[懐炉]

 これは、冬だけでなく、春秋のキャンプでも朝晩のふいの冷え込みに備えて用意しておきたい装備です。使い捨て懐炉はたしかに手軽ですが、効果がせいぜい12時間くらいしか持たないし、使用後はゴミになってしまうので、あまりお勧めしません。木灰を使った昔ながらの懐炉のほうが長時間効果が持続し、ゴミも出ないのでお勧めです。
●追記
 じつは、ぼく自身は、寒さには強い質なのでほとんど懐炉は使いません。懐炉を愛用しているのはカミさんで、彼女は寒さが予想されるときは必ず白金懐炉を懐に忍ばせています。その温もりが化学反応の使い捨て懐炉とは比べものにならないほど自然なのだとか。

[スパッツ]

 スパッツとは、靴の足首まわりをカバーして砂や埃、雪が靴の中へ侵入するのを防ぐ装備です。足首の周囲だけを覆うショートスパッツと、足の甲の部分から膝下までをカバーするロングスパッツとがあります。富士山のように火山灰が堆積した場所を歩くような場合にはショートスパッツを着けると有効です。また、積雪期の山ではロングスパッツは必需品です。これは、雪が靴の中に入るのを防ぐと同時に防寒機能も果たしています。
●追記
 防寒機能を高めたインシュレーター内蔵のタイプや生地に防水透湿素材を使ったタイプなどもあります。前者は、比較的薄着で、足首のソックスがむき出しになるノルディックスキー(歩くスキー)などに最適です。また、雪の中で用いるスパッツは普通の防水素材だと内側に結露して冷たくなることがありますが、防水透湿素材の製品ならそんな不快な状況も避けることができます。

[撥水スプレー]

 いくら入念な防水加工が施されていても、長い間使用しているうちに、雨具やアウターウェアの防水性は低下していきます。とくに、シェルの表面で水を弾く撥水性が最初に低下します。肝腎の防水はシェルと裏地との間にラミネートされた防水素材が担っているので、撥水性の低下がそのまま防水性の低下に結び付くわけではありませんが、浸透する水分が多くなる分、防水性の低下も早まることになります。それを防ぐために、ときどき、シェルの表面に撥水スプレーをかけてやりましょう。撥水スプレーは、他にザックやシューズの防水処理にも効果的です。フッソ樹脂を主成分とするスプレーなら化学合成繊維から綿、革まで幅広く使えます。ただし、これを使用するときは、風通しのいいところで、スプレーを吸い込まないようにくれぐれも注意してください。まれにですが、密閉空間で撥水スプレーを使っていて、その成分が気管から肺胞に付着して窒息するという事故が起きています。

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