[GPS、高度計の活用]

 ルート上のどの位置にいるのかを特定するときに、コンパスよりもてっとり早くわかる方法があります。それは、高度計を利用すること(高度計単体の製品や、高度計を含めてストップウォッチ機能なども備えた多機能腕時計などが市販されています)。高度計で現在地の高度を確かめ、後はルート上の等高線を辿って、その高度の位置を見ればいいわけです。アップダウンが多くて、同じ高度を何度も横切る場合は、丘や峠を越えた数を勘定に入れればいいわけです。ただし、ほとんどの高度計は気圧をもとに数値を出すものがほとんどなので、低気圧の接近などによる気圧の変化で値が変化します。出発前に、あるいは、高度がはっきりしている場所で、その誤差を調整しておく必要があります。
 もう一つ、ナビゲーションとしては画期的な方法が普及しつつあります。それは、グローバルポジショニングシステム(GPS)です。カーナビなどではすでにお馴染みのこのシステムに、最近ではハンディサイズの実用品が現れました。これを使えば、緯度経度の正確な座標による現在位置の特定はもちろん、目標地点までのナビゲーションや自分が辿ってきたルートの軌跡まで表示させることができます。すでに、オフロードモータースポーツでは当たり前の装備になっているし、ハンディGPSの使用を前提としたサバイバルレースも行われています。GPSは、これからのアウトドアシーンをドラスティックに変革するツールといえるでしょう(カーナビのように、優しげな女性の声の誘導するままに歩いたら目的地に到着してしまうというのでは味気ないですけどね……)。

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