■答え:Victor「ミニ電」TN-DJ3

「ミニ電」とは日本ビクター株式会社JVCが発売しているコードレス留守番電話機で、ふつうの電話機のように平べったくなく、ちょっと立ち上がったデザインと本体横についた大型の「くるくるダイヤル」が特徴です。

[冷たい月][ニュースの女][甘い結婚][聖者の行進]

■冷たい月
[脚本]尾崎将也ほか/[演出]唐木昭浩
[出演]中森明菜/永作博美/的場浩司

「ゆりかごを揺らす手」のパクリとの噂される「冷たい月」だけど、復讐に燃える希代加(中森明菜)の部屋に「ミニ電」を発見。以後、何気なくドラマを観ていると「ミニ電」の登場するシーンが多いことに気づく。これってシンクロニシティ? それともフリーメイソンの暗躍? たんにビクターの広報活動の一環? 気になるぜ「ミニ電」。

希代加(中森)の夫(辰巳琢郎)は交通事故を起こし、ひき逃げをしてしまう。それを目撃した美咲(永作博美)の通報で警察の手が及ぶや、中森の目の前で自殺していまう。中森は永作を逆恨みして復讐を誓うわけですな。永作の家の隣に引っ越してきた中森、いやがらせの無言電話……おっ「ミニ電」だ。

ドラマも中盤、永作のかまえるナイフで自ら体を刺す中森。永作は傷害罪で懲役4年。あっという間に4年が経ち出所。永作を待ちうけたのは、自分の夫と息子と仲良く暮らす中森だった。その家にあったのは見覚えのある「ミニ電」。ちょっと待てよ、あれから4年経ったんだろ。今が現在だとすると、4年前には「ミニ電」は、まだ発売されてなかったはず('97年7月発売)。考えられる結論、「冷たい月」は、少なくとも「ミニ電」の発売から4年後(2001年)の近未来ドラマということか……。

結末、中森は永作の子供を連れて逃走、セットまる出しの鍾乳洞で子供を殺そうとするが、お決まりの落盤が起こる。中森はとっさに子供をかばい下敷きに。子供は無事救出されるが、中森の遺体は発見されない。ラストは、中森をひたむきに追っかけていた忍(的場浩司)が中森の遺体を抱きかかえて雪の中を歩くシーンなのだが、先ほどの落盤事故はウソのよう。中森の顔は汚れていないし、それどころか真っ白なコートも汚れひとつない。これって何ってカンジ。中森が真っ白な純真な心に戻ったというイメージショット? ふにゃふにゃふにゃ~っ。


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■ニュースの女
フジテレビ系/全11回('98年1月7日~3月18日) [脚本]田淵久美子/[演出]小椋久雄
[出演]鈴木保奈美/長塚京三/滝沢秀明/野村宏伸/藤原紀香


TVニュース番組のアンカーに抜擢された環(鈴木保奈美)。その初日に読んだニュースが夫(西村雅彦)の交通事故死を伝えるものだった。そーいえば「冷たい月」も初回でダンナが死んでしまったなぁ。西村には前妻との子供(滝沢秀明)がいて、ひょんなことから同居生活を送ることになる。そんな保奈美のマンションのリビングにさり気なく置かれているのが「ミニ電」だ。

F1レポーターの川井ちゃんと離婚しちゃった保奈美だけれど、保奈美といえば、トレンディードラマという言葉がまだ初々しかった頃、赤名リカ役の「東京ラブストーリー」。オープニングではテレホンカードを手にグリーンの公衆電話に並ぶ群衆、雑踏風景が描かれる。今や携帯電話やPHSの普及で、採算をとれない公衆電話は姿を消しつつあるという。「東京ラブストーリー」の第1回では、赤名リカ(鈴木保奈美)が会社のバカでかい携帯電話を使っていた。時代の流れをカンチ、いや、カンジますなぁ。


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■甘い結婚
フジテレビ系/全11回('98年1月8日~3月19日)
[脚本]楠本ひろみ/[演出]加門幾生ほか
[出演]木梨憲武/財前直美/高島礼子/内藤剛志/財津一郎


麻子(財前直見)は、出版社へ勤める夫(木梨憲武)とひとり息子、一家三人の平和な家庭を築いていた。しかし財前が密かに書いた小説「家族崩壊」が賞を獲り、出版されることになる。財前はこれを機に小説家の道を志し、一方的に木梨に離婚を申し立て、家を出ていってしまう。そんな財前の実家の居間には「ミニ電」が……。財前の父(財津一郎)も、意外と新しモノ好きなのね。

会社からリストラされ、家庭からもリストラされちゃう世の中です。戦々恐々のおとーさんに比べ、「リストラ離婚」の池内ひろ美さんは、ちょくちょくテレビのワイドショーなどにも出演していて元気いっぱい。世のおかーさんたちは、こぞって「自分探しの旅」へ出たりするから大変です。妻や恋人が「ライター・スクール」や「文章教室」に通い出したら、要注意ですぞ。


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■聖者の行進
TBS系/全11回('98年1月9日~3月27日)
[脚本]野島伸司/[演出]那須田淳ほか
[出演]いしだ壱成/酒井法子/段田安則/雛形あきこ/斉藤洋介


「人間・失格」以降、すっかり定着した感の野島伸司のイジメ・ドラマ。音楽教師のもも(酒井法子)はボランティアで近くに住む知的障害者たちに音楽を教えていたが、次第に彼ら、彼女らの働く工場の過酷な実態に気づいていく……。野島伸司との破局も報じられている、のりピーの部屋には「ミニ電」がよく似合う(根拠なし)。広末涼子が死んじゃう回では、ミニ電の留守番機能のディスプレイが超アップで映る。ビクターさんも大喜びだ。

TBSは金曜の夜9時から「略奪愛・アブない女」のあと、10時から「聖者の行進」という編成だった。「略奪愛」で赤井英和と鈴木沙理奈のヘンな標準語で叫ぶ「アニキ~」「鈴ちゃん」の連発で、こちら視聴者の頭を痴呆状態にしておいて「聖者の行進」を観させるというのがTBSの策略? とどめは番組ラストで流れる中島みゆきの朗々とした歌。もう、何がなんだかわからないまま、バッド・トリップ、妙なカタルシスを味わえました。ハイ。


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