<An die Freude!>
さぁ,20年目のスタートです。
今年の「一万人の第九コンサート」のチラシに書いてある言葉です。
そして佐渡さんは
これからは”一万人”どころの第九ではありませぬぞ。
と仰ってる。
延べ20万人。ものすごい数です。
たった20年でこれほどの人が第九を歌うことは,後にも先にもないでしょう。
とうとうやってきました。
2002年
12月
1日
大阪城ホール。
<昨晩のことから>
#って,いきなり逆戻りかい!(笑)
昨年もここから始まりましたね。…進歩なし。
弁当の準備,そして打ち上げのネタ繰り。
気がつけば,もう日付が変わって,12/1(日),2:00。おいおい,寝る時間がないぞ…
ちらちらとプログラムを見る。
さすがに今年はダメかな…いや,載ってる載ってる!
コメント,写真とも載ってる!今回のコメントの文字は結構でかいぞ!
#やっぱりネタは繰っとくもんですね。(笑)
<♪あったらしい,あーさがきた!>
7:30,目覚ましに起こされる。朝飯,身支度。水分は控えめ。
8:30,今回は母上殿との参戦ということもあり,母上殿と徒歩で大阪城ホールへ。
9:00,大阪城ホール前到着。もう結構な人数が来ています。記念にと,数枚写真を撮る。
ペンライト他,チラシをもらい,「このペンライト,最後の蛍の光で使うんやで」と母上殿に説明,
わかれて,座席へ向いました。
<席替え>
座席券指定の場所へ行くと,既に大阪Gの方がいらして,
「すぐに移動になるよ」
と言われる。「?」と思いながらも,指定の席へ行くと,スタッフの方が
「この座席,空けないとダメなんです,こちらへ移動願えませんか?」
ともう1枚,座席券を渡されました。
もとは,アリーナ中9列11番。
ここはアリーナの最後列&かなりソプラノ寄り。
昨年の座席とは,アリーナか2階席かというだけで,ほとんど変わらない位置でした。
指揮台までの間には,やはりTVカメラが鎮座しており,(--;;)な位置でした。
新たに渡された座席券は,アリーナ中7列30番。
少し前に出るけど,30番か。やっぱり端っこだな…
座席番号を見ていくと,大きい番号ほど中央に行く…おいおい,こんなことってあるの?
なんと,アリーナの中央にある通路から11列目という,すごいところ!
指揮台との間には,なんの障壁もない。後姿とはいえ,ソリストが見える。
ほとんど全体が障害なく見渡せるんですよね!
もとの席では隣だった方がすぐ後ろにいらっしゃる。
「よかったですね〜!」とお互い,にこにこ。
程なく,”民族大移動”が始まりましたが,アリーナ席は既に決定で,これ以上動くことは
ありませんでした。
<肩叩き>
発声練習に清原先生,登場。清原節は今日も元気です。
ぐーっと伸び。
ピアノの方は大きな古時計を引いてます。いいですねぇ。
そして全員が横向きに並んで,肩叩き!
1万人の肩叩き,壮観ってヤツですね。
「は〜い,ピアノの音が変わったら向きを変えて!」
「まだかわってませんよぉ」
「今日一日,お隣さんと仲良くね。よかったら名刺交換でもしてください」
#名刺,忘れた…
<発声練習>
終始笑ってたんで,よく覚えてないんだ,これが。(^^;;)
清原先生がリハーサルで気になったところについて,練習しました。
数カ所あったんですが…だめだ,思い出せない…
#このページをご覧の方,覚えてたら補完して…
そして,リハーサルで,「おまえら,やる気あるんか!」っていうニュアンスで
佐渡さんに言われた,立ちあがる部分も再練習です。
清原先生が指定した箇所で,ピアノ伴奏で練習。けど,うまくいかない。
「もうたってないとだめですよ〜,もう始まってますよ」
#そんなこと言ったて…ピアノ伴奏でやるのは無理がありませんか??
見ていた有元先生と相談されて,
「じゃ,皆さん,一度自分が立ちたいところで立ってみてください」
これが結構揃ってる。
「…ここ,裏拍(って言ってませんでしたっけ?)なんやけどな。ま,いいでしょう。
ティンパニの連打が入る瞬間にしましょう」
<むむむ>
ちょっと前後するかもしれませんが,突然,佐渡さん登場。
何を言ったか,忘れてしまった…ただ,昨日のリハで失敗したことについて,
二言三言,言われました。そして,
「本番は一度きりしかないんですからね」
終始厳しい表情で,今回も「おまえら,やる気あるんかい!」って感じに聞こえました。
これがもとで次から振らん!っていわれはしないかと,勝手にびびってました。
<休憩>
昼ご飯を戴く。
以上。
いやいや,母上殿の様子を見に,アルトのDブロックへ行く。
ここからは指揮台が遠いんですよ。スクリーンに画像が出なければ,わかりませんよ,これは。
座席に一喜一憂する方の気持ちが,よくわかりました。
来年は,皆さんにいい席が当たります様に。
<ゲネプロ2>
ゲネプロが始まりました。
ゲネプロとは
>「ゲネプロ」ですね、舞台用語ですな。単に「ゲネ」とも言います。
>「ゲネラルプローベ」(独語:舞台稽古の意)から来ているそうで。
>「衣装や照明まで本番と全く同じ状態で行う最終通し稽古」です。
とのことです。うん,納得。
なんですが,衣装をはじめ本番と同じなのは,一万人の合唱団のみ。
コンサートマスターはブレザーを着ておりました。
佐渡さんはTシャツ姿,オケもラフな格好です。
#ゲネとちゃうやん。
エルガーの”pomp and circumstance” が始まります。
辞書では「堂々たる威儀」とあります。
「威風堂々」,まさにその通り。いい曲ですよね。タイトルともぴったりあってます。
そして,平井 堅 氏の登場。
「歓喜の歌〜ring」
これも素晴らしい!
