ルヴァ教授の事件簿1

赤い花、白い花

(解決編)ルヴァ教授の考察



それから数日後。
この季節には珍しく朝からしとしとと、細かな雨が降っていた。
そんな中僕は教授に呼び出されて考古学研の研究室にいる。

呼び出されたのは、先日僕が提出したあの夢見がちなレポートに厳しい突っ込みを入れるためだろうか。
それとも。
レポートと一緒に後半部分を抜粋して転送した、エンジュのメールについてだろうか。
そう、僕は結局エンジュのメールに対する引っ掛かりを自分では消化しきれなくて、教授に相談してみたんだ。
相談というか、このメールの内容、なんだか引っかかりませんか?程度にだけど。

研究室の扉を開けると、教授は、あー、まってましたよ、とにこりと笑ってお茶とおせんべいを出してくれた。
教授はおせんべいが好きで、よく買ってきてはこうして学生に振舞ってる。
でも、ひとつだけ不思議なことがあって。
教授は普通の胡麻せんべいや海苔せんべいに交えて、なぜかよく激辛せんべいを買ってくる。
自分ではあまり食べないのに。
んで、学生たちもはじめは面白がって激辛に手を出すわけだけど、それもすぐ飽きられて、必然的に菓子盆のうえには、激辛せんべいだけが累々と溜まっていく。
僕は、出された菓子盆をのぞいてみた。
やっぱり、激辛せんべいが累々としてる。
先日、捨てるのももったいないからと教授、無理して食べて、そのあと、お茶をがぶ飲みしてたっけ。
それなら、買わなきゃいいのに。
僕は、また教授が無理して食べる姿を想像し、ちょっとかわいそうになって激辛せんべいに手を出した。
「おや、クリスは、辛いものが好きですか?」
「いいえ。とくには」
特に考えずにあっさりと答えた僕に、教授は。

「…… そうですかー」

しょんぼり。
そんな、音が聞こえてきそうな口調と表情だった。
な、なんで。
なんで、激辛せんべい如きでそんなにしょんぼりするんですかっ。教授!
そんなにしょんぼりされたら、僕、なんだか悪いことした気持ちになってしまいます ……。
結局その後、僕は教授のしょんぼりに罪悪感を感じて、五枚ほどの激辛せんべいを平らげた。

「ああ、やっぱり、好きなのではないですかー?辛いもの」
にこにこ嬉しそうな教授。
僕はといえば。

「…… いいえ。それよひ、おひゃの、おかわひ、くらはい」

◇◆◇◆◇

教授が出してくれたお茶のおかわりを冷ましているとき、教授が聞いてきた。
「あなたは、この休暇は実家へは帰らないのですか?」
「え?ええ。そのつもりです。もう休みも残り少ないし ―― どうか、しましたか?」
少し悲しそうな顔をした教授が気になって僕はそう聞き返した。
「あ、ええと、そう、あなたから転送してもらったエンジュさんのメールの最後に、たまには実家に顔をだすように、とあったでしょう。私が無理やり研究旅行に連れ出したせいで、ダグ ―― 」
教授はそこで一回咳払いした。
あれかな、教授も激辛せんべい食べ過ぎて、ろれつ回ってないとか。
そして、続ける。

「ご家族があなたに会えなかったのであれば、申し訳ないと」

なんだ。そんなことか。
「ああ、気にしないでください。もともとこの夏は帰る予定なかったですから」
「あ、あの。立ち入ったことだったらすみません。その、ご両親とうまく行ってないとか、そういうことでは ―― 」

へっ?

「きょ、教授?いやですよ、そんなことはないです」
思わず吹き出してしまったけど、なんだか教授は、そうですかー?などと僕をじっと見てる。
冗談ではなく、本気らしい。
「本当ですよ。帰ってのんびりするのもいいかもしれないけど、そうするとどうしても研究のことにあたまが行ってしまって、結局ゆっくりできないんです。ただ、確かに」

エンジュの言うとおり、今はエンジュまでが家を出てしまったから。
僕は頷く。
「今度の休暇には帰るのもいいかも」
教授は安心したように笑った。
でもふと僕は思ったりもする。
「ああ、でも。父さんも母さんもいい年こいて、いつまでも新婚みたいな夫婦で。意外と子供らいなくなって喜んでるんじゃないかなぁ」
帰ったら、兄弟増えてたりして。ありうるな、それ。

「そ、そ、そうなんですかー?」
「ええ、そりゃもう」
教授は赤くなってしばらく、わたわたしてたけど、しばらくして、ふ、と優しい笑顔になって。
「 ―― 幸せな、ご家族なんですね」
そう言ってくれた。
なんだか照れてしまった僕。

ふと沈黙が降りて、そして。
窓の外の雨音と、聞こえてくるピアノ。
ああ、ディアさんが弾いてるのかな?
教授このあと、デートかな。
しばらく教授がピアノに耳を傾けている。

