[ゴミの処理]

 先にゴミは持ち帰ることと書きましたが、とくにオートキャンプでは、豪華な食事用に仕入れてきた生ものなどのゴミは、そのままでは汁が漏れて車を汚したり臭気があって、ついキャンプ場のゴミ捨て場へポイッとやりたくなってしまうものです。でも、こういったゴミがいちばん生態系を乱しやすいもの。これらは、キャンプしている時点で、後の処理のことを考えて、なるべく脱水してカサを減らすようにしましょう。たとえば、調理の際に出る野菜クズや魚の内蔵などは、いきなりゴミ袋に放り込むのではなく、ザルやネットに捨てて水切りし、焚火がおき火になったときにくべて完全に水分を飛ばしてしまいます。そうして脱水したゴミならば、汁も臭気もないし、カサが少なくて処理が簡単なはずです。
 でも、何といっても最良の方法は、はじめからゴミが出ないように食糧計画を立てることです。余分なパッケージはあらかじめ外し、生ものは出発前に下ごしらえすればほとんどゴミは出ないはずです。
 余談ですが、ビールや清涼飲料水のアルミ製の缶は燃えることをご存知でしょうか? 資源の再利用という観点からはあまりお勧めできませんが、火勢の強い焚火に空き缶を放り込むと、30分もしないうちに跡形もなくなってしまうのです。
●追記
 アルミ缶が燃えるなんて、軽率に書いてしまいましたが、気化したアルミや塗料の化学合成成分による汚染のことを考えたら言語道断な行為ですね。このアルミ缶焼却は、登山の世界では、ずっと無頓着に行われてきたのですが、環境ホルモン汚染なども問題となっている御時世に、まさに悪しき風習といえます。缶だろうがなんだろうが、ゴミは必ず持ち帰るという習慣をつけなければいけませんね。そして、持ち帰ったゴミも、ちゃんと分別して出さなければ……。昔は、中央線で山から帰ってくると、一まとめにしたゴミを新宿駅のくずかごにそのままほうり込んだりしましたが、今は、ちゃんと自宅に持ちかえって、分別して出しています。
 余談ですが、最近、渋谷区のほうに仕事場を移したのですが、こちらは、ゴミの回収は、「燃えるゴミ」と「燃えないゴミ」の二種類しかなくて、「燃えないゴミ」のほうは、カンもビンもプラスチックも全て一緒になっています。自宅のある調布市では、ビンとカンはそれぞれ資源ゴミとして、洗浄したものをきちんと分けて出さないと回収してくれませんしは、古紙なども資源ゴミとして「燃えるゴミ」とは別に回収されています。ふだん、コミュニティのみんながゴミについて気を使っているのに、ほかのコミュニティがこんな状態では、いったい自分たちは何をしていのだろうと、がっかりしてしまいます。「ファッションの街原宿」だとか「キラー通り」だとか「ブラームスの小道」だとか気どってみたところで、その裏ではゴミは捨て放題というのではねえ……。

before
next
step12