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21世紀、草創期のWebマーケティング事例集

case002 オートバイテル・ジャパン
2000.03.16東京第1回 事例研究―1

インターネットによる自動車仲介事業の展開

オートバイテル・ジャパン株式会社
マーケティング本部ITプロモーション企画部長 塩田将司氏

http://www.autobytel-japan.com/

はじめに〜事業を起こした背景

 会社を起こして4ヶ月ほどです。私共の会社はインターネットで自動車の販売の仲介をするという会社です。アメリカでは5年前からオートバイテル・U.Sという名称でやっています。
 前半ではオートバイテル・ジャパンを立ち上げるにあたっての背景、後半はオートバイテル・ジャパン自体のお話をさせていただきます。

ECビジネス展開のポイント

(1)拡大するインターネットとECビジネス概況

 インターネット利用者数は99年の予測で米国が8000万人、日本が1850万人。その中のユーザーのプロファイルを見てみますと、アメリカの例ですが、当初のアーリーアダプターは男性の30才代ビジネスマンで比較的高収入高学歴という人でしたが、今は女性が4割を超え(AOLでは5割を突破)、更には職場から家庭へ、あらゆる職業、あらゆる所得層へと拡大しています。
 日本でも、同じような状況が足元で起こっています。我々のビジネスにとりましても、非常に短期間でユーザーのプロファイル自体が月次で変わっていまして、アメリカと差はありますが、今後一層、そのスピードを早めつつ進行することは間違いありません。
 また企業普及率が80%、世帯普及率が11%です。各メディアが10%の普及率を達成するまでに要した時間ですが、電話が76年、ファクシミリ19年、携帯電話で15年、インターネットに関しては日本に登場して5年で普及しています。だいたい10%〜15%を過ぎると普及が一層加速するといわれています。インターネット時代の普及はこれから加速的に進むだろうと考えられます。その要因は@世界規模の現象であること、APC以外の接続ツール自体の多様化(特に日本で)、B地価や人件費が高いという環境が、却ってEコマースというネット上でのバーチャリティを促進する(特にアジアで)、Cパソコン義務教育の開始、などです。
 なお日本での接続ツールの多様化に関しては、プレステ2などのゲーム機、iモード、PDA、インターネット家電など、実にさまざまな可能性を秘めています。

 次に日米のECの市場規模を見てみます。
 BtoCは米国は98年の2.25兆円が5年後には約10倍の21.3兆円の予測に、 BtoBでは98年の19.5兆円から5年後には約8倍の165.3兆円になります。日本では、BtoCが98年に約650億円、これが5年後には3.1兆円と50倍弱という拡大が期待されています。BtoBも8.62兆円が68兆円となり約8倍です。いずれにしても大きな伸びが期待される分野です。
 これを業種別にみると、2003年時点の予測では、BtoCでは旅行、自動車、PC,サービスといった順になります。BtoBでも一番大きいのは電子情報管理の部品、製品。それから自動車関連の部品、建設、そのあとに食品、運輸物流と続いています。またEコム(電子商取引実証推進協議会)が1月に出した最初の数字ですが、99年の推定の実績値は、不動産で約880億円、自動車で860億円になります。もちろん単価が高いというせいもありますが、伸びをみますと自動車が98年から99年にかけて約43倍になっています。去年の11月ぐらいに私共とかマイクロソフト・カーポイントという会社がオープンしたことにより、自動車ビジネスに伸びが出てきているということが我々の実感です。
 JDPowerの調査では、アメリカでは新車購入時になんらかにおいてインターネットを利用するユーザーの割合は97年16%、98年25%でした。予測ですが99年はベストで41%、ワーストで28%。2000年はそれが66%と34%です。実績値はベストケースで来ており、日本でも高い伸び率が期待されます。日米の差は急速に縮まってくるでしょう。市場規模・成長性ともに魅力的な市場と言えます。

