[デニール]

アウターウェアのシェルにはナイロン素材が用いられることがほとんどです(ゴアテックスなどの新素材も、ナイロン生地をベースに特殊加工したもの)。ウェアのカタログなどを見ると、デニールという言葉がよく登場します。デニールとはナイロン生地を織ってある糸の太さの単位です。1デニールは9000mの長さで重さが1gの糸。一般にアウターのシェルに使われる生地では80?240デニール程度の糸で織られています。単位が増えれば糸は太く丈夫になりますが、逆に太くなるほどしなやかさは失われていきます。丈夫さとしなやかさのバランスのちょうどいいところが80?240デニールの糸で織られた生地なのです。

[レインウェア]

アウターウェアのシェルの説明でも紹介した防水透湿素材が、今のレインウェア素材としても主流となっています。先にも紹介したように、アウターウェアをレインウェアと兼用することも、かなりポピュラーになりれました。
かつての雨具はナイロン生地にウレタンやゴムをコーティングした素材や、緻密に織った綿やウールにオイルを含浸させた素材が使われていました。前者は防水性は高いが通気性がないので蒸れやすく、雨の中で少しハードに行動すれば中は汗でぐっしょりになってしまったものでした。後者はある程度の通気性が確保されているので快適ですが、強い風雨にさらされると防水性が低下し、また耐久性も低いものでした。
雨具の中が蒸れず、しかも高い防水性をというレインウェアにとっての永遠の課題に一つの答えを提示したのが防水透湿素材だったわけです。
防水透湿、つまり雨の侵入は防ぎ汗は外へ排出するという原理はわりあい簡単です。例えばゴアテックスは、PTFEフィルムとポリウレタンポリマーを複合した多孔質の極薄のフィルムをナイロン生地にラミネート(挟み込み)したものですが、そのフィルムに開いた孔の大きさが、雨粒より小さく、汗が蒸散するときの水蒸気の粒よりは大きく、内側からの水蒸気は外へ逃がし、外側からの雨はブロックするという仕組みなのです。
他に、ナイロン生地に樹脂を含浸させたり、生地の表面に微細なパイルを起毛したりして防水透湿性を持たせた素材がありますが、いずれも水滴より小さく蒸気より大きな多孔質の膜を作るという原理は同じです。
レインウェア選びの基本もアウターウェアの選択と同じで、インナーウェアのボリュームを考えて、多少大きめのサイズを選ぶことです。また、縫い目の目止め(シームシーリング)がきちんとされていないウェアだと、生地の防水性が高くてもここから水が侵入してしまうので、必ず、ウェアを裏返して、縫い目にテープを張ったり、あるいは樹脂を塗るなどしてシームシーリングされていることを確認しましょう。 

[帽子]

 夏の強い陽射しを防ぎ日射病を予防する以外に、虫やかぶれやすい植物との接触を防いだり、冬は寒さを防ぐといった意味で、アウトドアでは帽子が必需品です。
 じつは、ぼくがずっと悩んでいるのは、自分に合う帽子がみつからないことです。61cmという特大サイズの上、後頭部に角(突起ですね)を持つ特殊な頭の形状のため、きちんと頭を収める帽子がなかなか見つからないのです。そのため、夏場は特大バンダナの鉢巻き、冬は繊維の伸びきったニットキャップという形が定着しています。ちなみに、ヘルメットのたぐいは受注生産品です。

[手袋]

 手袋もアウトドアでは冬だけの装備ではなく、フィールドを歩くときの怪我や虫刺され防止、調理中の火傷の予防用として必需品です。軍手、もしくは厚手の革を使った作業用グローブを常に用意しておきたいところです。
●追記
 これは、基本装備の項でも紹介しましたが、グリップスワニーのグローブを愛用しています。厚手の革がやけどなどを防いでくれる上に、立体裁断でフィット感がいいので、非常に使いやすいものです。ただ、これもくたびれてきたので、より柔らかくなめされた革が使われているグローブを物色中です。ちなみに、グリップスワニーの他に、軍手も必ず何枚か用意しています。

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