Kiichiro's Artistic entertainment-Land

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My Works

ドン・キホーテ
(2011年)

Lucky Hill Project
(2011年)

Aoi Yamaguchi featuring Bill Mays & Friends
(2010年)

コッペリア
(2009年)

くるみ割り人形
(2007年)

中野ブラザーズ
60周年記念公演
(2007年)

中野ブラザーズ物語
Steppin' Happy
(2004年)

中野ブラザーズ60周年記念公演(2007年)

またまたお世話になっている中野ブラザーズ公演のお仕事から、2004年に上演した「中野ブラザーズ物語 Steppin' Happy」のチラシ・デザインです。このお仕事では、メインビジュアルのチラシ・デザインのみを担当しました。

「中野ブラザーズ物語公演」チラシデザイン

日劇

この公演は、中野ブラザーズのお2人がまだ子供の頃、といってもすでにしっかりプロの舞台人なんですが、フレッド・アステアの映画に魅了され、タップダンサーを目指して成長し、やがてラスベガス公演へ旅立つまでの半生記を描いたミュージカルです。

中野ブラザーズの半生は、まさに戦後の日本の芸能史そのもの!お二人が大活躍された舞台はたくさんありますが、やはり何と言っても日劇の存在は大きいです。

米軍キャンプで江利チエミさんと出会い、日劇での「江利チエミ・ショー」の開催にあたり、2人の芸に惚れ込んだチエミさんが共演を申し出たものの、自前のダンシングチームを持っている日劇側は難色を示す。ところが2人が出ないと自分も出ないと強くプッシュした結果、日劇側は了承したという有名なエピソードがあります。

私自身、お2人の舞台を初めて生で拝見したのが日劇。取り壊しが決まり、ラストショーとして日替わりでこの劇場に縁の深いスターさんたちのショーとダンシングチームのレビューの2本立て興行。私が行った日は今は亡き江利チエミさんと雪村いづみさんのジョイントショー。ここにゲストとして登場したのが中野ブラザーズでした。

そんな思い出もあり、メインのビジュアルには、日本のショービジネスの聖地である日劇の勇姿はぜひ描きたいと思った次第です。ところがなかなか資料が見つからない!いろいろ手を尽くして見つけた数点の写真を元に、日劇の外観を再現してみました。屋上には東芝の大看板もあったのですが、さすがにそれは使えないので省略です。(^o^;)

江利チエミ・ショウ

その日劇にかかる看板は「江利チエミ・ショー」。やっぱりこれはお約束のようなもの。進駐軍のキャンプの舞台をイメージし、同時に戦後の日本の時代的な雰囲気を出したかったということで、お2人の衣装をアメリカの当時の陸軍の軍服っぽくしてみました。

踊る結婚式

お2人が触発されたアステアの映画、それは1941年の「踊る結婚式」。日本公開はずっと遅れて1948年(昭和23年)。この映画のアステアのダンスの虜になったお2人はさっそくレッスンを始め、舞台で踊りまくる人生をスタートさせる重要なエピソード。

この映画での共演はリタ・ヘイワース。とんでもなくセクシーで美しくダンスも素晴らしいスーパースター。GIのセックス・シンボルでもあった人。

きっと分かる人には分かるだろうと、ちょっとマニアックですが、横顔やヘアスタイル、手の形などで分かるだろうと日劇の背景にアステアとリタ・ヘイワースをシルエットで入れてみました。(^^ゞ

飛行機

物語はお2人がラスベガスで「Hollyday in Japan」という1年間のロングラン公演を行うために招かれて旅立つという所までが描かれます。そこで旅立ちをイメージした飛行機を入れた訳ですが、実はこれ、翼のマークはパン・アメリカン航空。当時、渡米するには船か飛行機。飛行機はパン・アメリカン航空しかアメリカ便はありませんでした。これはちゃんとロゴも調べて入れているんですが、小さいので分かりません。でも、ちょっとしたこだわりでした。(^o^;)

中野ブラザーズ

お2人のシルエットは、最初は子供の姿で作りました。でも、児童劇にように見えるということで大人の姿に変更。シルエットにしたのは、一番目立つから。これに尽きます。

彩色した姿にすると、背景の日劇との関係でゴチャゴチャしちゃいます。黒くスポンと抜いた方が目立ちます。

また、舞台で若い頃のお2人を演じるのは若い俳優さん。俳優さんの顔を描くと中野ブラザーズに見えないし、中野ブラザーズを描くと、お2人がお芝居するように見えてしまうということもありました。

そして何よりお2人の顔を描かない理由は、イラストレーターの大先輩というか大御所の和田誠氏がお2人のイラストを描いていて、それが極限まで省略された究極の似顔絵になっているので、特徴を誇張して単純化していくと、どうしても和田誠氏のイラストに似てしまうのです。

やはりイラストレーターとして「誰かの絵に似ている」と言われるのは、たとえ似ている対象がどんなに有名で名人であっても心外なこと。完全オリジナルの中野ブラザーズの顔を描けるようになるまではと、逃げております!(^o^;)

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