 (2)ECビジネス参入のメリットとポイント

 こういうECビジネスに参入する際にどのようなメリットがあり、そのためにクリアしなければならないポイントは何かを、私共の例を参考に挙げてみました。
 ECビジネスに参入するメリットは、大きく2つあります。業績アップ(生産性アップ・コスト削減、新たな売上)と株価の向上です。
 ECのビジネスで、生産性向上の例で説明しますと、米国でのネットを伴わない通常の自動車販売プロセスでは、顧客の来店誘導、説明売り込み、条件交渉・契約、ローンと保険の契約、そして納車と5つのステップがあり、来店誘導、説明などそれぞれに担当者がいてそれぞれにコストや人件費がかかるという構造があります。これがオートバイテルをつかうと3ステップに短縮できます。具体的に米国では通常セールスマン一人あたり一月のクルマ販売台数が8台〜10台です。オートバイテルを使うと25台、ベストケースで35台ぐらいまで生産性が上がり、結果として販売コストが下がるということになります。通常100台あたりの販売コストは約12万ドルですが、オートバイテルによりますと2万ドルと1/5位に下がります。このコストの削減がディラーにとっても競争意欲となっています。
 日本でも現在セールスマンが一月に売る台数が3台〜4台になっていると聞いていますので、チャンスがあるのではないかと思われます。別の例ですが、今日の日経新聞に一面広告で出ていたコクヨの文具のオンライン調達システムを使うことによって、日本酸素さんは年間コストが8230万円から6540万円になり、社員ひとりあたりに対して一万円ぐらいのコストダウンが可能になったという事例です。
 次に各株主へのアピールと株価を上げること自体が目的という点。これについては是非もありますが、将来性への期待ということで会社としての競争優位の獲得につながると思います。ソフトバンクの株価は去年の1月で約6700円、3月で約8000円でしたが、去年の8月で3万円が現在約7,8万円から10万円くらいです。こういったことによる株主の期待は確かにあると思います。
 さてこういうECに参加するリスクについてどう考えるか、当初オートバイテルの事業を立ち上げるにあたってのディーラーの方の印象深かったコメントは、(非常に大きな公開もしているディーラー経営者の方)要はECに参加するリスクというのは大きいかというと、答えはNOであり、なぜならば、参加しないリスクということを考えた時に、現状の売上を全て失う可能性があると言っています。ここでは元手数千万円の投資リスクははるかに小さいといえるという認識があると思います。

 ここでECビジネスに参入するためにクリアしなければならないポイントを確認しておきたいと思います。
 第1にタイミング。市場ニーズがあるかどうか、競争条件の判断をして適切なところで参入する必要がある。
 2番目はスピード。意思決定を早く立ち上げる。さらに途中でビジネスを変えていくようなスピード感が要求されます。だいたい7年が1年でドッグイヤーといういわれかたをしていますが、非常に重要だと実感しております。
 3番目はもうかる仕組みの構築。株式会社である以上儲かって収益をあげていくことをしなければなりませんが、このあたりがおざなりになっているようです。自戒を込めてここを意識してきちんとディフェンスできるように仕組みをつくることを当初からやっております。
 4番目は「勝ち組み」の形成。日本企業に多い全てを自前でやろうということとは違い、やはりスピードが重要でそれぞれに強い分野をお持ちの企業が集まって、「勝ち組み」という勝者連合を作って早いスピードでビジネスしていくという形が求められると思います。オートバイテルはそのフォーメーションで、事業を立ち上げています。
 5番目に人材の収集。私共も人手が足りない状況ではありますが、このビジネスをやっていただける人材を見つける事に難儀しています。結局は人のビジネスであると痛感しています。
 6番目は資本政策。特にネットビジネスであると、最初に勝ったところが、余計にその後勝っています。収穫逓増とか、「We are next all」勝った人が全てを奪っていくというあまりいいことばではないですが、確かにそういう部分があり重要です。

 (3)ECビジネス展開のポイント〜ABJ立ち上げの例

 ビジネスプランニングということで、市場分析、顧客分析、日本のビジネスモデル・ギャップ分析、競合分析、そして当たり前ですが財務分析をやって、更にその中で スタート時のパートナー探しをしました。
 このビジネスモデル自体はU.Sに元のベースがありましたが、具体的なプランニングを1週間くらいでやりました。
 スピードという点では、実は設立をしましたのは去年の6月で、机を運び込んだのは7月の初旬でした。ビジネスの立ち上げ自体が11月の1日ですので実質4ヶ月です。3ケ月でシステム面も含めて全てを立ち上げなければならず、米国との交渉それから、資本参加してもらっている大手企業のパートナーの方々との調整面を含めたものがありましたし、10月はほとんどテストをしておりました。
 具体的に事業の立ち上げとなりますと、事業政策、資本、取締役会の運営、マーケティング、営業活動、管理アドミニストレーション、システム資材の構築、さらに公開を準備していくことなど、整合性をとってオーガナイズしていくことが重要でした。またそのことがスピードに効いてきています。特にシステムに関しては3ヶ月ぐらいでITというものが重要になってきます。