ゴスペルアレンジの歓喜の歌,こういうのもあるんですよね。
「もとの曲がしっかりしているから,なんとでもなって歌い甲斐がある」
というようなことを仰ってたように思います。
「大きな古時計」
これもまた,よかった。耳馴染んでるだけに,感情が入ります。
3コーラス目,会場全員で歌うのはもう最高!
#合唱団の方は,ちょいとずれてましてけどね…f(^^;)
#もう一曲歌って欲しかったな。きぼーとしては,「Love
Love Love」。
「ニュルンベルグのマイスタージンガー 前奏曲」
これもよく耳にする曲ですよね。”きらびやかな登場”って感じのする派手な曲。
クラシックの裾野を広げるという意味では,今回の選曲はベストでしょう。
<ゲネプロ2>
休憩を挟み,いよいよ第九です。
スタッフからアナウンスが入り,第四楽章の一部を先にやって,アタマから通すとのこと。
ソリストのマイクテストなんだそうです。
けれど,トラブル発生。招聘奏者のトランペットのピストン?が故障,急遽修理ということに
なったようです。暫くして復帰しました。
練習番号でいえばSのところ,ソリストが若干歌う。程なくOKが出て,第一楽章から始まります。
殆どとまることはありませんでしたが,「第一バイオリン,走らないで」とか,指示が出る。
コンサートマスタがお手本を示すなど,所々手直しが入ります。
途中,演奏は続いているのに佐渡さんが指揮台から客席へ降りていくひと幕もありました。
どうも,音の響きが気になっているようで,スタッフと打ち合わせています。
その間も演奏は続く…一糸乱れぬというのは,やっぱりそれまでの練習が活きているから
なんでしょうね。
程なく音響の問題も解消したのか,再び指揮をされました。
第三楽章を前に,ソリストが入場。そして,第三楽章が始まります。
#やっぱり,うつらうつらしてしまうんですよね,心地よくって…(^^;;)
第四楽章。
この頃には目はしっかりと冴えています。
そして,問題のティンパニの連打。ばっ!と立つ。あぁ,いい感じです。
バリトンソロが”Freude !”という頃には,心臓がバクバクいってます。
そして,最初の出だし”Freude !”,もうひとつ”Freude !”
指揮台の佐渡さんが,サムアップ!
これを見たとき,ほっとしました。それとともに,すごく嬉しく,自信がわきましたね。
その後はずっといい感じに歌えました。
もちろん,自信がわいたというのもありますが,他のパート,特にソプラノから離れた所に
座席があったからというのも,そのひとつでしょう。
自分のパートの音を拾いながら,惑わされることなく(笑),歌えたからでしょうね。
#やっぱり,ソプラノ,恐るべし…
マーチでは,指揮台で行進する様を見せる佐渡さんにつられて,なんとなく体をゆすりながら
歌ってしまいました。本来は,こうあるべきものなのかもしれません。
曲は進み,Prestissimoに。
昨日のリハーサルよりも速いような…けれど,オケと合唱団の音がずれません。
いや,ずれてるんですが,ちゃんともとに戻るんですよね。
要所要所で辻褄が合ってる。これには感激しました。
昨年は,リハ,ゲネ,本番と,いずれもずれており,オケと合唱が泣き別れ状態でしたから,
今回はとてもよかったです。
最後,佐渡さんからも「すごくよかった!」とのお言葉を戴きました。
けど,「これ,本番やないからね。本番でこの音を出してよ!」と突っ込まれましたけど。(^^;;)
<本番前,合唱指導>
観客が入り,本番15分前頃,佐渡さん登場。
観客に,「第九のテーマとなるところ,一緒に歌おう」と簡単な説明をされました。
「ドイツ語でなくてもいい,ラララでも何でもいいから,一緒に歌おう!
そのとき,皆さんのほうに向って指揮しますから」
<そして,本番>
ゲネプロ通りの順番。
ユースオーケストラが入場。少し遅れてコンサートマスター,入場。
燕尾服でした。かっこいいですよね。
指揮台の脇でチューニング。燕尾服でヴァイオリンを構えた姿は,すんげーかっこいい。
#ヴァイオリンでチューニング?普通はオーボエ(だっけ?)でやるんじゃなかった?
