GUN FRONTIER ガンフロンティア |
それにしても、どこにも置いてない。ある店員さんに聞いてみると、入荷本数0とのこと。そりゃ絶対買えんわい(笑)。人気商品の品薄ではなく、出荷本数が少なくて発売日に店を何件も回ったのは、PCエンジン版の「ときメモ」以来です。誰も知らないようなソフトを店員に訊ねるのって、なんかツライですねぇ。結局今回は、4件目でやっと1本だけ見つけました。 ガンフロンティア。オリジナルは1990年TAITOのアーケード作品。自機は銃身の胴体を持ったグライダー。敵機も全て銃をモチーフにした重厚感溢れるデザイン。くろがねの匂いが漂う縦スクロールの硬派シューティングです。 システムとしては、特別なパワーアップや武器オプションのないシンプルな内容でしたが、金色の雨のような敵弾の中、翼をよじりながら弾丸を撃ち込むプレイはひたすら熱く、またボムの爆風の向きをコントロール出来る点はとても斬新でした。マップ上の細かい仕掛けを丁寧に作り込んでいた点も印象に残っています。 アーケード稼動当時、滝の飛沫に飛び立つ鳥の群れや、麦畑を撫でる一陣の風など、ゲーム世界の雰囲気を引き立たせる秀逸な演出には目を見張るものがありましたし、西部劇風の乾いた緊張感が漂うBGMは、まるで鉄の翼に切り裂かれた砂交じりの風が泣いているようで、異星人に侵略された大地へ単身で乗り込む主人公の悲壮感を否応無く盛り上げてくれました。 そう考えると、今回のソフトの出来がどうのと言うよりは、このゲームの移植自体が難しいものだったのかも知れません。システムの面白さよりも、雰囲気やノリを忠実に再現しなくてはならない。ところがこんな古い作品を買うのは、ほとんどが熱烈なファンですから、厳しい意見が多くなるのも容易に想像出来ます。 そこで、移植具合に目を向けてみますと、音楽は忠実な再現を狙ったのでしょうか、かなりいい線いってます。ファミ通のレビューでは音質が良くないとの指摘がありましたが、あれこそが鈍色の空と大地に似合うガンフロンティアの音色だと思います。 グラフィックはまずまずですが、予想通りボムの爆風がショボくなっています。一瞬の閃光の後、風景が蜃気楼のように揺れ、画面いっぱいに駆け抜ける黄金の絨毯。あの爽快感もガンフロンティアの魅力のひとつだっただけに残念です。
敵機の動きもどこかオリジナルと違います。敵ヘリの旋回がぎこちなかったり、ボス敵が被弾した時の挙動に重厚感がなかったり。どうも全体的に動きが軽いんですね。
長くなりましたが、あとひとつだけ。 「僕達は、待っていたんだ」 |
(1997/10/04) |
GUN FRONTIER ARCADE GEARS XING (SEGA SATURN) 1997/9/25発売 \4,800 |