「『雨垂れの前奏曲』ですね。どうやら、私もようやっとここから始められるかもしれません」
「―― ?」

教授のつぶやきに疑問を発する前に、教授はにっこり笑って、さて今日呼んだ理由のふたつ目の話題にうつりましょう、と。
ふたつ目って。それは、エンジュのメールか、論文かだろうけど、じゃあ、ひとつ目は?
そんなに僕の帰省のこと気にしてたのかな。
まさか、激辛せんべい食わせるためでもなかろうし。

「まず、確認しましょう。クリス、あなたはエンジュさんのメールのどの部分に『謎』を感じるのですか?」

話題は、こっちか。ということは、あのむちゃくちゃなレポートはお咎めなし、かな?
あたまの隅でそんなことを考えつつ、僕はいちおう自分なりに整理していたことを挙げていく。

まず、いきなり「壊れちゃって」賭けをし始める、というのがひどく彼らしくない、という至極個人的な印象を前提にさせてもらったうえで、賭けの内容から考える。
同種で赤い花と白い花の株を植えないはずの宮殿で、彼は何故わざわざ赤い花と、白い花を賭けの対象にしたんだろう。
黄色と白だって、赤と紫だって、いいじゃないか。
だから、そこにひどく作為的なものを感じる。
さて、ここでひとつ思い当たるのは。
エンジュのラッキーカラー。そう、僕が話したから、彼は知っていたはずなんだ。
赤と、白。どちらかを選べといわれれば、非常な高確率でエンジュが赤を選ぶってことを。
だから、彼女に確実に決まった色を選ばせたいのなら、少なくとも選択肢の片方は、赤でなければいけなかった。

そこまで考えて、やっぱり、わからないのは。
赤を選んだところで。
赤い花が先に落ちる確証がなければ、トリックは成立しない。
いや、そもそも、赤い花が先に落ちる確証があったなら、それでは彼はわざわざ負けるために賭けを申し出たことになってしまう。
賭けに負けたら、守護聖になる、と言っているのだから。
もう決心しているのならわざわざそんなめんどくさいことをする必要なんかないんだ。

それとも。
彼は白が先に落ちるトリックを仕掛けていたのだろうか?
なのに、エンジュの強運で仕掛けは失敗。
そこに運命とやらを見出して、大人しく諦めた?
―― それだけはありえない。
何故か、僕はそう思った。
大人しく諦めてしまうと言うのもひどく、彼らしくないし、そもそも、トリックでエンジュを騙くらかして、拝命を拒否しようってな行為自体がひどく彼らしくない。フェアじゃない。
それなら「壊れちゃって」賭けをし出した、というほうがまだ納得いく。

結局、行き詰まるのは。
一番『謎』なのは、彼の『動機』

だから、最後にはこう思ってしまう。
彼はただ本当に賭けをしただけなんだろうか?
そして、ただ本当に偶然に赤い花が先に落ちただけで、それで吹っ切れて彼は拝命を承諾したのだろうか?

―― 結局は、偶然?

僕の考察を聞いて、ルヴァ教授は一口お茶を飲み。
そして、にこりと笑った。

「順序だてて、ゆっくり考えてみましょう。たいていの『謎』というものは、そうすれば謎ではなくなってしまうものです」

おお、出た!
この台詞が出てくると、謎の解明は近い。
教授は僕に尋ねてきた。
「王宮の庭に咲いていた花を、覚えていますか?」
ええと。
あんまり詳しくないけれど、幾つか知っている花があった。
「ブーゲンビリア、沙羅双樹、ハイビスカス、ホウセンカ、コットン、蓮、サンダルウッド。僕が覚えてるのはそれだけです。話に出てきた、百日紅も、あったかもしれませんけど」
教授は、うんうん、それだけ覚えていれば大丈夫ですよー、と、にこにこしてる。
「記憶力がいいですね。流石です。さて、メールにありましたね。『芙蓉や槿に似たかんじ』の花だったと。今あなたが言った花の中で、フヨウやムクゲに似ているのはどれか、わかりますか?」

ええと。
僕はしばらく考えてから答える。
「―― コットン」
はい、よくできました。と、教授は言う。なんだか小学生になった気分だ。

「ところでクリス。あなたは何故コットンの花を知っていたのですか?」
「本で見ました。綿の繊維がとれるんですよね?白い、ふわふわした『コットンボール』のとなりに、花の写真が載ってました。コットンボールのこう、なんというかソボクな感じからは想像もつかない優美な花で。それで、印象深くて覚えていたんです」
「花の色は、覚えていますか?」
「え?ええ、クリーム色がかった白でした」

教授がにっこり笑う。
そうか、メールにもあった。『淡いクリーム色』と。
「じゃあ、賭けに使われた白い花の方はコットンなんですか?」
言った僕に教授は首を振る。そして。
「両方、コットンです」
と。

