いできた母親を早くになくし、父親からの愛情は薄く、腹違いの弟とは疎遠なまま、ただ一人、あの広い屋敷で伴侶も持たずいた孤独な伯母が、自分に与えてくれた愛情は、本物ではなかったのか。
あるいは、全てが偽りで自分に対する憎しみだったのだと言われれば、そうかもしれない。
けれども、裏を返せばそれさえも、彼女の彼女の父に対する愛情ゆえの感情ではないのか。
それに気付いてしまった時、なにもできなくなった。
祖父に罪はなかったろうか。父に罪はなかったろうか。
あったとして ―― その罪は、法では裁けない。

しばらく迷うように視線を伏せていた彼女が、意を決したように聞いてきた。
「十年前の傷害事件なら、確かに時効ね。でも事件であったならまだ時効にならない出来事が、残っていない?」
「君の言いたい事はわかる。だが、両親の事故は、本当の事故だ」
「――調べた、のね?」
私は頷き、もう一度言った。
「あれは、事故だよ」
ずっと調べ直す決心がつかなかった。知らずに後悔するよりも、もしも"事件"であったなら、知って失うものが多すぎる。知らずにいれば耐えるのは哀しみと恐怖だけで良かった。でも、調べた挙げ句真実が望まないものだったなら、自分は憎しみまで抱えなければいけなくなる。それが何よりも恐ろしかった。だが、それも終わったのだ。先日手元に届いた報告書によって。
ようやっと、と言うならば、ひとつだけ気付いたことがある。
私はつい最近、七歳の王太子に対して、できることなら人を信じてはならぬと伝えず何も知らぬままいて欲しいという気持ちを持った。周囲に満ちる悪意というものに、この少年が出会わずに健やかであって欲しいと願ったのだ。その気持ちを知ることで、いままで考えても見なかった新しい解釈が不意に浮かんだのだ。
伯母は手段を大幅に間違えてはいたが、私を外の世界から守りたいと、思ってくれていたのではないのかと。
おそらくは、伯母自身が傷つけられたことのあるセティンバー家のしがらみから。
人の心とは、不思議だ。
ひとり膝を抱え、ただ考える時間だけならばいくらでもあった十年で得られなかった解を、ふとした偶然でもたらされた他者との交わりによって、いともあっさりと導き出すことができるのだから。
もちろん、正答かどうかはわからない。そして、答え合わせの必要もない。
あの人は今、温室の失われた館で、ひとり静に暮らしている。
その心が穏やかであるのかどうか、私は、知ろうとは思わない。
ただ、穏やかであって欲しいとは、願っている。心から。

「ごめんなさい。あなたが、人を信用しないってことの理由。ずっと軽く考えてた」
「かまわない。別に君が知る必要のないことだ」
こんなおぞましい事実を、知られたくなかった。ところが、彼女は不満そうな顔をした。
「そういう冷たい言い方」
「す、すまない。そう取られるとは思わなかった」
素直に謝ったのが功を奏したのか、彼女は怒らず聞いてきた。
「どう取って欲しかったの」
「何も知らずに、いて欲しかった、かな」
にぎやかな商業惑星弁が行交う陽気な家族。何かにつけて、親戚達が集まり、焼き肉やらお好み焼きやらタコ焼きやらを作って、冗談を飛ばしている。暖かで、優しくて。そんな宝石よりも貴重なものを当たり前と思っていられる人のままで、いて欲しかった。
全てを言葉にはしなかったが、彼女には伝わったろうか。
と、しばらく黙っていた彼女は、気持ちを切り替えるように、立ち上がる。
「あなたの腕の怪我、私が手当てすることは、あなたにとって大丈夫なこと?触れても平気?」
「もう、理性ではわかっている。あんなことはおきやしないと。ましてや、君なら、信用しない理由はない」
「ライバル社の人間なのにね?」
「そういえば、そうだったな」
私たちは二人、吹き出した。
手近な道具で彼女が簡単な手当をしてくれている間、現実的な問題が残っていることを思い出した。私は今、猛烈に空腹なのである。点滴の残り液は少なくなっていたから、ある程度エネルギーは補充されたろうが、胃の中は空っぽだ。
部屋の中を見回すと、色とりどりの熱帯の果物が盛られた籠が置いてある。
それを眺めている私の視線に、彼女が気付いたようだった。籠の中から一房のバナナを取りだし、戻ってくる。
「そういえば、マコやんバナナ好きだったでしょう。覚えてる?いつだったか奪い合いになったの」
言いながら、彼女は幼い自分たちのばかばかしさに呆れつつ笑い出す。
その時のことなら、私も覚えていた。きっかけは、いつものチャールズのいたずらだった。

