「C&R」てなんだ

鹿川の現状

私が釣りをはじめて何年かたって、ある程度渓魚が見えだした頃、上鹿川の上流部へよく出かけていました。この頃は大きなヤマメがいたるところにいて、びっくりするぐらい小さなところからヤマメが姿を出してくれました。その後、漁協による禁漁区になり釣りができなくなりましたが、とても気持ちのよいところですからハイキングによく行きました。ところが、禁漁区となってから渓魚の姿がめっきりへってきたような気がします。

人があまり入らなくなったためヤマメの警戒心が薄らぎ何人かの人に釣られてしまったのかもしれません。4、5年前は人がいっぱいだったのでヤマメがいっぱいいました、奈須商店で「ヤマメがいない」とこぼす人が多いと聞いていましが、その頃は、大きなヤマメがいっぱいいました、釣れました。自然のままでは、自然は守られないのかもしれません。特に多くの人が行き交う場所には人がいることで守られている自然もあるようです。

私論

私は、「C&R」ってなんだか、生き物をもてあそんでいるようで大嫌いです。リリースすることだけが善行のように大上段に振りかざしている連中には反吐が出ます。私は、食べたいとき渓魚を食べます、身も、骨も、うろこも、ひれも、ぞうばたも、すべて食べます、食べて感謝します。食べないときには、釣りをしないのが一番だと思ってます。でも、どうしても魚が釣りたくなるのが釣り人のかなしいさがですし、また生まれつきなのか解りませんがすぐに飽きてしまう方です。だから、半日も釣ればもうその日の釣りに集中できません、後は他人の釣りを見物したり、川を歩くことに重点を置くようにしています。一日何十尾も、何百尾も魚を釣りたいとは思いません。

とある「C&R」区間でのこと

上鹿川キャンプ場・「C&R」の看板

最近とあるサイトのページにニジマスを放流しその川を話題の中心にしたものがありました。しかし、そこには「餌釣りの方はご遠慮ください。」とまで記されていました。その理由が「魚を残すため」だそうです。でもその川は、漁協が一定区間を残留数を比較するために「C&R」を依頼しているにすぎず、いくらそのサイトの作成者が放流に協力したからと言って彼の川ではないはずです。彼らは、放流してそのすぐ後で釣りをしているようです。

先日その川を訪れた時に、地元のご夫婦が仲良く釣りをされていました。仕掛けは、その辺で売っている竿とリール、もちろん餌釣です。地元の人が地元の川で釣りをすることができないのでしょうか、餌釣りはいけないことなのでしょうか。放流した魚は民法で言う「無主物」と考えるそうです、採補とはそれを自分のものにする行為だと「漁業法」の逐条解説に書いてあったと思います。かのサイトの作成者の発言は、川を私物化しているような気がしてなりません。魚は誰のものでもなく、川は未来永劫にみんなのものです。

ある夏休の終わりに近い日のこと

また、ある夏休の終わりに近い日に上鹿川キャンプ場を訪れた時、キャンプをなさっているご家族がいらっしゃいました。管理棟の横にある水盤にびくが有り小さなヤマメが1尾入っていました。翌朝そのびくを持ってお父さんが釣りに出かけ、もっと小さなヤマメを釣ってこられました。お父さんが釣ったヤマメを宝物でも見るようにお子さんは何度も何度も水盤のところにやってきました。お昼になって、食事の準備を始められ、その2尾のヤマメも厳粛に調理されてしまいました。このお父さんは非難されなければならないのでしょうか、私には答えが解りません。

世間にはいろんな人がいて、いろんな考えがあると思います。でも、私は、自分の行為が、主義主張がすべてだという人は嫌いです。