第60話 探索つづくよどこまでも
さあ、南大陸初の街を発見した勇者たち、慌てて街の中へと駆け込みました。ま、理由はだいたい判っているんですけどね。 ひでかず(以下、ひで)「武器屋はどこだ、武器屋!!」 まさはる(以下、まさ)「お前は【雷神の剣】拾ったんだからいいだろ!?俺はずっと黄金の爪使ってんだ、俺の武器の方が先!!」 ともき(以下、とも)「ほっほっほ、子供たちは元気ですねぇおじいさん」 ほだか(以下、ほだ)「誰がおじいさんだ誰が(苦笑)。しかしあれだね、どうせ街で売ってる武器なんぞ勇者さまの専用品でないと判っているから楽だね」 とも「俺の場合も特別だからな、隠し職業みたいなもんだからな」 ![]() ほだ「ほう、ここはドムドーラというのですか」 とも「猫型ロボットがジェットストリームアタックかけてきそうな名前ですな」 まさ「ゴルァ何またーりしとんねん!武器屋じゃ武器屋!!」 ひで「あった!武器屋!!」 ほほう、さっそく武器屋を見つけたようですよ。 ![]() まさ「ドシェー!商売非熱心ざんすー!!」 ……ま、確かに子供の名前ってのは一大イベントですよね。そういや昔話題になった悪魔ちゃんってどうなったんでしょうかね?確か音の似た「タクマ」だか「アルマ」だかそーいう名前になったとか聞きましたが……嫌ですね、もし自分の名前が「バラモス」とかだったらどうします?バラモスならまだ知名度ありますけどね、もし「プランプル」とかいう名前で、しかもその由来が1962年に東映が製作した子供向け特撮映画「宇宙戦隊・プライムバトライザー」の銀河皇帝マルヘシーの一の子分、疾風のプランプルだったりしたらどうします?いや、どうします?って聞かれても困っちゃいますよね。ちなみに上記作品は全くの架空ですので信じないように(笑)。 ほだ「残念じゃったのう、武器屋は商売どころじゃないようじゃ」 まさ「まだだ、どこかにもう一軒!」 とも「そんなに都合良く……」 ひで「あった!」 なんともう一軒!さほど広くない街にもう一軒の武器屋を発見した戦士ひでかずと武闘家まさはるは意気揚々と突入し、まさはるは肩を落として出てきました。 ほだ「どした?」 まさ「……武闘家用はないって言われた」 ひで「あはははは、僕用の盾売ってた、盾!買っていい?」 ほだ「んむ、まあいいでしょう」 とも「俺もちょっくら見てみるかな」 ちなみに売っていたのは「力の盾」でした。少しだけですが防御力が上がり、また戦闘中に使うとベホイミの効果があるそうです。 ほだ「ほほう、いい盾だな」 まさ「……俺も買っていいか?」 とも「だってお前は装備できないだろ?」 まさ「いやさ、自分で体力回復できるようになるなら、持っててもいいじゃん」 ほだ「ま、そりゃそうだが」 とも「俺のベホマラーじゃ不満かい」 なんかぶちぶち始めたので、勇者はその間に情報収集です。 ![]() ほだ「!!オリハルコン!!」 おっと、いきなり重要情報か!? ほだ「来た来た来た、来たって感じですか!?確か第57話あたりで出てきたよなオリハルコン!どう考えても俺専用の武器の原料であろうオリハルコン!それがこの街に!!」 ひで「うん、いい盾買っちゃったよほんとに……っておい、ナニ興奮してんの?」 ほだ「よくぞ聞いてくれた!いよいよ勇者専用武器【王者の剣】が近づいて来たってことだ!」 ひで「は?」 ほだ「いやさ、この街に【王者の剣】の材料であるオリハルコンがあるらしい!んだ」 ひで「へー、そりゃ良かったね」 ほだ「良かったね、じゃないよ。総出で捜索だ!」 ひで「え、本気?なんで僕たちまで?」 ほだ「問答無用!」 武闘家と賢者の論争も、どうやら『力の盾を買わないかわりに頻繁に回復して貰う』というセンで蹴りがついたようです。パーティーに合流してきた彼らにもオリハルコンの噂を話し、全員で探索することにしました。 ほだ「あのー、なにかご存じないですか?」
ほだ「……どうも」 ひで「すみません、何か心当たりはありませんか?」
ひで「……風邪引いたんじゃありません?」 とも「何か知りません?」
とも「ふむふむ、それはそれで重要なヒントかも知れないなぁ」 まさ「お嬢さん、何か変わったこととか御座いませんか?」