教授は、よっこらしょ、と立ち上がり隣の部屋から植物図鑑を持ってきた。
そして、コットンのページを開く。
そこには、ふわふわのコットンボールと。
クリーム色の優美な花と。

―― 淡い紅の、やはり優美な花の写真。

コットンに白い種と、赤い種があるのはわかったけど、と顔をあげて教授を見ようと思った瞬間、目の端に写真の説明書きに気付いた。
曰く。

『夏に開花。開花時は白く、一日〜二日で赤く変色した後、花を落とす』

同じ、株に両方の色の花をつけるのか!
でも、これじゃあ。
これじゃあ、赤い花が先に落ちるって、決まってるようなもんだよ!

僕は顔をあげてルヴァ教授をみつめる。
少し、声が震えた。
「…… どうして ……。彼は、彼は、賭けに勝ちたくはなかったのですか?」
「いいえ、勝ちたかったのだと、思いますよ」

教授は窓の外に眼をやる。今日は雨。
しとしとと降る雨。
あの常夏の惑星では。
今日も眩しい太陽が照りつけているだろうか?

「でも彼の性格を考えれば」
と。少し悲しそうな顔をして教授は続ける。
「責任感の強い、彼の性格を考えるのなら。宇宙の大事の前に、五分五分の賭けは、できなかったのでしょう。もちろん、妹さんを騙して賭けに勝つようなこともね」

僕は、呟く。
「それでも、彼は賭けをしたかった ―― ?」

そのときの彼の心は、いったいどれほど。
彼に課せられた未来はあまりに重く己の意思でかえることなどできない。
けれど、幼い頃からその手に、その背に。
抱き、負ってきたものも彼にとって比較などできるものでもなく。
だから、彼は、賭けをしたかったのだ。
たとえ結果が見えていたとしても。

「そう、ごく低い確率です。縁起を担ぐのが好きなあなたの妹は、ラッキーカラーである赤を九割九分選ぶでしょう」
頷いて僕は次の言葉を引き継ぐ。
「そして、選んだ花は九割九分赤が先に落ちる」
教授も頷く。
「ええ、残された一分と一分である白い花に彼は賭けた。その時彼の心は …… 九割八分は既に決心がついていた、いいえ、つけざるをえなかった。
残された二分、それはいわば彼の ―― ささやかな我侭」

胸が詰まった。
雨で滲んだ窓硝子の向うに、僕は、再びあの王宮の花咲き乱れる常夏の庭を想う。
強い、太陽の日差しが白亜の壁に反射する光満ちた楽園。
羽化したばかりの蝶が舞い上がる昼下がり。
咲く赤い花陰に、大きな芭蕉の涼やかな葉元に。
国を愛し、想い、日々を過ごす幼い少年の日の彼が見えるような気がした。

「そして ―― 賭けに負けた?」

教授は、半泣きの僕に、大丈夫、という風情でにこりと笑った。
「いいえ、負けた、という表現は正しくないのでしょう。その結果が彼の後押しをして、心を固める手伝いをしたのなら、それは決して負けたことにはならない。ましてや、彼はまだ十六歳ですよ」

十六歳。
そっか、大人びて見えたけど、妹よりもさらに一歳若いのか。

「この先色んなことが、彼の人生の中に待ち受けてるのです。悲喜交々、ね。それでもこの日の賭けは、彼にとって良い意味で記憶に留まるのではないですか?あなたの妹さんの報告を聞く限りでは」

声を出して笑って、こんなにはらはらしたのは初めてだと、そう言っていたと、メールにはあった。
「そう、ですね」
ふと思った。彼が、そこまではらはらしたのは。
もしかしたら、自分が賭けに『勝ってしまったとき』どうしようか決めていなかった、ということなんじゃないだろうか?
だとすれば彼の心は、本当は賭けを持ち出したときに十割決まっていたのかもしれない。
彼が、それに気付いていなかっただけで。

「聖地もね、そんなに悪い場所ではないですよー」

呑気な口調で凄いことをいっているよ、この人は。
でもそうか、教授はその台詞を言えてしまう人なのだと、改めて思う。

もうひとつ。
「コットンは、あの王宮に植えられることを許されてるんでしょうか?」
同じ株だとしても、しきたりに反するのでは、などと思う。
「あなたは、小さいころコットンを植えてみようと思ったことはありませんか?」
僕は頭を掻いた。
「あります。あのふわふわを自分で作ってみたくて。でも、日照不足で花をつける前に枯れてしまいました」
「そう、けっこう育てるのは、難しいらしいですね。それでも、子供たちは、あのふわふわのコットンボールを夢見て、植えるわけですよ。あの王宮でもね、そう夢見た子供が、いたのだと思いますよ」

