[ランタン]

 キャンプの明かりでもう一つ代表的なのはランタンです。最近は手軽なものとして乾電池を使った蛍光灯や電灯のランタンもありますが、個人的には、光が冷たく、キャンプの雰囲気にあまりそぐわないような気がします。やはり、キャンプランタンといえばガラス繊維のマントルが燃える、あの温かみのある光がいいですね。
 マントルを燃やすタイプのランタンにはガソリンを燃料とするものと、ガスを燃料とするものがありますが、使い方は、それぞれのタイプのストーブとほとんど同じです。
 マントルは一度燃えたものはとても脆く、運搬のさいの衝撃などでこなごなになってしまうことがよくあります。必ず予備を用意しておきましょう。
 マントルが破損したら、ベンチレーターとホヤを外し、ジェネレーターの先端についている破損したマントルを外します。そして、袋状になった新しいマントルを縛りつけます。取りつけたマントルを膨らませるようにして形を整え、そのままバルブを開けて(ガソリンランタンなら、もちろん十分にポンピングしてから)、マントルが均等に燃焼するように2、3カ所に点火します。ここで、一点に点火すると、片焼けになってマントルが変形することがあるので、必ず点火点を散らしてください。変形したマントルは、使えないわけではありませんが、光量が落ち、よけいに脆くなってしまいます。
 マントル全体が焼けたらバルブをオフにします。後は、ホヤとベンチレーターを元通りセットすればOKです。
 ちなみに、マントルはランタンメーカー毎に純正のものが発売されていますが、メーカーの異なるマントルでも転用が可能です。ガソリンランタン用とガスランタン用ではガソリンのほうがサイズが大きいので、ガソリン用のマントルはそのままガスランタンのジェネレーターに取り付けられます(燃焼前は、ホヤに干渉しそうに見えますが、燃焼させると全体が半分くらいの大きさに縮むので、問題ありません)。逆の場合は、取り付け用の糸を抜いて、すこしガラス繊維をほぐしてからジェネレーターにかぶせ、別の長い糸で結びつければ使用できます。
●追記
 ぼくは、プリムスのガスランタン『2245』とコールマンのツーマントルのガソリンランタン『パワーハウスツーマントル』を主に使っています。
 プリムスのほうは軽くコンパクトで、荷のすべてを自分の背で担いでいく登山やトレッキング向きです。昔のタイプと現在市販されているタイプのものを二種類持っていますが、昔のタイプは、ランタンスタンド兼用のケースが便利で、単体で使う場合はこちらの使用頻度が高くなっています。新しいタイプのものは、ワンタッチ着火装置がついていて、一見便利そうなのですが、これが壊れやすいのが難点。ストーブのワンタッチ着火装置もすぐに壊れてしまったので、ユニットを外してしまいました。
 コールマンのほうは、ザックに入れて持ち運ぶには厳しい大きさで、もっぱらオートキャンプ用です。以前、アメリカでキャンプしたとき、その帰りに、空港で、ガソリンは抜いてあるのに機内持ち込みを拒否されたことがありました。高度が高くなって気圧が下がると、残留しているガソリンが気化して、匂うとのことでした。カットオフバルブが光量調節バルブを兼ねているタイプのモデルですが、これは、持ち運び時にバルブが緩んだらガソリンボタ漏れ状態になってしまうので、収納は必ず専用ケースに入れ、収納するときには、バルブをしっかりしめたことを確認する必要があります。
 プリムスのほうは白色系の強い光で、コールマンのほうは赤みがかった暖色系の光が特徴です。どちらかというコールマンのほうが雰囲気は出ます。
 また、最近は、キャンドルランタンを見直して、使用しています。ブラス製のケースにホヤのついた、コンパクトで雰囲気のあるものです。ソロのキャンプのときなどは、荷物が重くなるのが嫌なので、これだけを持参することもあります。狭いテントの中なら、これひとつで本を読むのに不自由しない程度の明るさを確保できます。キャンドルランタンを使う上でのポイントは、本体が垂直になるように吊り下げることです。少しでも傾いていると、ロウソクがホヤのサイドから流れ落ちて、ケースが締まらなくなります。

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