まさ「!!牧場のどのあたりですか!?」
ほだ「そこだ!!」 牧場といってもそれほど広い場所ではないのですが……茂みの中を探してみると…… ![]() ひで「あった!」 ほだ「ルーラ!」 まさ「え゛!?」 オリハルコンを手にした勇者、いきなりルーラを唱えました! とも「な、何すんだよ!?」 ほだ「善は急げって言うだろ?マイラの鍛冶屋に持ってくんだよ」 オリハルコン手に入れてウキウキモードですから、他人の迷惑なんかまるで考えてません。マイラに入るなりダッシュで、ジパングから来たという道具屋の主人の所へ向かう勇者です。仲間たちはあきれて街の入口で待っています。 まさ「……でもさ、剣ってすぐにできるもんじゃないだろ?」 ひで「どうなんだろうね?一週間とかかかるのかな」 とも「粘土細工じゃないから、一日でできるってことはないだろうな、やっぱり」 まさ「お、戻ってきたぞ」 戻ってきた勇者、てぶらです。 ひで「どしたの?」 ほだ「いやね、なんでも鍛えるのに時間がかかるからってさ。預かり保証金くれた」 まさ「は?」 ほだ「22500ゴールド、剣を引き取りに来るときに、全額返してくれってさ」 とも「タダで剣を作ってくれるわけじゃないだろ?だから22500ゴールドプラスいくらか払えってことだなきっと」 ひで「なんかよく判らないけど、予約券みたいのでやればいいのに」 ほだ「……知らねーよ!」 とも「よし、ドムドーラに戻るぞ!ルーラ!!」 まさ「あっ今度はお前か!!」 ルーラって本当に便利ですよね。アッという間に勇者たちはドムドーラの街に戻りました。 とも「さて、ここから南東にもうひとつ町があるそうだ……ってなんだよその目は」 まさ「いきなりルーラすんなっつーの!」 とも「あーすまんすまん」 まさ「ちっともすまなそうじゃない!」 ひで「へー、町かぁ!行ってみようよ」 ほだ「そうだな、そうすりゃ【王者の剣】もそのうち出来上がるだろ」 武闘家まさはるを放っておいて、すたすたと歩き出す3人。 まさ「コラーっ、俺の話が終わってねーっつーの!!……って言うか待ってくれ、置いてくな〜!!」 さあ、着々とラストに向かってストーリーは進んでいきます!いつになったら【王者の剣】は出来上がるのか、まだ見ぬメルキドの町には何が待っているのか!!……といった所で今回はおしまいです。さてさて、これからどうなりますやら。 では、次のお話でお会いしましょう。 世界がこのまま平和でありますように…… 次回予告 時は正暦2201年、世界中に張り巡らされた通信ネットワーク上に突如として出現した悪魔のスクリプト【イレイザム】は、アッという間に全ネット世界を支配下に置いてしまった。ネット世界に捕らわれた人々の心を救い出すため、そしてネット世界をイレイザムの魔の手から取り戻すため、戦士ひでかずは正義のスクリプト、Netファイター・グランディアと共に戦うのであった。 ひで「そんな……勇者が敵だなんて!」 ???「落ち着くんだひでかず、彼はイレイザムに操られている。彼と彼の乗っているNetファイターを倒せば、イレイザムの手から解放することが出来るんだ!」 ほだ「くっくっく、何をごちゃごちゃと……行くぞペガシディア!」 ???「おう!覚悟しろグランディア!」 とも「このワクチンプログラムさえあれば、ネット世界をイレイザムの手から取り戻すことができる!かも知れない」 まさ「どういうことだ!?」 とも「イレイザムは自己進化・自己分裂を繰り返している……だから、各地のアクセスポイントから一気に駆除しないと、すぐに抗体を持つ新イレイザムが生まれる可能性があるってことだ」 ペガシディアをなんとか退けたひでかずとグランディアだったが、彼らより一足早くペガシディアと勇者のデータは何者かに回収されてしまった。日に日に激しさを増していくイレイザムの攻撃。復活していく仲間のNetファイターと合体することにより、新たな攻撃力を得ていくグランディアは、はたしてイレイザムに打ち勝つことが出来るのか!? 次回、ドラゴンクエストIII「電網探険記Netウォーカー」、ご期待ください! (内容及びサブタイトルは変更になる場合があります。ご了承ください) 第61話へ 「DQ3-Replay」トップに戻る | |||||