[アルコールストーブ]

 液体アルコールを燃料としたストーブは、過去に何度か使ったことがありました。でも、いずれも火力が弱く強風下での使用が実質的に不可能な上、燃料の揮発性が高くて、輸送中に失われる分が多くて、とても実用にならず、数度で使用をやめてしまいました。最近、スウェーデン製のTRANGIAストームクッカーを手にいれて、重宝しています。これは、旧来のアルコールストーブにあった欠点はほとんど解消されています。構造は、故障しようがないほどシンプルで、ガスストーブに匹敵するほどの大火力、パッキンがしっかりしているので燃料の蒸散もなし。中蓋の開閉具合で火力の微妙な調節もできるので、お茶を入れる程度のショートトレッキングには、もっぱらこれを愛用しています。なんといっても、これに勝る軽量コンパクトなストーブはないのが、最大のメリットです。

[ランタン]

 ランタンと聞いてイメージされるのは、コールマンのツーマントルランタンなどに代表される大光量のガソリンランタンでしょうか。もちろん、このタイプは、重くかさばり、ザックに入れて持ち運ぶといった用途には現実的ではありません。ガソリンランタンは、案外このタイプが多くて、コンパクトランタンというと、ガスカートリッジランタンの代名詞になっています。
 ガスカートリッジランタンはコンパクトなわりに光量もガソリンに劣らず、ザックに入れて持ち運ぶのには最適です。ストーブとランタンの燃料は共通化したほうが合理的に思えますが、ランタンの燃料消費はストーブに比べてずっと少ないので、満タンのガスカートリッジで2、3日は大丈夫。だから、ストーブはガソリンでランタンはガスという組み合わせも問題ありません。
 ランタンを使う場合に注意しなければならないのは、一度使ったマントル(光源となる袋状のガラス繊維)はたいへん脆くなるので、強い衝撃を与えたりしないようにすることです。予備のマントルは必ず用意しましょう。ちなみに、メーカーごとに専用のマントルが用意されていますが、他社製のマントルでも何とか工夫してバーナー部にくくりつけてしまえば使用可能です。プリムス、EPIといったガスランタン用のマントルのほうが、ガソリン用のものより、光が白っぽく明るく感じられます(ただし、こちらのほうが若干高価)。
 最近では、電池式の蛍光灯もけっこう種類が出ています。取り扱いもメンテナンスも簡単でお手軽ではありますが、個人的には、あの冷たい光はアウトドアにはそぐわない気がして、手を出していません。
 アウトドアらしい雰囲気をより楽しみたい、あるいは、もっと荷物を軽量化したいという向きには、専用の蝋燭を光源とするキャンドルランタンがお薦めです。重量は200gあまり、テント内に吊るしても邪魔にならないし、楽に本を読めるくらいの光はこれだけで確保できます。灯芯はホヤに守られているので、少々の風なら消える心配もありません。
●追記
 ぼくが今使っているのは、プリムスのガスカートリッジランタン『2245』が二台、キャンドルランタン一台、そして、コールマンのツーマントルタイプが一台の計4台です。ベーシックなキャンプで使うのは、もっぱらプリムスで、ソロの山行で荷物をなるべく軽量化したい場合はキャンドルランタンのみ、オートキャンプではツーマントルと使い分けています。個人的には、プリムス用マントルの光の色合いがいちばん気に入っています。 

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