オートバイテル・ジャパンの事業概要

 オートバイテル・ジャパンのビジネスについてお話をさせていただきたいと思いますがその前に去年の11月の立ち上げの際に日本テレビのニュース番組で簡単な特集を組んでもらいましたので、ご覧になってご理解いただければと思います。(VTR)
 以上ですが、最後にキャスターの方がいったように、ポイントはインターネットで高額のクルマを買うという消費者の不安です。我々もインターネットだけでは絶対にクルマは買えないと認識しています。従ってマーケティングでは『インターネットでも安心してクルマは買えます』が重大なポイントになります。

 ●オートバイテルの仕組み

 これ(図)は私共の事業全体の流れです。真中にあるのが、私共のサーバーです。サーバー上にホームページがありユーザーの方がここにアクセスして、現状は新車中心ですが、新車に関していろいろな情報の比較検討ができます。ここに自分の買いたいクルマがあったら見積もり依頼のをスイッチを押すと、加盟ディーラーの専任担当者がメールを受けます。そして応じた見積もりを送ります。最初の見積もり依頼から4,5回のやりとりがあり、DRT(ディーラーリアルタイム=営業サポートシステム)でステイタスを管理できるようになっています。最終的にはオートバイテルのウェブ上だけでクルマを買うのではなく、ユーザーの方が店頭に来て下取りなど見て試乗などもしてここで契約を結び買うことになります。
 コンシューマーから見えるのは以上の部分だけですが、最大の特長はディーラーをいかにサポートできるかがビジネスの特徴で、いくつか仕組みがあります。例えば、システムがあってそこに専任担当者がいます。最初にその専任担当者のかたにオートバイテルユニバーシティという集合研修をまる2日間していただき、この研修を受けた方だけがシステムを触ることができる仕組みになっています。更にこの方をサポートするためにディストリクトマネージャーというフィールドサポート部隊の方がディーラーを巡回し、現状の仕組みや進捗に関しての問題点に対して他で成功している例などをお話いただいています。そしてオートバイテルのサービスのクオリティ維持と向上のために絶対のシェアリングをしています。もうひとつは、分析リポートということで、ホームページを通じてのユーザーの動向をディーラーにフィードバックしています。

 ●オートバイテルの知名度

 米国でのジャンルを問わないECサイトで1位がアマゾンの約60%です。2位以下が有名サイトでオートバイテルは今8位ぐらいです。今後かなり上がってくると考えています。自動車については4割の人がインターネットを使うとお伝えしましたが、サイト別に見ますと1位はケリーブルー、2位がコンシューマーリポートで2社とも情報提供のサイトです。オートバイテルは3位ですが、販売をしているということでは1位になります。

 ●オートバイテルの強み

 オートバイテルは勝者連合と申しましたが、たとえばインテックはシステムの会社で特に金融機関中心で5年連続で顧客満足度No.1ということで、サポート力、構築力が優れています。伊藤忠は自動車部門に歴史があって各メーカーに太いパイプを持っています。トランス・コスモスはマーケティングのノウハウをお持ちで、リクルートはデータベース事業をしていて自動車を中心に強みをお持ちです。オリコはメーカー系、非メーカー系に強みをお持ちです。GEキャピタルは出資ではなく日本リースオートという会社を有しておられリースプログラムという点で12月からご参加いただいています。
 オートバイテルに参加していただき、出資をしながら単なるお金の関係というのではなくそれぞれの会社の強みを提供いただきまして、この方達に集まってもらいビシネスプランを描いて、実際にビジネスを推進しています。このような仕組みを取ったことにより3ヶ月で事業の立ち上げができたと思っております。

