[シューズ]

 シューズは、アッパー(表革)がナイロンなどの布製のものと革製のものとで、メンテナンスの方法がことなります。
 アッパーがナイロンや綿のように布製のシューズの場合は、汚れがひどくなったら中性洗剤をぬるま湯で薄め、その中につけて丸洗いし、水で濯いで乾かします。十分に乾いたら全体にまんべんなく撥水スプレーをかけておけばOK。
 シューレース(靴紐)は擦れて解れが目立つようになら交換します。問題がなければ洗濯し、やはり乾いてから撥水スプレーをかけておきます。
 シューズのアッパーとソールの間の圧着部分が剥がれかけていたり、ソールが削れてブロックが磨り減っていたら、そろそろ新しいシューズとの買い換え時です。布製のアッパーは、擦れや紫外線によって劣化が進むので、外見上は問題なくても、せいぜい3、4年が耐用年数の上限と考えておいたほうがいいでしょう。
 アッパーが革製のシューズは、メンテナンスの如何によって寿命が大きく左右されます。アウトドアから帰ったら、水洗いして、よく汚れを落とし、陰干しします。布製アッパーのシューズは天日に干しても問題ありませんが、革は乾き過ぎると劣化するので、必ず陰干しするようにします。
 そして、良く乾いたら防水性のワックスを全体に薄く均等に塗り、再び乾かし、仕上げにブラッシングしておきます。
 ミンクオイルなどの浸透性オイルを大量に塗りつけている人がいますが、これは大変な間違いです。ミンクオイルは、乾燥し過ぎた革に潤いを取り戻すためにごく薄く塗るか、足首回りの当て革が擦れてきたときなどにほんの少し塗りこんで補修するといった用途で使うものです。ミンクオイルのような浸潤性のオイルは、革を柔らかくする性質があるので、これを大量に塗りこんだりしたら、靴がフニャフニャになってしまいます(しかも、もう元には戻らない)。
 革製でも、スエードやバックスキンの場合はワックスやオイルは厳禁です。これは布と同じように、洗って乾かしたら撥水スプレーをかけておくようにします(バックスキンをワックス仕上げして防水性を高めているようなシューズの場合は別です=このタイプは、上記と同じメンテナンス方法になります)。
 革製のシューズは、ソールの張り替えができるので、ブロックが磨り減ってきたら、張り替えるようにしましょう(登山用品店などで取り扱っています)。
●追記
 最近、街歩きに使っているチロリアンシューズを修理に出しました。ぼくの場合、極端な偏平足の上に、足の力が強いので、すぐに靴が傷んでしまいます。とくに内側の踵に当たる部分と、親指の下が擦り減りやすいので、いつもメンテナンスするときは、その部分は重点的にオイルを塗りこんでおきます。それでも、今回踵の部分が擦り減ってしまい、インナーの踵を包む部分をそっくり切り取り、代わりの革を当ててもらいました。ついでに踝にあたって擦り切れていたところも補修してもらいました。10年以上履いて、体の一部のように馴染んでいる靴が5000円あまりの出費でよみがえると、すごく得した気分です。ちなみに、この靴はイタリアのドロミテ製のコルチナというモデルです。ハンドメイドのシューズは、後々修理を繰り返して使えるので、長い目で見ると徳ですね。

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