[コッヘル]

 アルミやステンレス、あるいはチタンなどの素材で作られた、軽くコンパクトなキャンプ用鍋食器セットがコッヘルです。作る料理やパーティの人数よって、コッヘルのコンビネーションは無数に考えられます。
 ソロのスタンダードなスタイルとしては、φ20cm程度の鍋にフライパン、それより一回り小さな湯沸かし用鍋、さらにシェラカップなどの飲物用カップといったところ。これをベースとして、人数が増えるにしたがって、鍋の大きさや数を増やしていくといいでしょう。
 目的が登山のように限定されているときは、軽量化に徹して、小型の鍋と皿にシェラカップというシンプルな組み合わせにすることもあるし、場合によってはシェラカップ一つだけで湯沸かしから調理まですべてまかなってしまうケースも考えられます。
 これからはじめてコッヘルを購入しようというのなら、初めに2、3人用のセットを買うといいでしょう。ソロでは、その中の大鍋と皿の一枚を外して使うわけです。また、アウトドアでは定番となっているシェラカップは、直接火にかけられ、食器としても手ごろな上、場合によってはオタマやスコップとしても使えるので、とても重宝します。このカップを使う度に、100年以上も前にこのカップを考案したシェラクラブの面々には、まったく頭が下がります。
 具体的にどんなものが良いと断言できませんが、コンパクトストーブを作っているメーカーの製品は、コッヘルにストーブやバーナー部を収納することを念頭において作られているので、装備のコンパクト化という点で一考に値します。
●追記
 ぼくは、20年のアウトドアライフのうちに、コッヘルのたぐいを山のように溜めこんでしまいました。シンプルな装備だけに、どれも帯に短し襷に長しといった感じで、しかもアウトドアグッズとしては、お手軽に購入しやすい値段なもので、店頭で見ると、つい試してみたくなってしまうのです。でも、使うものは、ほとんど固定しています。ソロの場合は、先にあげたように、小型の鍋と皿、シェラカップをおのおの一つずつ。夫婦二人で出かけるときは、φ20cmの丸鍋とφ20cmのフライパン、それに深皿二つ、シェラカップといったところ。オートキャンプになると、それこそ中華鍋まで動員して行くことになります。

[食器]

 「自然の雰囲気を堪能するために、木の枝を削って箸をつくるといい」なんて、雰囲気重視の解説書にあったりしますが、現実にはそんな悠長なことをやってる余裕はあまりないし、第一、生木を削って箸にすると樹液の嫌な匂いが食べ物や指についたりして、イメージと現実ではけっこうギャップがあったりします(クロモジの枝で楊枝を作ったりすると、香りも良くて、雰囲気ありますが……)。そんなわけで、フォークやスプーンといった食器もやはり、キャンプ用のものをはじめから用意したほうが無難でしょう。
 とりあえず、一人分ずつ、携帯用のコンパクトなフォークとスプーンがあればこと足ります。フォールディングナイフと一体式になっているものもありますが、汁ものなどを食べると、ジョイント部が汚れてしまい、後の処置が面倒なので、それぞれ単体としてセットになっているものがお勧めです。
●追記
 ぼくが最近愛用しているのは、スペイン製の『AITOR』というセットです。これは、アーミーナイフと、スプーン、フォークが専用のシースに収納されているものです。スペイン軍の正式装備品で、非常に堅牢な作りです。ちなみに、これは、スペインで直接買ってきてもらったものですが、最近では、新宿の『アウトドアスペース風魔』(03-3204-8880)で取り扱っています。

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