 ●ユーザーニーズに対する解決方法

 事業を立ち上げるにあたって、インターネットで自動車を買うビジネスは日本で成り立つものなのかユーザーニーズドリブンについて調査を行った結果、情報を調べることに関して利用したいかどうか聞くと、77%の方が利用したいと答えています。ところが、ディーラーからいきなりコンタクトがあるということに対しては非常に抵抗があると答えた人が約65%います。しかし買う気がなくきているかというと、手段はインターネットを使っているかは別として実際にクルマは購入されているのです。要はインターネットのユーザーでもそれなりのニーズがあってキチンとした対応をすれば、ビジネスチャンスはあるということです。
 我々なりにニーズについてもう1回ブレスト等で洗い出しビジネスモデルを作りました。インターネットのユーザーニーズは「商品情報を幅広く収集して比較したい」「第3者の忠実的意見を聞きたい」「感情的ではなく合理的に意思決定をしたい」「自分のペースでプロセスを進めたい」「かけひきをデータに基づいて検討したい」「信用できる相手と取引したい」「自動車購入全プロセスを一貫した進めたい」などの合理性志向を強くもっています。このニーズを解決するためにどういう方向性があるか8個あげました。

  @どこからでも、容易なアクセスができる。
  A豊富なデータをそろえる必要性がある。
  B押し付けではない客観的なデータであることを保障してあげる。
  C検索比較が自由にできる。
  D いろいろなことがワンストップで終わらせることができる。
  E安心感を与えることが必要である。そのために我々は正規代理店のみとしている。
  Fマイペースで商談プロセスを進めたい。
  Gクオリティを維持改善してほしい。

 このニーズを解決する方法を考えた時、インターネットでやることが得意な部分というのは上の5つです。安心感とか、商談プロセスをマイペースでやりたいとか、例えばメールで送ったら翌日突然電話がきたとか、家に帰ったらカタログが置いてあったというようなことだったら、インターネットユーザーはそこでアウトになります。サービスポイントにしても同じことです。必要とされる組み合わせは、ディーラーさんが提供しかつ期待されていて、それをまた我々がサポートさせていただくという機能です。先ほどの図にありましたが、我々の業界においては競合が非常に多く、おそらくそれだけでビジネスが完結されます。
 商品特性にもよると思いますが、例えば、アマゾンの本であるとか、CDなど購買頻度が短くて、単価も安いものはインターネットだけでも購入されると思いますが、自動車のように単価が高くて、住宅に次いで、4〜5年に1度という購買頻度が長いものに関しては、アフターサービスに期待されたり、目で見て買いたい、そして別の買い方があるのではないかと思われています。これについてうまくインターネットの良さと組み合わせて使うことが我々のビジネスポイントであります。
 これはうちのトップページですが、強者連合ということで、こういった大手企業さんと独占で契約をさせていただいています。お力を借りることで@〜Gについて解決することができました。 「容易なアクセス」では、ニフティ,ビッグローブ,富士通,NECなど接続サービスで個人ユーザー数の半分位になります。ビッグローブのなかの自動車ジャンルを見ますと私共のとつながるようになっています。日本でも急成長しているエキサイトやアイコスともタイアップしています。ガソリンスタンドは自動車ユーザーを共有することで、お互い信頼性がありまして、カード会員200万人に対してPRさせていただくとか、ガソリンのキャッシュバックキャンペーンをやるなどしています。ローソンはこの秋以降全店端末を設置するということでタイアップを考えています。そしてオンライン証券です。同じユーザーをターゲットにしているということで,双方にシナジーがありますのでお互いに顧客誘導をしています。どこからでもユーザーがオートバイテルにいけるように間口を広くしてあります。
 「豊富なデータ、客観的データ」は、リクルートですが、データを見ると国産車,輸入車がいろいろ可能な全てのスペックデータをグレードからオプション検索まででき、非常に強力なところがあります。例えば、エキサイトのデータですが、特に簡単なオールなデータということで、クルマデータベースといわれている新車パーツファイルで国別、メーカー別検索、目的別、こだわり用途別などという多面的な検索ができるようになっています。ドイツのBMWクーペというところではデーターとしてきちんとみられるようになっています。このデータは業界中で歴史を持っている業者さんとタイアップをしていて高い信頼性があります。また、BMWについて背景としていつ導入されたかなど詳しい解説があって、別の視点からみることもできます。
 「検索・比較」複数のメーカーの車種、たとえば200万円前後で4ドアセダンで選択したいというときに、スカイライン、アコード、カペラ、インプレッソ、それぞれのスペックで、色やエンジンはどうかなど、かなりの量を横並びで自由に検索・比較が可能です。これを自分でカタログを集めてやろうとすると、大変な労力が必要です。
 「ワンストップ・サービス」は、オークネットなどで中古車のデータ検索や、春以降実際に我々のサイトから購買できるようになります。あとはパーツについて、バーチャルオートアルファでネットエッジという日本で最大ネットの自動車パーツ会社ですが、150メーカー、40,000品目のパーツがあり、ここで検索して現状の見積もりを取って買うこともできます。もう少し先には、正規ディーラーにそのパーツをオーダーして最初から組み付けて買うことができるということを考えています。ローン、保険、アフターサービスなど、ひと所で済ませることが、ユーザーにとってのメリットだと思っています。

