[ウェア]

 アンダーやインナーウェアは、キャンプから帰ったら洗濯もしくはクリーニングして、次の使用に備えておきましょう。アウターウェアは、裂け目やほつれなどがあったらリペアグッズを使って補修し、雨具はテントと同じように防水のシーリングや生地じたいの防水性が低下していないかチェックして、シーリングや撥水スプレーで性能の維持をはかっておくようにします。
 アウトドア用のウェアの多くは、シンセティック(化学合成)素材を使用しています。これらの素材は、天然素材に比べて、洗濯やクリーニングで劣化しやすいので注意が必要です。とくに、防水コーティングや撥水処理などが施されているアウターウェアは、あまり丹念に洗うとその効果が薄れてしまいます。アウターは、汚れがひどくなければ、襟ぐりと袖口を丁寧に洗い、あとは軽く濯ぐくらいにしておきましょう。他の衣類も、なるべく洗濯機など使わず、手洗いして、とくに汚れのひどいところだけ重点的に洗うようにします。

[リペアグッズ]

 アウトドアウェアやテント、シュラフ、シューズは強度と耐久性を持たせるために丈夫な厚い生地が使われていることが多く、裂け目や解れを縫おうとしても、ふつうの針と糸ではたいへんです。そんなときは、専用のステッチャーと糸を使うといいでしょう。また、縫うほどの傷でないときやタバコや火の粉による焼け焦げなどはリペアテープで補修します。補修が必要な箇所より一回り大きく、円形にリペアテープを切り(四角く切ると、角がめくれて剥がれやすい)、生地の汚れや水分をよく落としてから貼り付けます。専用の接着剤をつけるものやアイロンを上から当てれば接着できるものなど、いろいろ種類があります。
 ファーストエイドキットの項で、瞬間接着剤を用意しておくと、万が一大きな切り傷を作ってしまったときに縫い合わせる代わりになると紹介しましたが、この手の接着剤は様々なグッズの補修に応用できます。
 布や木材のように浸透性のある素材や、プラスチックや金属でも折れた部分がぴったり合わないような破損の補修には、エポキシ系の接着剤を使用します。これは2液性で接着する直前に溶剤と凝固剤を混ぜ合わせて使用するもので、空気に触れると固く凝固するため、切断面がぴったり合わなくても、その隙間を埋めてくれるのです。
●追記
 補修用具として万能なのは、ガムテープです。ぼくは、長期の登山のときやオートバイツーリングのときには、2mほどの長さのガムテープを丸めて持っていきます。現場ではいちいち本格的な補修はできませんから、グランドシートに裂け目ができたり、テントポールにヒビが入ったりしたときは、とりあえず、これを適当な大きさにカットして貼り付けてしまいます。これほど手軽にしかも確実に接着できるものは、ほかにありません。ただ一点問題なのは、ガムテープを剥がした後に接着剤が醜く残ってしまうことです。これを落とすのに、ちょっと荒療治ですが、ぼくはブレーキクリーナーやシリコンオフを使います。これらは、車のボディなどにこびりついた汚れを落とす最終兵器!?です。ただし、あまり調子に乗って大量に使うと、テント生地を傷めてしまうので、少量をウェスにとって使用するようにしています。

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