颯爽と佐渡さん,登場。
黒い,んーなんという服なんでしょうね?よくわかりませんが…とにかく黒い服でした。
エルガー,威風堂々。
リハ,ゲネと全然音が違う。素人目にみても,明らかにいい音になってる。
平井 堅 氏の「歓喜の歌〜ring」,そして「大きな古時計」。
都合,三回も聴けるなんて滅多やたらにあることではありません。よかったぁ!
歓喜の歌のところでは,少数編成になったオケが鳴ってましたが,これがまたよかった。
ど派手な歓喜の歌もいいけど,こういうこじんまりとした歓喜の歌もいいですね。
ニュルンベルグのマイスタージンガー 前奏曲
これもですね,リハ,ゲネと音が違うんですよ。すっごくよくなってる。
どんな魔法がかかったんでしょうか?
燕尾服に白の蝶ネクタイ。
この姿で指揮台に佐渡さんが登場,タクトが下りる。
第一楽章,第二楽章と曲は進行する。第三楽章。
すこーし,ムズムズしてくる。なんとなく落ち着かない自分がわかります。
平井 堅 氏もこのあたりから観客席に入りました。
第三楽章が終わり,すぐに第四楽章が始まる。
ティンパニの連打。
#そういえば,あるBBSでは「昨年のティンパニはダメ」ってなことが書かれていました。
#小生はそこまでは思いませんでしたが,それ以上に今年はさすが,というような気がします。
もう,間もなくです。
もう一度,ティンパニの連打。照明がつき,立ちあがる。
バリトンの独唱。
Freude!
ええやん,ゲネプロ以上かも!
この後は,もう頭ン中,真っ白状態。けど,歌詞はしっかり出てきます。
これまでにいろんなところを注意され,指導戴きました。
もしかすると,その半分も出来ていないかも知れません。
けど,すっごく気持ちよく歌えました。
指揮台の佐渡さんは,リハ,ゲネと打って変わって,結構穏やかな表情。
笑っているかのようにも見えます。
sthet vor Go-----------tt!
今回も長かったですね。そして,きれいに引いていく。
マーチ。
本番でも,思わず胸を張って歩くしぐさを心ン中でしながら,歌いました。
<Freude>
Mのパート。佐渡さんが振り向き,観客席に向ってタクトを振る。
今回も,ゲストの皆さん,観客の皆さん,立ちあがって歌って下さいます。
もう,うるうる状態でした。
#ってことで,σ(^-^),Mの半分は声が出ていません。f(^^;)
<ぴったり>
フーガ。
ずーっと棒を見ながら,一生懸命,合わせることに集中してました。
コーラスも,ずれてないんですよね。ずれてもすぐに収束する。
今回は,やっぱり,なにかある?
Sのパート。
佐渡さんのブロックサイン,確実にやってくれます。
心配なく,心置きなく歌い出すことが出来ました。
一瞬の静寂。
そしてPrestissimo。
佐渡さんも,オケも,我々もテンションが高まってるんでしょう,すごく速い。
#昨年はその速さが裏目にでたのか,最後まで置けとコーラスが泣き別れ,
#ちょっと残念でなりませんでした。今年はそんなことのないように…
微妙にずれるんですが,すぐに元に戻る。ずれては戻る。
そして最後には,ぴったりと合っていたように思います。
<Bravo!>
最後の一音が止むと同じに,拍手の嵐。
もう,手が真っ赤になるほどに叩きつづけました。
「Bravo!」の声。
脱力感。充実感。放心状態。
そんなのが混ざり合って,拍手の中,ボーっとして…
蛍の光が鳴り出します。
照明が落とされ,ペンライトを振り上げる。まさに蛍の光。
#いやぁ,この場におれて,ホントによかったよ。
拍手は鳴り止まず,佐渡さん,ソリスト,ゲストの方々は4度,5度と舞台に引き出されていました。
<もうひとつのお楽しみ>
この後,ご指導下さった花月先生と山本先生,副担任の有元先生をお招きして(いや,肴にして(笑)),
有志の打ち上げをやりました。ここでは強烈な盛り上がりで,楽しい時間を過ごせました。
#幹事はつらいんだぞ!(笑)
今年も終わったんだなぁ,という脱力感だけが残りましたが,それも悪くない感覚です。
緩急があるから次回も楽しめる。
6月から高まってきたテンションが12/1に一気に弾け,すぅっと緩んで行く。
また,来年の6月から,緩んだ糸をきりきりと巻き上げて行き…
拙いくせにやたらと長い参戦記ご愛読戴き,ありがとうございました。
多少の手直し,おまけの写真掲載などは,ぼちぼちとやるかもしれませんが,
参戦記そのものは,今年はこれでおしまいです。
また,お会いしましょう。