 以上までがインターネットの得意とするところですが、インターネットではない部分の機能ということで、正規代理店は自動車を購入する際には是非とも必要です。下取り車の過程であるとか契約、車庫証明、登録、納車整備等アフターサービス、こういったところがディーラーの得意なところであります。

 「商談プロセスとサービスクオリティを確保」するために4つの仕組みを私達は持っています。

  1.営業サポートシステム(DRT = Dealer Real Time)
  2.加盟時の集合研修(ABTU = Autobytel University)
  3.フィールドサポート(DM = District Manager)
  4.分析レポートです。

  ●DRT

 営業サポートシステムは通常、コンシューマーにはみえないようになっていて、普段、我々のノウハウの塊になっています。これは、専任の担当者だけ触れるようになっています。最初のディーラーリアルタイム加盟をみると、ID、パスワードを入力するようになっています。ここにはいりますと、この日新規の見積もり依頼がどのくらいきているのかがわかります。たとえば依頼が4件きていて、お客様情報という項目にクリックしてみますと、赤い文字がありすぐに連絡を取って下さいということがわかります。サービスのポイントのひとつにユーザーから見積もりを受けたら必ず48時間以内に返答してくださいということが決まっています。いろいろな統計等調べましても早ければ早いほど返信率が高く、インターネットユーザーは特にすぐに返答がないと他へ移ってしまいます。この例では全部で22件の見積もりがあり、コンタクトがとれ、同時に見積もり、商談、ステータス管理ができるようになっております。
 見積もり依頼の一覧をさらに細かくみますと、ひとつひとつの商談と見積もりのステータスがでていますが、新車でコンタクトができ、見積もりや整備などがあり、情報をすぐ見る事ができます。
 たとえば、名前、電話番号、購入希望時期、都道府県を入力します。いきなり電話がかかってきたり、ディーラーから営業マンがいきなり来たりなどというユーザーのニーズに反することがないように、住所については入力いただかなくても返信できるように成っています。この例ではコメントとして、家族には内緒ですので連絡はメールにして欲しいと言ってきています。アクセスをみていますと、会社の昼休みが大変多いですね。いろいろご事情はあると思います。この方にEメール送信ボタンを押しますと、これは雛型が用意してありまして、ケースバイケースでメールでの、定価通常とか定価の下取り相手とかもしくはワンプライス制での金利など、いろいろな前置きがしてあって、この文面で例えば定価通常というところを押しますと、これは押した瞬間にでてくる画面でその方のお名前は全部入っている、標準的なフォーマットです。「このたびは、オートバイテル・ジャパンのサービスをご利用いただきましてありがとうございます。わたしは、藤田さまの担当をさせていただく、オートバイテル加盟ディーラーの本田と申します。」これは最初にオートマチックでできるようになっていまして、更にこれに自分でカスタマイズして文面等を変えることも可能です。こうやることによって、更に見積もり依頼の処理というのが非常に簡単にできるということがポイントです。これ自体の文面をさきほどのディストリクトマネージャーを中心にどんどん変えていくことで、よりリスポンスが上がるような仕組みを取っています。
 他のメニューといたしましては、たとえば、お客様からのメールということで見ますとこういう一覧が、なかには見積もりだけではなくて電話で教えてくださいなど、いろんなメールが見られるメール管理機能もあります。よくきかれる質問で、ディーラーで使う場合のノウハウ集でヘルプですが、見積もり依頼で文字が赤青緑になっているは何かということですが、緑だと24時間以内、青だと24〜48時間、赤は48時間以上経過しているので、至急連絡を取ってくださいということです。これは現在バージョンアップをしていてノウハウを蓄積しています。