そうか。
そして、丹念した末に美しい白い花が咲く。
少年はどんなにか喜んだろう。
けれど、翌日その花をみて驚くわけだ。
いつのまにかそれは赤い色に変わっていたから。
今日咲いた白い花。昨日咲いた赤い花。
あっちゃいけない、同じ種類の白と赤。

「少年は、慌てるわけです。もしかしたら、この花を処分されてしまうかもしれない、と。でもきっとね、王様はこう言ったのではないでしょうか」

―― かつて賢者ラグランは花を奪った王を責めた。彼を偲んでつくられたしきたりを守るが故に、少年から花を奪うのは如何なものか。其は真に賢者ラグランの望む行為であるか考えてみよ

すごく。
心の中が温かくなった。
その少年はきっとティムカさん。そして、その王様は、彼の父君だ。
でも、あの日咲いていたコットンを植えたのは、ティムカさんの弟かもしれない。
ティムカさんは、もちろん、それを黙認した。
ああ、それに、ティムカさんの父君は、やっぱり小さなころ、自分の植えたコットンをその時代の王様に見逃してもらったのかもしれない。
その王様の小さなころだって。
そうして、ずっと、ずっと、あの王宮の片隅で。


今日も変わらず、コットンが、 赤と白の優美な花をつけている ――


◇◆◇◆◇

「ああ、しかし。僕みたいな平凡な学生が首突っ込んでいいのか迷うくらいスケールの大きすぎる話でした」

僕はほう、とため息をつく。
「あー、あなたを平凡な学生と表現するにはちょっと無理があるきがしますけどねー。宇宙工学の研究も、非常に高い評価を受けているようですね」
ええと、恐縮です。
ああ、それに、と。
思い出したように教授は紙の束を取り出した。
「先日のあなたのレポート、非常に面白いと思いますよ」
おお、意外な評価だ。
「あの考察、あり得ると思いますか?」
「可能性は、ゼロではありません。けれど、あまりに証拠不十分です。ターバンに関しても、熱帯の気候、灼熱の砂漠、太陽光を避けるためにならそれぞれの文化圏で発達してもまったく不思議ではありません」

うぎゃー、けっきょくばっさりですか。
辛い評価をしといて、教授は涼しい顔でお茶飲んでる。
そこで、僕は思い出す。
「そういえば、ティムカさんが仰ってた、ターバンの風習ってなんですか?」

瞬間、教授が、お茶噴いた。
「えええええええ、えっと、そそそそそそそ、それはっ」

もしかして、地雷踏んだ?
僕は黙って、台布巾で机を拭きながら、それ以上突っ込まないようにしようと思った。
教授はようやく落ち着いた風で、でも風習に関しては完全に無視した形で言った。

「もう一度言います。可能性は、ゼロではないと思いますよー。特に、過去の宇宙空間のシミュレーションと『路』の推測いうのは私にとって斬新で。 ああ、あの惑星と、私の故郷はそんな縁(えにし)があった可能性があるのかと、レポートを読みながら、どきどきしてしまいました。
いっそ、考古学に鞍替えして、本気で論文書いてみませんかー」

そうにっこり笑う教授。
もちろん、それが嬉しくなかったわけじゃない。
というか、教授に認めてもらえたのは、凄く嬉しい。
でも。
いくら教授の申し出でも。
それは応じられないな。僕には、僕の、叶えたい夢があるから。
そう、幼い頃からの夢、遠い場所、教授曰く『そんなに悪い場所ではない』所にいる友人との約束。
彼の声が脳裏によみがえった。

―― 夢、叶えろよ

ああ、もちろんだよ。
それは、教授も重々わかっているようで。
「冗談ですよ。さあ、話し疲れました。
お茶のお変わりは、いかがですか? 激辛せんべいもありますよー」

◇◆◇◆◇

翌日は、うってかわってよく晴れた夏の日だった。
僕は、そのどこかあの常夏の宮殿を思わせる日差しが入る窓際で、コーヒーを飲みながら朝刊を読んでいた。
そして。

白亜宮の国王が十六歳の若さで崩御したというニュースを知った。

それはもちろん真実を伏せるための虚偽の報道であったろうけれど、残された家族や身近な人々、それにあの国の民からすればあの青年の向う先は黄泉(よみ)にも等しいだろう。
それが、切なくなかったわけではないけれど。
少なくとも彼は。
器を脱ぎ捨てた彼自身は。

あの日常夏の王宮の庭で羽化したあでやかな蝶のように。
遥か古代新たな故郷を探して旅立った砂漠の民のように。

自ら結論を出し、新しい世界へと羽ばたいていったのだろう。
ならばそれは、決して悲しむことじゃない。
僕は、そう思うことにした。


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◇ 「赤い花、白い花」目次へ ◇
◇ 「彩雲の本棚」へ ◇