きれいな空気はみんなのもの

 「自分のタバコはいいけれど、他人の煙はいやなんだよなあ」と喫煙者ご本人さえおっしゃる。わがままともいえるが実はこれには理由がある。「受動喫煙」これは意志に反し非喫煙者がタバコの煙を吸わされることをいう。手にしたタバコの先からたち昇る副流煙は、喫煙者が吸う主流煙より粘膜刺激が強く高濃度の有害物質を含む。ニコチン3倍、発ガン物質のベンツピレン4倍、一酸化炭素5倍、アンモニア46倍、ホルムアルデヒド50倍、等々。

 眼やのどの痛み、頭痛、咳等は受動喫煙の急性影響で、1時間以上に及ぶと血中CO−Hbや心筋の酸素需要度が増す。しかもこの反応は常習喫煙者よりも非喫煙者に強く現れるという事実を喫煙者は心にとめておいて欲しい。妊婦の隣でも紫煙をくゆらす人がいる。マナーよりも本当に必要なものは優しい心。「吸ってもよろしいでしょうか」と優しい言葉をかけられても吸われれば苦しい。

 この春、労働省と厚生省から別個に、職場の喫煙対策と公共の場所の分煙のあり方が発表された。(阿部眞弓)

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