 ●ABTU

 集合研修ということで、内容は「インターネットがもたらす社会の変化」「オートバイテルの概要」「オートバイテルの顧客像」「インターネットユーザーが得ている情報」「オートバイテルの販売プロセス」「成約への鍵を握る電話販売スキル」などで構成しています。
 担当者のスキルによって全く成約率が違ってきます。キチンとやっていただく方とそうでない方を比較すると5倍くらいの成約率の差がでてきているので、こういったノウハウをやることによってビジネスチャンスがあるということが判ってきます。ディーラーの方にアンケート等をとると、かなり高い満足度で評判が良いバックサポートの仕組みです。この全体の仕組みは米国のものではなくて、ビジネスを立ち上げるにあたって日本で実際にシュミレーションして、ディーラーの方にお聞きし何度かこういう研修をやってみて今までのもから2〜3割直してから、日本向けにして活かしています。

 ●DM

 あとはこのディストリクトマネージャーで、研修の上で不足する内容をサポートしたり、オートバイテルのクオリティの維持向上をして更に評判を蓄積します。

 ●分析リポート

 最後に分析リポートです。ディーラーの方は顧客対応等で満足だった方についてはわかると思いますが、不満だった方やアクセスして買わなかった方、データだけを検索した方についてインターネットではリアルタイムで全部記録されます。ユーザーの行動範囲をフィードバックすることがリポートのポイントとなります。これは成約率を高めていく上でたいへん有効になっています。

実績、今後の課題

 事業の経過ということでマーケティングという観点から、広告宣伝等もさることながら社会現象ということでテレビ等でも取り上げていただきまして、設立以来いろいろ支持していただいています。
 今の加盟ディーラー数は、メーカーによっても差があり、トヨタは独自でやっているので加盟していませんが、当初立ち上げが約200社だったのが300社くらいに。4月末まで約500社になりそうで、1年後に1000社ほどを見越しています。ユーザーにとっては、すべてのクルマが買えることがポイントだといえます。先ほどのテレビニュースで社長が伺った会社は三菱で、11月当初では、メーカーさんのなかでも既存の流通を破壊するなどといわれ理解されませんでしたが、実績を上げてメーカーとして契約をいただきました。アクセスも含めて見積もり依頼が1年間で10万件達成できています。今後はローンと保険、アフターサービスも含めましてこういうイメージをもって展開していきたいと思っております。
 「安心してクルマが買える」ということをいろいろと考えながらやってきたつもりです。今日のように時間をいただいてお話をさせていただければ伝えられることもあろうかと思いますけれども、なかなかそこがコミュニケーション上うまくいきません。こういったところを今後どうしていくかが一番のポイントであり、その中で安心感をどうしていくのかというところがEC展開のこれからの課題ではないかと思っています。

(質疑応答)

Q1 御社の売上はどのように入ってくるのか。
A1 ユーザーからは無料です。ディーラーさんから固定費と見積もり依頼1件についていくらということになります。電話料金でいう固定費と変動部分ですね。あれと同じような形態をとっています。それが我々の収入です。新車の販売に関しては契約依頼ではなく見積もりです。

Q2 メーカーの反響はどうか。
A2 当初立ち上げ時というのは、なかなかむずかしかった部分があって、その際にはこういったことをご説明してご理解いただきます。逆に日本ではディーラーサイドに関して、メーカーとの契約ということが強いのですが、参加のディーラーとしていろいろやりたいようにご判断いただいたところ、ご賛同いただきました。ただ昨今は実績が出た中でこういったものをお見せするとご理解いただける部分があります。ディーラーさんだけではなくて、メーカーさんも含めて変わってきているということだと思います。(文責:事務局)
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