[ビノキュラー]

 ルーペがミクロなレベルなら、ビノキュラーはマクロなレベルで感覚を拡張してくれるツールです。バードウォッチング以外にもルートファインディングに役立てたり、活用範囲はいろいろあります。ビノキュラーというと、どうしても倍率の高さイコール性能と思いがちですが、それは間違い。高倍率のものは視野角が狭くて、対象物を捕らえるのに難儀したり、手ぶれがひどくてずっと覗いているのが困難だったりします。視野角がほどほどで手ぶれも気にせず使えるのは7、8倍までです。うるさ型のバードウォッチャーは視野の明るい大口径でないといけないといいますが、今のビノキューラーはレンズのコーティング技術の発達などで、コンパクトサイズでもけっこう明るく、普通のユーザーなら不満はまったくないはずです。
●追記
 ぼくは、ニコン製で倍率6倍のコンパクトなタイプを使ってきました。でも、一眼レフのカメラを持っていくような場合には、これでも邪魔に感じてしまいます。そこで、最近、ビクセン製の8x20のモノキュラーを手に入れ、これをビノキュラー(単眼鏡)の代わりに使うようにしました。視野角の狭いビノキュラーでは、飛んでいる鳥などのように動きの速い対象物を追うのは難しいですが、静止物を観るには申し分ありません。なんといっても、ポケットに入れておけるコンパクトさと軽量さが魅力です。ちなみに、美術展などで、作品から離れたところから細部を観るのにも重宝しています。

[カメラ]

フィールドに身を置いて、今眼前に展開している雄大な風景や、自然の織りなす繊細な情景を記録に残したいと思うのはあたりまえの人情ですね。そのままの感動を残したければ、やはり写真がいいと思います。しかも、自然の色彩をそのままに写しとるなら、色再現の正確なリバーサルフィルム(スライド用)を使うのがいいでしょう。ネガフィルム(プリント)だと、「あのときの夕焼けは、もっとずっと感動的だったのに……」と、仕上がりを見て残念に思うこともしばしですが、リバーサルなら、見た目そのままに再現されるので(露出などがちょっとシビアだったりしますが)、あのときの感動がよみがえること請け合いです。フィルムの単価とプリント代が高いのでネックですが、むやみにシャッターを押さず、しっかり構図を決めて撮るようになるので、写真技術が上達するというメリット?もあります。カメラは、ごくふつうのコンパクトカメラでOKです。
●追記
 ぼくは、フィールドでの記録用としてずっと一眼レフのCanonのF1を愛用してきました。今の一眼レフはオートフォーカスはあたりまえで、どんどん多機能になり、触手をそそられるものがありますが、コンパクトカメラもなかなかに実力派が出てきて、仕上がりも一眼レフとほとんど変わりがありません。最近は、もっぱらCONTAXのTVSを愛用しています。チタンボディにオートフォーカス、カールツァイスの本格的なズームレンズを搭載していて、フィールドの様々な場面をしっかりと記録してくれています。それに加えて、F1もまだまだ現役です。広角や望遠など、シチュエーションに合わせて自在にレンズを交換して使えるのは、やはり一眼の強みですね。
 最近では、デジタルカメラもメガピクセルがあたりまえになって、画質もなかなかなものになっています。さすがにリバーサルフィルムにはかないませんが、モニタで見るぶんには高精細でもあまり意味がありませんし、気軽にプリントアウトできたり、直接データとして取りこめるので、今ぼくがWEBで発表しているように、いちいちフィルムスキャナで読み取るという手間もいらないのも魅力ですね。

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