[アウターウェア]

 外気に直接触れるアウターウェアは、いわば人間を守る殻(シェル)の役割を担っています。じっさい、アウターウェアの表地はシェルと呼ばれ、寒さ、風、場合によっては強い陽射しや雨から人間を守っているのです。アウターウェアの選び方も、季節や気候によって千差万別です。
 春から夏にかけての天気が安定しているときなら、日光による日焼けや虫などから肌を守るだけの最小限のシェルがあればいいでしょう。たとえば、綿やナイロンの薄いジャケットやウインドブレーカー程度で十分です。秋口から初冬にかけて、朝晩には冷え込む時期なら、少し厚手の綿とシンセティック繊維を混したマウンテンパーカなどが丈夫で暖かくお勧めです。さらに本格的な冬のアウトドアで過ごすとなれば、ダウンやシンサレート、その他の化繊綿がインシュレートされたジャケットやオーバーパンツが必要となります。もっとも、それもアンダーやインナーとのレイヤードの仕方で様々なバリエーションが考えられます。
最近のアウターウェアは、ゴアテックスなどの、汗は通し雨は防ぐ防水透湿素材をシェルに使うことが多くなりました。これらの素材を使ったアウターウェアは、レインウェアとしての機能も合わせ持っているので、ふいの雨にもあわてることがなく機能的で、しかも荷物の軽量化にもなるという一石二鳥のメリットを持っています。
 アウターを選ぶときのコツは、少し大きめのサイズにすることです。フリースなど、インナーにボリュームのあるウェアを着てレイヤードするときに、アウターが窮屈だと、動きがスポイルされてしまうからです。ウェア内部の蒸れを防ぐという点でも、あまりぴったりしたアウターは避けるべきです。
●追記
 今は、やはりアウターといえば、ゴアテックスなどに代表される防水透湿素材を使った、全天候型のジャケットですね。ゴアテックスは、登場したばかりのときは、フィルムが固く「ゴアゴアテックス」などと揶揄されたりしましたが、それも今は昔のこと。長年の技術改良によって、風あいは違和感がなくなり、撥水性はもちろん耐久性も含めた性能も年々向上しています。これからアウターを選ぼうというのなら、防水透湿素材をシェルに使用したジャケットが絶対お勧めです。ついでに、同じ素材のオーバーパンツも合わせてコーディネートして、雨具兼用としてしまうと合理的です。

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