[装備はシチュエーションに合わせて厳選する]

 step1で紹介したベーシックなアウトドア装備の進歩には目を見張るものがありますが、それ以外のいわゆる『小物』に分類されるような装備の発達にもめざましいものがあります。軽量、コンパクト、しかもかつてのものに比べ堅牢で高機能という二律背反を実現して、まさにダウンサイジングの波に洗われています。ただし、軽くてコンパクト、あれば便利だからと、あれもこれもと欲張ってザックに詰め込めば、結局は逆効果。やはり、どんな装備でもシチュエーションに合わせて、厳選することが大切です。

[カンティーン(水筒)]

 カンティーンは、行動用のものとキャンプ料理用のもの二つを用意しておくと便利です。
 行動用には500cc〜1g程度の容量のボトル(喉の乾きは個人差が大きいので、自分の体質からどの程度の容量のものがいいか考えてください)。水に匂いがつかず、腐蝕にも強い内部をアノダイズド(電解処理)やエナメル加工されたアルミボトルや、樹脂製でも匂いがつきにくいポリカーボネイト素材のボトルがポピュラーです。アルミ製のボトルは小型のものもいろいろあって、ウイスキーを入れるフラスコとしても、食用油入れにも便利です。ポリカーボネイト製のものはアルコールやオイルなどを入れるのには適しませんが、アルミ製ボトルに比べて半分以下の重さしかないのが魅力です。
 料理用には、ソロなら2g容量程度のポリタンを一つ用意しておけば、水場とテントの間を何度も往復する手間が省けて便利です。多人数のキャンプで調理に水を多く使うときは、5?10g程度の容量があって、蛇口付きの折り畳み式のウォーターコンテナを用意すると、調理がぐっとシステマティックにこなせます。
●追記
カンティーンは、お手軽値段の装備ということもあって、気がつくと、いろんな種類のものがたまってしまいました。登山をはじめたばかりの頃は、軍隊で使うベルトキットに装着するタイプのアルミ製水筒を愛用していました。そのうち縦走登山をするようになって、一回り小ぶりな内側がアノダイズド処理された水筒と2gのポリタンクの併用となりました。ポリタンクはキャンプいまだに使っていますが、行動時の水筒は、ワンタッチ式キャップのものから、同じアノダイズド処理のアルミ製のもので、スクリューキャップのものにしました。ワンタッチ式キャップのボトルは、はじめのうちはいいのですが、長い間使っているうちにゴムパッキンが劣化しきて、匂いがつくようになってしまったのです。 
他に、表面にベルベットのような起毛繊維が貼りつけてあって、水に濡らすと、その気化熱で中の水が冷えるなんてものや、寒い時期に熱い紅茶を入れておくサーモスの軽量魔法瓶、容量もいろいろと試してきました。
 最近は、行動用のカンティーンには、上記のマルキル製アルミボトルとナルゲン製のレキザン(ポリカーボネイト)ボトルを使い分けています。密閉がしっかりしていて頑丈なマルキルのボトルはハードな山行用。軽く広口で氷なども入れやすいナルゲンのボトルはトレッキングやMTB用としています。

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