「バーチャル書店めぐり」
(第11回:'98年3月17日掲載)




近年、都会の書店だけでなく、郊外に駐車場を完備した大型の書店が多く見られるようになった。書店の棚にはあふれんばかりの書籍が並んでいる。(社)日本書籍出版協会の調べによると、日本では毎年、およそ5万点の新刊書籍が出版され、50万点の書籍が流通しているという。ぶらりと散歩の途中で立ち寄った本屋で、これといった目的もなく、いくつか目についた本を手に取り、購入するのも楽しいし、意外な本との出会いがあるかもしれない。

しかし、目的の本を探すとなると大変である。ましてやその本の出版元もわからず、著者もわからず、書名もうろ覚えであったりしたら、お手上げである。そんなときに役に立つ、インターネットのバーチャル書店をふたつ紹介しよう。

ひとつは「紀伊國屋書店」のホームページ。なんと120万件のデータベースから目的の本を探し出すことができ、注文することも可能だ。たとえ著者名や書名がうろ覚えでも、わかっている部分を入力すれば、部分一致する本の一覧が表示されるので検索は容易だ。登録会員の年会費は1500円だが、ひと月あたりにすると125円なので、書店をはしごして探しまわることを考えれば、非常に安上がりかもしれない。

もうひとつは洋書関係に強い丸善のホームページ「MARUZEN」だ。洋書に関してはディスカウントもあり、また海外の文献を取り寄せる「ドキュメント・デリバリー・サービス」の代行業務なども行っているようだ。こちらも和書、洋書とも検索することができる。検索結果が表示されるのは10件までだが、会員になると、200件まで表示される。送料は1回につき380円だ。

どちらの場合も、会員登録の申し込みは、規定の申込用紙をプリントアウトし郵送かFAXで送る方法をとっている。個人情報をインターネットで送信する際のセキュリティを考慮してのことだろう。また、会員登録の申し込み、支払いにはクレジットカードが必要になる。
探している本の出版社がわかっている場合は、インターネットによる直販を行っている出版社も多いので、そちらをあたってみる手もある。いずれにしろ、家に居ながらインターネットで書店めぐりをするのも楽しいもんですよ。


紀伊國屋書店
http://www.kinokuniya.co.jp/
MARUZEN
http://www.maruzen.co.jp/index-j.html