棋譜検討[1] kiyo 対 gaoqi

序盤での失敗があとを引きました。


NNGS(No Name Go Server) で、打ち始めて間もなく、gaoqi さんとの 初めての対局でした。 講評は、sango(珊瑚) のハンドル名で活躍されている浅井忠さんによるもの です。
【 】内は、本人(kiyo)のコメントです。

      白:gaoqi(1k*)
      黒:kiyo(3k)  2子  黒半目コミ出し
              白勝ち(黒の時間切れ)

第1図 (1手から19手まで)

白11までは、通常の布石で順調なスタートです。
黒12のコスミは結果から見ると、やや重いようです。ケイマ の飛び出し(A)の方が分かりやすかったようです。 コスミですと一応白13と白15の筋にはまります。
【ケイマよりもコスミの方が堅実に思えた。コスミでも、 外に出られると思ったが甘かった。】

黒18と白19のラッパの交換は、絶対に打ってはいけない手です。 ここは、先がどうなろうともキル一手と思います(検討図1)。 初コウにコウ無しで白はそんなに上手く行きません。
【ラッパを打たれて隅が弱くなったとは思ったが、上辺の石の目の足しになる だろうと打った。まだ、これからでも、外に出る/白を分断することが可能と 思っていた。】

検討図1

第1図の黒18で、黒1と切った場合。
【キリは浮かばなかった。この図のようになることが読めれ ばキッていたと思う。
押さえと、ラッパの交換が大悪手だとの認識が無かった。】

第2図 (20手から40手まで)

黒20の何気ないアテも、(スミから押さえたあと)黒c17からのアテ を残しておくべきです。 黒20は単に37と目を持っておくべきです。
【封鎖されてしまったが、どうにか外に出ようともがく】

黒24、黒26は、論外の悪手であり、白を固める以外何の役にも 立ちません。ここでも37の目持ちが正解です。
アテたり、ノゾイたりは良く考えてから打つのがよい。この辺の考え方 が強くなるための関門のようです。
【24は目が心配で打った。26以降何とか外に出ようとした。】

第3図 (41手から70手まで)

また同じ理由ですが、黒42のコスミも、白43との交換は明白であり 疑問手です。
【このへんで、黒はダメを逃げて白は左辺の地を増やし しかも中央に勢力を築くということになりました。 白は、黒60で61に打つのがよかったのではないか とコメントしています。また64はコウダテに残しておいた 方が良いとも言っています。】

第4図 (70手から100手まで)

黒86は、単に88のキリがよいのです。
白95に対する黒96の受けは、厳しさが足りません。 ここは手抜きをして、Aあるいは100のケイマがよいと思いますが どうでしょうか。
【確かに黒96はわずかの黒地を守って、それ以上の白地を作らせる ことになってしまいました。 中央の白地が巨大化したという白のコメントがあります。】

第5図 (101手から125手まで 以下省略)

白も白123と黒を固めるだけの手を打っていますね。 こういう手は、三三などの手を無くしてしまい良くありません。 【劣勢を意識して右下スミに手を付けた。 コウにはなったが、このあと、下辺の欠陥を衝かれあまり得をしないで コウに負けた。何か挽回策をと考えているうちに時間切れ。】

総評: この碁に関しては、黒の悪手が目立ちます。やはり黒は、何でも決着をつけて 次に進むタイプのようですが、囲碁は、味を残して進め、すこしでも相手に 気持ち悪いところを残しておくことがよいようです。
最初は、成績が悪くなっても、少し考え方を変えて打って見てはどうかと思い ます。相手がつながって、自陣が切れる箇所が残ることは、直接地に結び付か なくても、将来の大きなパワーとなります。

本対局の棋譜についてはSGFフォーマットの棋譜データが ここにあります。 棋譜が再現出来るソフトを御持ちの方は、ダウンロードしてご利用下さい。