[軽量、コンパクト化のコツ]

 荷物はなるべく軽いに越したことはありません。荷物の軽量化でまずポイントとなるのは、装備を厳選すること。どんな事態が起こるかわからないフィールドへ出かけるわけですから、ついあれもこれもと持っていきたくなるのが人情ですが、自分の目的と季節や目的地の環境を考え合わせて、なるべく汎用性の効くものを選んで、グッズの数を少なくしましょう。
 そして、無駄なものをとことん省くことも大切です。とくに、食料品のパッケージは事前に剥いで、ジップロックなどの再使用可能な軽いパッケージに必要な分量やメニュー別にまとめて仕分けします。生の野菜などはなるべく避けて、下ごしらえしたものをタッパーなどに詰めていけば、調理の手間が省けると同時に、軽くコンパクトにパッキングできます。
 予備の燃料なども、つい心配で多めに持っていきがちですが、あらかじめストーブを試用して燃料の消費量を把握しておけば、予備燃料がどれだけ必要か、当たりがつけられるはずです。装備の使用法に習熟しておくという意味でも、購入したストーブをフィールドでいきなり使いぞめしないで、あらかじめ使ってみることが大切です。
●追記
 アウトドア用の食品としては、フリーズドライのものがポピュラーですが、アウトドア先進国のアメリカには、野菜やフルーツなどの食材を家庭で簡単にドライフーズにする機械がかなり普及しています。網の上に切った食材を置き、スイッチを入れると、下から温風が吹き上げられて、水分が蒸発するといういたって簡単な仕組みです。フリーズドライと比べれば風味は損なわれやすそうですが、高価なフリーズドライ食品を買うよりはずっと安くすみそうなので、心を動かされています。
●さらに追記
 予備燃料で困るのは、半端に残ってしまったガスカートリッジです。半端なカートリッジでは足りない。満タンのカートリッジでは多すぎて、それを持っていくとまた半端なカートリッジを作ることになる。けっこうジレンマに悩むものです。ぼくは、カートリッジの残量に応じてランタン用とストーブ用に使い分けています。半端な残量のカートリッジは燃料消費の少ないランタン用にして、新たな満タンカートリッジをストーブ用にするのです。こうすれば、満タンカートリッジ=ストーブ→半端になったら=ランタンという形の燃料サイクルで、装備の無駄も少しは防げるわけです。

[防水]

 今のザックはほとんどが内側にウレタンコーティングなどの防水処理が施されているので、少しくらいの雨なら中が濡れる心配はほとんどありません。
 でも、強い風雨にさらされたり、渡渉の最中にあやまって川に落ちたりすると、どうしてもトップポケットと本体の間やサイドポケットのファスナー部分あたりからの浸水は防げません。雨の中を長時間歩いたり、途中で渡渉が考えられる場合は、防水対策を考える必要があります。
 もっともてっとり早いのは、大型のポリ袋をコンパートメントの中に広げ、その中に荷物を収納することです。先に紹介したようにスタッフザックに装備を小分けするなら、そのスタッフバック自体を防水生地のものにするという方法もあります。
 また、雨を防ぐだけなら、ザックカバーを使っても効果的です。ザックカバーは、ザックの外側を覆う形ですっぽり包む形の防水布。防水の観点からいうとザックの丸洗いはあまりお勧めできません。その点、こまめにザックカバーを使用すれば、ザックの汚れが防げて結果的にザックが長持ちすることにもなります。

before
next
step5