棋譜検討[5]gaoqi 対 kiyo

序盤は相手の疑問手もあり優勢だった。 中盤からの攻めがまずく、大石をとられてしまった。


NNGS(No Name Go Server)で、9局目、 gaoqi さんとは3回目の対局でした。 今回の講評は、GTL(Go Teaching Ladder)を通じて、 スイスの Martin Mueller (ue は u ウムラウト)さんから 頂いたものです。
参考のため、コメントの原文もつけておきます。
【 】内は、本人(kiyo)のコメントです。

      白:gaoqi(1k*)
      黒:kiyo(2k*)  2子局 白2目半コミ出し
              白中押し勝ち

第1図 (1手から28手まで)


(黒16では、単に18にツグべきです。)
【穴があると出て見たくなります。】


白23 mistake.(間違いです。変化図1のように打つべきです。)

変化図1   

黒28 This result is very good for black(この結果は黒が非常に良い)
【黒28までの結果は、スミの地が大きい上に厚みも出来、黒はとても満足。】

第2図 (29手から54手まで)

黒36 normal here.(普通は変化図2のようにノビルところです。)
 

変化図2   

黒40 The cut weakens the right side stone. (このキリは右側の石を弱くしています。)
This is the usual move.(Aにツケルのが普通の手です。)





黒48 This way white has problems, cannot get eye shape (変化図3のように打つと白が困ります。眼形が得られません。)

変化図3   

黒54 anyway, black is good with this shape, too (この形にになっても黒がいいです。)




第3図 (55手から72手まで)

白59 (単に61に打つのがよい。)

黒62 An important point. White remains weak. (変化図4の黒1、黒3が大事な手です。白石が弱いままです。)

変化図4   

黒68 first here.(この手ではまずAにノビルべきです。)

白69 (Aにハネルべきです。)

黒70 Black can continue the attack and build the right side (黒は Cに打って攻めを継続し、右辺に模様を築くことができます。)

黒72 This way, black might get a double attack going. (黒B、白72、黒Cのように打って、左辺の白と上辺の白にカラミながら 攻めを続けることができます。)




第4図 (73手から82手まで)

黒76 A bad move.(悪手です。)better here.(Aの方が良かった。)
【Aに打つと白76と押さえられて悪いかと思った。】

黒78 This move does not work well. (この手はうまく行かない。)
Black has no more chance to attack here. (今となっては、この白は攻めが効かなくなっている。
この手ではA、B、Cのどれかに打つのが良かった。)
【1度1つの石を攻めると、攻めが効かなくなっても、それを攻め続けてしまう ことがある。ここは一段落として、上辺の白を攻める方がよかった。
手の無いところを突っつくと、相手の石を固めてしまいアジをなくしてしまう。 何かありそうだと思うと、とりあえずどうなるかやってみようという 態度を改め、もう少しよく読む習慣を付ける必要がありそう。】

黒80 Black's stones are heavy, and white can connect easily. (黒は重い。白は簡単につながることができる。)
better push here.(変化図5の1にオスほうがよい。)
This squeeze would work well for black. (変化図5のようにシボレば黒がキカシているだろう。)

変化図5   


第5図 (83手から91手まで)

黒88 a painful result for black(黒つらい形。)

白91 Black's strategy has failed completely. (黒の戦略は完全に失敗した。)
Instead of attacking white, he got some heavy stones and helped white to build a moyo. (白をうまく攻めることができず、重い石をつくってしまい、 白が模様を作る手助けをした。)
Now white is already winning the game. (ここで、すでに白の勝勢である。)



第6図 (92手から100手まで)

黒96 a doubtful move.(疑問手です。)
This way black saves the group. (変化図6のように打てば、この一団を助けることができました。)


黒100 wrong.(間違いです。)
Black can start here.(変化図7の黒1のところから手をつけるべきです。)


The fight in the corner looks good for black. (変化図7の白4で変化図8の白1と打ってきても、 スミの攻め合いは、黒がいいようです。)

変化図6   

変化図7   

変化図8




第7図 (101(1)手から111(11)手まで)

白105 now black is dead. game over.(黒石が死に、一巻の終わり。)



【攻めのまずさで序盤の優位を失ってしまった。 どこから攻めるのがよいか、時間を掛けてよく考える習慣をつける必要がありそうです。】

補足1:棋譜データで変化図のみが示され、文章でのコメントがないものについては、 こちらで適当に補っています。
補足2:GTL(Go Teaching Ladder)について知りたいかたは、 ホームページ「珊瑚の碁」に紹介されていますので参照下さい。



本対局の棋譜についてはSGFフォーマットの棋譜データが ここにあります。 棋譜が再現出来るソフトを御持ちの方は、ダウンロードしてご利用下さい。