*タバコはなぜいけないの?

受動喫煙とは→きれいな空気はみんなのもの

・「タバコの害について」

小学生・中学生のみなさんへ

もしかしたら、タバコを吸う大人を、少しでもかっこいいと思っている人がいるのではないでしょうか?でも、それは大きなまちがいです。

タバコをすうと、ニコチン依存症になってしまい、タバコをやめたくてもやめられなくなってしまいます。そして、すこし走っただけで息が切れたり、顔のシワがふえたり、イライラして怒りっぽくなったりと、カッコ悪いことばかり体におきてきます。

(以下の文章は、青森県喫煙問題懇談会、同分煙の会の木村 茂 医師が、子どもたちへの呼びかけのためにいつも使っている警告文から一部を抜き書きし、木村先生の許可を得て、まゆみ先生が一部書きかえなどをさせていただいたものです。)

小・中学生の皆さんへ。

タバコは吸い始めるとやめたくてもやめられなくなります。うそだと思ったら、タバコを吸うお父さん・お母さん・お兄さんに聞いてごらんなさい。

これは依存症(いぞんしょう)といってりっぱな病気なのですよ。

依存症になると勉強も仕事も手につかず、頭の中はタバコほしさでいっぱいになってしまいます。起きているあいだじゅう、40分に1回はタバコの煙を吸いこまなければがまんできないようになり、どこへ行くにもタバコとライターを持たずには出かけられません。つまりタバコの奴隷(どれい)になってしまいます。

いま、おおくの大人たちが、タバコの恐ろしさに気づいて、禁煙をはじめています。ところが依存症になってしまうと、禁断症状という死ぬほど苦しい思いをしなければタバコを止められなくなってしまいます。

またタバコのために病気になり、死んでいく人が増えるとタバコの売れ行きが落ちますから、たばこ会社は喫煙者を増やす方法を必死で考えているのです。

何よりも、タバコの害をまだ知らず、コマーシャルの影響を受けやすい人たち! それは皆さんなのです。皆さん、子どもや若い人たちが一番狙われていることを忘れないで、決してだまされないようにしましょう!

 ♪♪♪♪♪♪♪♪ ♪♪♪禁煙は愛♪♪♪禁煙は夢♪♪♪禁煙は思いやり♪♪♪
          ♪♪♪♪♪♪♪きれいな空気はみんなのもの♪♪♪♪♪♪



 「タバコの害について」

 タバコ煙には4千種以上の化学物質が含まれていて、そのうち有害物質は確認されているだけでも、270種。COや習慣形成の主犯であるニコチンのほか、多くの発ガン物質や発ガン促進物質、粘膜を障害する物質なども含んでいます。喫煙すると、心拍数や血圧の上昇、末梢血管の収縮など、循環器系への急性影響が出ますが、これはニコチンによるもの。COは赤血球液中のへモグロビンと結びついて、酸素運搬機能を阻害するので、ヘビースモーカーは慢性的なCO中毒や酸欠の状態になり、また、血管が傷みやすくなったりします。

 循環器系や呼吸器系への影響は特に顕著で、例えば心筋梗塞や狭心症で死亡する率も1日25本以上吸う人では非喫煙者の1.7倍、50本以上吸う人では2.2倍高いと報告されています(*1)。また、喫煙者は咳や痰などの呼吸器症状のある率が高く,肺機能の低下も観察されています。当然、慢性気管支炎や肺ガンなどの発症も高率で、特に日本の場合、肺気腫(*2)は、喫煙者にしか発症しないと言われている程です。

 2000年には全ガンのトップに立つと予測されていましたが、男性の肺ガン死亡率は、すでに胃ガンに代わりトップになりました。このほか、喫煙者では口腔、喉頭、咽頭、食道、胃、膵臓、肝臓、腎臓、膀胱、子宮など、ほとんどのガンのリスクが増大(*3)。特に喉頭ガンは、原因の96%を喫煙が占めています。ほかにも、胃・十二指腸潰瘍をはじめてする消化器系疾患や脳萎縮、聴力低下、骨粗しょう症などなど、喫煙は多くの病気の発症や進展と深く関連しているんです。

 禁煙後しばらくは、イライラ、集中困難、不快感、疲労感などの離脱症状に悩まされる人もありますが、生理学的機能は改善の方向に向かい、COによる害など、は真っ先に良くなります。数週間後には効果が実感できて、当外来でも「目覚めが爽やか」「顔色が良くなった」「食べ物がおいしい」「手の震えや咳・痰が止まった」など、さまざまな感想が聞かれます。もちろん、肺ガンや虚血性疾患などのリスクも低下します。たとえば、禁煙と肺ガンの関係では、禁煙後4年以上経つと、死亡率が喫煙者の3分の1に軽減し、その後、さらに漸減しています。また、禁煙後10年以上経つと、総死亡りスクが非喫煙者のレベルまで低下すると言われています。

月刊「ヘルシートーク」,1996、12月号

「タバコをやめたい人の−−禁煙外来」より

ホーム