あれはまだ残暑の厳しい季節だった。チャールズが薩摩芋を沢山あやしい柄の風呂敷に詰め込んで、いつもの遊び場へやってきたのだ。
―― さつまいも、ぎょーさんもらったんや。公園の落ち葉あつめて、焼き芋にせえへん?
―― いいね、二人で食べよう。
―― ちゃうちゃう、焼き芋作って、売るんや。商売や、商売。
―― え、まだ暑いのに売れる?
―― 甘いで、マコやん。ワザとハズしたところに、微妙な需要があるんやで。
ところが、行った公園は、当然落ち葉の季節にはまだ早かった。
チャールズがあきらめ悪く、木に登って枝を揺らし、葉を無理矢理落としはじめる。
結果、散歩途中の近所のおじさんに、この悪ガキ!と叱られて、罰としてその辺一体の掃除を申しつけられたのだ。後からやってきたマーガレットも、私たちを見かねて手伝ってくれた。
最初よりも綺麗になった公園を見て、叱ったおじさんは、僕らをねぎらい、二本のバナナを渡してくれた。
三人の子供に、二本のバナナ。
最初子供は二人だったのだから、すくなくともおじさんに罪はない。
さて、どう分配しようかと手の上のバナナを見つめて三人で惚けていると、チャールズが空を指さして突然叫んだ。
―― あっ、守護聖様が飛んどる!
―― え……?
信じたわけではないが、勢いに圧されて空を見て、そして視線を手に戻したとき、バナナは既に一本になっていて、幼馴染みの口がもぐもぐと動いているばかりだった。
―― チャ、チャールズずるいよ
マーガレットがほとほとあきれ果てたという表情で、私に言った。
―― マコやん、そない古典的な手に引っかからんといて、もう。
私もウォン家の兄妹も。食べることに不自由せずに育った裕福な家の子供達だった。だから、自分はいらないから君が食べなよ、と言うことはごく簡単なことではあったろう。ただ、自らの手で働いて、そのご褒美としてもらったおやつは特別な意味をもっていて、素直に譲ることも出来ずにいたのだ。 それでも、ここは彼女に譲るべきだと口を開きかけたとき、ひょい、と残りの一本を彼女が取り上げた。
―― でもこれで、割り切れるようにはなったやんな?
そして、バナナを豪快に半分に割って、片方を差しだした。
―― 二割る三は、0.6666666666666〜って割り切れんし、ちょうどええわ。
―― 俺に感謝せなあかんよ、マギー。
―― アホ言わんといて、バカ兄貴。

懐かしさに、笑みがこぼれた。顔を上げると、二十五歳のマギーが、バナナを半分にして片方を差しだしていた。私がゆっくりと手を伸ばし半分のバナナを受け取るのを確認すると、彼女は残りの半分をぺろりと平らげる。
もしかして、半分を食べて見せたのは、毒物の幻想におびえる私を安心させるためだったのかもしれない。
そんな彼女の心遣いやら、懐かしい想い出やらに浸って、半分のバナナを食べずに眺めていた。すると。
「なんなら口移しで食べさせてあげましょうか?」
冷静に考えれば随分美味しい申し出なわけだが、そこまで思い至る余裕もなく、私は慌ててバナナを口に放り込んだ。
甘く、懐かしい味だった。
美味しい、そう思った。そう思ったら、突然涙がこぼれた。
己の涙に驚いている間にも、次から次へとこぼれ落ちて、止まらない。
じわりと滲むような涙をこらえて、こっそりと泣いたことなら過去にも最近にも山ほどあるが、こんな風に泣くのは本当に久しぶりだった。
長く縛られていたものからの開放感、ひとつの区切りを迎えた事への安堵、ひとり孤独にいるあの人への哀しみ、既にここにはいない友への切なさ、遠い少年の日の懐かしさ、新しく培われる人と人の繋がりへの驚きと感動。
そして、生きていることへの喜びと、彼女が今も傍らにいることへの感謝。
色んな想いが溢れて、もう自分では、どうしようもない。
我慢することができなくなった嗚咽がついに零れると、触れていいか、と彼女が聞いてきた。頷くと、頭を優しく抱きしめられた。
「あなたの身に起きたこと、兄貴は、知ってた?」
―― 助けて、チャールズ。
首を横に振る。
何通も書いた手紙は、彼の元へ届いていなかった。
彼は詳しい話は何も知らないはずだ。少なくとも話してはいない。親戚にひどい目に合わされた、程度には知ってただろうが。
「そう。」
泣き顔をあまり晒さない程度にこっそり様子を覗うと、女はなんともいえない表情をしている。
どうしたのか、という意味で首をかしげると、憮然とした声が返ってきた。
「兄貴にだけ話していたなら、悔しいって思っただけ」
不謹慎にも、何故か、嬉しかった。
「でもどうして、何も話してくれなかったの。 …… 力になりたかった」
「さあ …… わか、らない」
ぼろぼろと泣きながら、嗚咽の合間にそんなふうに言ったが、理由など本当はわかっている。

あの事件で、僕の中の人としての何かが壊れた。
それが修復可能なものなのかどうかまでは知らない。
けれども、偽りと裏切り、あるいは哀しい狂気を垣間見てしまった自分は、それまでとは違った存在に成り果てた。
それを君たちに知られてしまうことで、あの日々までもが壊れてしまう気がした。
醜く(ただ)れた掌では、穢してしまいそうでもう触れられない。
壊したくなかった。
両親がいて、祖父がいて、疑うことを知らず幼馴染み達と遊んだ、幼い日々。

夏の日、麦わら、蝉時雨。
夕立、かけあし、水たまり。

チャーミングな鼻ペチャ、やんちゃな悪ガキ。
どんなに教わっても理解できない「ボケ」と「ツッコミ」。
いくら言っても直してくれない、マコやんという愛称。
すべてが、泣きたくなるほど愛おしい。

僕にとっての ―― 永遠の、聖域(サンクチュアリ)

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2009/03/21 佳月 BGM:「虹」 手嶌葵 歌詞情報 - goo 音楽